2018/05/20

最新のIMMポジションから、2018年5月20日(日曜)

最新のIMMポジションから、2018年5月20日(日曜)

集計日が5月15日(火)の主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の投機的ネット・ポジションの合計は、前週のロング+63,348コントラクトとから+43,213へと4週連続の減少。米10年年債利回りが安定して3.0%を上回る中で、米国と他の主要通貨との金利差拡大にドルに対しての信頼感が強まっている。

7通貨合計のネット・ポジションは、今年1月9日にネットショートからロングに転換した日の+34,627コントラクトに次ぎ低水準で、この数字だけを見ると年初の振出に逆戻りしていることになる。

特徴としては、円がショートからロングへ転換、カナダドルはロングが若干増加とこの2通貨はドルに対して上昇へ。逆に他の5通貨は弱く、ユーロ、ポンドとNZドルは4週連続しロングが減少、スイスと豪ドルもショートがさらに拡大している。

【円】前週-5,462→+3,680(+9,142)
4月3日に2016年11月29日から70週続いた円安(ネットショート)から歴史的な変化をするも、ロング→ショート→そして再びロングと入れ替わり、市場参加者のセンチメントが円ブル派と円ベア派に分かれていることを裏付けている。

【ユーロ】前週+120,505→+115,114(-5,391)
2017年5月9日から54週間ユーロのロングを維持し、相変わらずNO.1のロングポジションを維持してはいるが、4月17日をピークに4週連続の減少で、ユーロ高センチメントが強いと思われる反面、ECBの早期緩和縮小期待も消え、ユーロロングが切り切れていないともとれる不安定な状況とも言えそう。

【ポンド】前週+8,988→+5,621(-3,367)
2017年11月28日から25週ポンドのロングを維持するも、4週連続の減少で水準を見ると2017年11月28日の水準に次ぐ低水準で、さらにショートへと変化する可能性も強まっている。弱い経済指標が続きBOEの早期利上げ期待も遠のき、ブレグジットによる英国内リスクも材料にされやすい。

【カナダドル】前週-23,861→-23,656(+205)
3月27日から8週連続でネットショートながら、増加傾向は見られずある意味では安定しているとも言える。NAFTA再交渉の行方は気になるが、原油・資源価格の上昇と安定した経済指標も目立ち、ドルに対しても底堅い動きとも言えそう。

【豪ドル】前週-16,766→-23,106(-6,340)
4月3日から7週連続しネットショートで直近では3週連続でショートが拡大し、ショートポジションは1月2日の-20,026コントラクトを上回り、2016年2月2日の-26,168に次ぐ水準に。米金利の上昇が新興国通貨安を不安定にさせるリスク回避の影響や、米中通商協議に中国経済への影響も気なるのでは。


別表もご覧ください。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
X