2018/05/15

2018年5月15日(火曜)昨日14日、海外市場の動き

2018年5月15日(火曜)昨日14日、海外市場の動き

米債利回りは上昇、米株は何とかプラス圏を維持し相変わらず原油高へ。 為替相場の動きは複雑で、中東情勢の懸念+米中通商交渉+NAFTA再交渉の不透明感にリスク回避の動きなのか、新興国通貨売りが目立ちTRY+ZARは大幅安、主要通貨でも早期利上げ観測が遠のくNZDの弱さが目立つが、逆に週末リスク解消後のJPY売りも強まる。

米株は高値から値を下げるも前日比で小幅上昇を何とか維持。ダウ24,899.41+68.24(+0.27%)、Nasdaq+S&P500も小幅高。米債利回りは上昇、10年債は終盤にかけ3.0%の大台を回復し3.002%(+0.032)、2年債も一時2.56%まで上昇し2.556%(+0.017)で終了。原油価格(WTI)は相変わらず不安定な中東情勢に上昇、71.15(+0.45%)で取引中。

ロス商務長官は、米中間の貿易問題の隔たりは大きく懸念材料が続き、6月1日までに合意しなければEUに鉄鋼の制裁を発動すると発言。通商問題でリスクが高まるも、逆にトランプ大統領は制裁発動に深刻は影響が続く中国ZTEに関して「速やかに事業に戻る方策を同社に示すため、習主席と協力」とネガティブ発言。さらに、5月15~19日に中国副首相が訪米し「経済・貿易問題で米国側と協議」とあり、中国ZTEに関しても協議と前向きな動きへ。

USDJPYは、特に円相場に影響を与える材料は乏しい中、109円の大台をボトムに底堅い動きが続く。週末リスクヘッジの円買いの巻き戻しなのか、早朝の109.21をボトムにクロスを含め緩やかな円売りの流れは止まらず109.67まで上昇。欧州市場に入り前日の高値109.57を上抜け109.60まで上昇、米国に入りフィキシングで109.64上値後に、109.42まで値を下げるも、終盤にかけては109.67まで再上昇。

EURUSDとGBPUSDはアジア・欧州市場と底堅く上昇傾向が続くも、米国市場に入り流れは変化し下落へ。結局は前日と大きな変化は見られず、「行って来い」状態。

EURUSDは9月16日の1.1822をボトムに、ビルロワドガロー仏中銀総裁の「利上げ開始時期について、ECBが新たなガイダンスを示す可能性がある」とのタカ派発言もあり4日連続で上昇し、1.2000試し一時1.1996まで続伸。しかし、オプション絡みの売りなのか? 23:00時のオプションカットから急変しフィキシングでは1.1960台で下げ止まるも、ロンドンクロージングタイム近くで続落し、1.1920台と先週末の水準を若干割り込んで取引されている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【北米】
メスター・クリーブランド連銀総裁=3月にPCEデフレータが2%に達したが、持続的では無い可能性も。インフレ上昇の一部は商品高を反映。FF金利は、最終的には3%程度と推計される長期中立金利を上回る水準となる必要も

ブラード・セントルイス連銀総裁=年内もしくは2019年初旬に逆イールドとなるリスクがあり、逆イールドが起きれば、米経済にマイナスのシグナルを送ることになる。そのため短期金利の引き上げペースを速める必要はなく、インフレが安定した状況下において不必要。

ロス商務長官=貿易問題で米中の隔たりはなお大きい。EUとの協議は継続しており、6月1日までに合意しなければ鉄鋼への制裁関税を発動する

トランプ大統領=米政府の制裁で苦境に立った中国の通信機器メーカーZTEについて、「速やかに事業に戻る方策を同社に示すため、習主席と協力している」

【欧州】
メイ英首相=EU離脱への決意再表明、全ての関係者の譲歩がなければ実現はできないと訴え、EU関税同盟を巡る閣僚間の対立をけん制⇒ サンデー・テレグラフ紙「メイ政権の閣僚28人中、少なくとも12人が、メイ首相によるこの提案を阻止する意向」。

ビルロワドガロー仏中銀総裁=利上げ開始時期について、ECBが新たなガイダンスを示す可能性がある。利上げ時期は量的緩和の終了後「数四半期」と予想。ECB利上げはQE終了から週四半期後と予想 → 欧州債券利回りが上昇

レーン・次期フィンランド中銀総裁=ユーロ圏の経済見通しは堅調だとしながらも、一部加盟国の公的財政や銀行に起因する先行き不透明性により「下向きリスク」に直面。ユーロ圏の成長ペース減速のうち一部は一時的要因によるものと説明できるが、指標からは成長が緩やかになった可能性があることが示されている

プラートECB専務理事=4月に鈍化したものの「足元の原油先物価格に基づけば、インフレ率は今後数カ月間1.5%近辺で推移する公算が大きい」

マッタレッラ・イタリア大統領=五つ星と同盟党首と個別に会談、連立政権樹立への協議と注目。

【アジア・その他】
ロウハニ・イラン大統領=核合意で残りの5カ国が引き続き合意を順守するなら、イランは合意にとどまる。

劉鶴中国副首相=5月15~19日に訪米し経済・貿易問題で米国側と協議。米政府が制裁を発動した中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)を巡り、トランプ米大統領は中国側と協力していると13日にツイートした。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※