2018/05/23

2018年5月23日(水曜)昨日22日、海外市場の動き

2018年5月23日(水曜)昨日22日、海外市場の動き

23日のFOMC議事録を前に、米金利は伸び悩み株安で、ドルロングのポジション調整が進む。

米中通商協議でとりあえず貿易戦争が回避され停戦へと持ち込み、一時リスク選好の動きに資源国通貨高へと動くも、米朝首脳会談の開催に陰りと、イタリアではポピュリスト政党による新政権がユーロ離脱計画を呼び掛けたエコノミストを財務相に起用することを検討。サンデー・タイムズは英国の解散総選挙の観測を報道。低下気味の米金利も底堅く推移し、為替相場は新興国通貨の売りは収まるも、主要国通貨は上昇から反落し前日比で大きな変化は見られず。円はUSDJPYが111円の壁を中心に上下変動し、クロスでは若干の円高へと動く。

米株は下落、ダウ-178.88(-0.72%)、NasdaqとS&P500も-0.2~0.3%の下げへ。米10年債利回りは3.053%(-0.0055)と若干の低下ながら高水準を維持し、2年債の最高落札利回りが2008年来の高水準。原油価格(WTI)はOPEC関係者の産油量の引き上げの可能性もあり72.09(-0.21%)と小幅低下。

USDJPYは前日比-0.11%近辺と若干の円高へと動きクロスでもCADJPYを主に円高傾向が続く(除CHFJPY)。欧州市場の序盤に、米中通商協議の成果を意識した新興国通貨高に111.19まで上昇するも、投機筋の円ショートの巻き戻しに上値は抑えられ、新興国通貨が値を下げると再び111.00の大台を割り込む。TRYJPYの急落もあり一時110.80まで下落するも続かず、オプションカット、ロンドンフィキシングで買戻しが続くも111.08を高値に、弱い米株+伸び悩む米金利+円ショートの巻き戻しに111.00の大台を維持できず、110.90近辺で終了。

EURUSDは前日比-0.12%近辺と若干のEUR安。欧州市場の序盤では一時1.1757まで下落し本日の安値を示現するも、新興国通貨高+イタリア債が反発し1.1830まで急伸。欧州市場は1.1805~30のレンジでの推移から、タリア財務相候補にユーロ懐疑派との報道を受けて売りへと変化。米国市場に入りオプションカットでは1.1769まで下落後は、1.1770~93の狭いレンジで推移し、今日のFOMC議事録の結果を見守る動きへ。


◎米朝首脳会談の開催に陰り、米韓首脳会談でトランプ大統領は「今回の会談が実現しない可能性は極めて高い」、「例え実現しなくてもそれでも構わない」、「この先米朝首脳会談が開催されないことを意味しているわけではない」と語る。
◎トランプ大統領は、最近の北朝鮮の変動は、習近平・中国国家主席との会談が影響している可能性をあらためて指摘し、「習氏はワールドクラスの勝負師だ」
◎カーニーBOE総裁は、BOEが5月に利上げせず、悪天候などにより軟調なスタートするも中銀が利上げを実施する軌道に乗っていることを示唆。ブリハBOE政策委員も「今後の3年間で政策金利の引き上げ幅を0.25%三度の予想より、多めの利上げを予想」
◎サンデー・タイムズは、与党・保守党議員の一部は水面下で選挙準備を進めているとし、解散総選挙の観測が浮上。
◎イタリアは ポピュリスト政党による新政権が、ユーロ離脱計画を呼び掛けたエコノミストを財務相に起用することを検討。
◎OPEC関係者の産油量の引き上げの可能性に、原油価格は軟調でCAD売りへとつながる。

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【北米】
ペンス米副大統領(フォックスニュースがインタビュー)=北朝鮮の出方次第でトランプ大統領は米朝首脳会談を取りやめる用意がある。米国は引き続き首脳会談に期待を寄せているとしつつも、譲歩することはない

財務省報道官=ムニューシン米財務長官は、中国の対米投資をめぐる懸念に対処する対応策をトランプ大統領に報告

ポンペオ米国務長官=イランに対する厳しい対応を表明。イランが核プログラムの放棄やシリア内戦からの撤退を含む米国の要求を受け入れなければ、米国は同国に対し「史上最強」の制裁措置を導入する可能性を指摘 → イランILNA通信は、ロウハニ大統領はポンぺオ長官の要求を一蹴。

米韓首脳会談=トランプ大統領は文在寅韓国大統領との会談前に記者団に「「今回の会談が実現しない可能性は極めて高い」と語る。例え実現しなくてもそれでも構わない」とし、「この先米朝首脳会談が開催されないことを意味しているわけではない。6月12日の開催は無理かもしれないが、いずれ開催される十分な可能性はある」と述べた。北朝鮮は偉大な国となるチャンスがあり、その好機をつかむべき。金氏が最近行った習近平・中国国家主席との会談が影響している可能性をあらためて指摘し、「習氏はワールドクラスの勝負師だ」

文在寅韓国大統領=トランプ大統領との会談前、ポンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)と会合。米朝首脳会談の開催に向けて準備を加速するよう要請した。

米2年債入札=最高落札利回り2.590%・最高利回り落札比率79.53%で、最高落札利回りが2008年来の高水準

トランプ大統領=中国ZTEに罰金13億ドル・経営陣刷新求める案を提示
米政府=イエメンの武装組織「フーシ派」にミサイル関連技術や兵器を提供したとして、イラン人5人を経済制裁の対象に指定

【欧州】
独財務省月報=第1四半期の減速は一時的で、ドイツ経済は力強い回復局面にある

イタリア紙コリエレ=イタリア大統領が23日~24日に新首相を指名する可能性がある。

カーニーBOE総裁=今年の英経済は悪天候などにより軟調なスタートするも、上向いていくとの認識。中銀が利上げを実施する軌道に乗っていることを示唆。BOEが5月に利上げしなかったことで投資家や家計を混乱させたとの見方を否定。英経済は国民投票以前の英中銀見通しよりも弱い。年内に利上げが実施され、その後は「これまでより比較的緩やかなペース」で利上げが継続するとの見方が大勢となっているとし、金利は緩やかに上昇するという自身の主要なメッセージが正しかったことが証明されたと述べた。

EU加盟国=豪州とNZとの貿易交渉の開始で合意

ブリハBOE政策委員=ブレグジットの不透明感が強まらず今後数年間で終息するなら、今後の3年間で政策金利の引き上げ幅を0.25%三度の予想より、多めの利上げを予想している。

リーカネン・フィンランド中銀総裁=ユーロ圏の基調インフレが加速し総合インフレの上昇を下支えするには時間が必要

サンダースBOE政策委員=ポンド安によるインフレ効果は消え始めている。ブレグジットによるネガティブな影響はおそらく穏健なものに。

イタリア連立政府=サヴォナ氏(ユーロ懐疑派)を財務相に起用検討」→ ポピュリスト政党による新政権が、ユーロ離脱計画を呼び掛けたエコノミストを財務相に起用することを検討しているとの報道がユーロに重しとなった。

サンデー・タイムズ=与党・保守党議員の一部は水面下で選挙準備を進めているとし、解散総選挙の観測が浮上。 保守党内の一部がEU関税同盟からの離脱を主張する一方、議会の過半数は残留を望んでいる。2つの勢力に挟まれ、メイ首相は解決策を見いだせなくなるとの見方が総選挙実施説の根拠

【アジア・その他】
黒田市銀総裁(参院財政金融委員会)=物価が目標の2%に達する前に金融緩和を縮小する「出口戦略」に着手することはないと明言。現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は、量的緩和を段階的に縮小していくテーパリングを意図したものではない。

黒田市銀総裁(参院財政金融委員会)=低金利環境の長期化による地域金融機関経営への影響など、金融緩和の副作用も考慮しながら金融政策を運営していく

王毅中国国務委員兼外相=豪ビショップ外相と会談し、冷え込んだ関係を正常化するにはオーストラリア側が「色眼鏡」を外す必要がある

中国財政省=7月1日から自動車、自動車部品の輸入関税の大部分を25→15%に引き下げる

ベネズエラのマドゥロ大統領=再選した選挙を巡って科された追加制裁への報復措置として、同国駐在の米外交官らの国外追放処分を命じた

OPEC関係者=OPEC加盟国と非加盟のロシアなどの産油国は2018年末まで減産することで合意しているが、イランとベネズエラからの供給を巡る懸念に、6月にも産油量の引き上げを決定する可能性がある


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