2018/05/03

2018年5月3日(木曜)昨日2日、海外市場の動き

2018年5月3日(木曜)昨日2日、海外市場の動き

FOMCは予想通り政策金利据え置き、直後の為替相場はハト派・タカ派材料に乱高下し、終わって見ればドル高の流れは変わらず。

声明では、インフレ率が上向いていることを認めながらも、対応して利上げペースを速める計画は示さず直後はドル売りへ。しかし、インフレ情勢判断を引き上げ、今後数カ月は緩やかな利上げ路線を維持する方針を示唆したことでドル買いが復活し、主要通貨に対してドルは小幅ながれ全面高へ。いずれにしても短期投機筋が跋扈しているだけにも思える動き。

米株はFOMC後から下落し4日ぶりの反発につながらず。米10年債利回りは米財務省の長期債発行の増額や米追加利上げ期待の継続にもかかわらず弱く小幅上昇にとどまり、2年債は低下気味。

ダウ-174.07(-0.72%)、NasdaqとS&P500も下落へ。米10年債利回りは一時3.001%への上昇から、米財務省の長期債発行の増額にも、FOMC後にも大きな変化は見られず前日とほぼ変わらず2.971%(+0.005)で推移、2年債は2.496%(-0.016)とFOMC後から軟化。原油価格(WTI)は67.66(+0.61%)と上昇へ。

USDJPYは前日比-0.01%とほぼ前回と変わらず。アジア・欧州市場は109.65~92のレンジで推移。米国市場に入りFOMCで米金利上昇期待も強く、オプションカットから上昇気味で、フィキシングでようやく110.00の壁を破り110.03まで上昇するも続かず、109.80~95のレンジで推移。109.85近辺で迎えたFOMCで、「先行きの引き締めペースに強く言及するのは避け」、米債利回りは低下気味で109.60近くまで急落。逆に物価については「2%に近づいてきた」とあり、今後数カ月は緩やかな利上げ路線を維持する方針を示唆に109.90台を復活。

EURUSDは前日比-0.34%と小幅低下。アジア・欧州市場は1.200の大台を割り込みながらも、1.1970台~1.2030台の小幅なレンジで推移。米国市場に入りFOMCのタカ派期待もあり前日の安値1.1982を割り込み1.1953まで下落。1.1950台で迎えたFOMCに、直後は1.2025まで急伸、逆に、1.1940割れまで急落と、結局は1.20の大台を割り込み終了。レベル感では買い圧力が見られ、バイトマン独連銀総裁は、ユーロ圏の景気拡大が終焉との懸念を否定し「来年半ばの利上げ観測は現実的」とのタカ派発言にも上昇力は鈍く強さは見られず。

GBPUSDは前日比-0.30%と小幅低下。AUDUSDは+0.02%と小幅上昇。USDCADは+0.028%と小幅上昇


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17:00    EUR 4月 製造業PMI・確報値=56.2(予想56.0 前回56.0)→ 予想と前回を上回る

17:30    GBP 4月 建設業PMI=52.5(予想50.5 前回47.0)→ 予想と前回を上回る

18:00    EUR 第1四半期 GDP・速報値=前期比0.6%(予想0.5% 前回0.6→0.7%)、前年比2.5%(予想2.6% 前回2.7→2.8%)→ 上方修正した前回を下回るも、予想を上回る

18:00    EUR 3月 失業率=8.5%(予想8.5% 前回8.5%)→ 予想と前回と変わらず

22:16    USD 4月 ADP雇用統計=前月比20.4万人(予想20.0万人 前回24.1→22.8万人)→ 前回が下方修正されるも予想を上回る


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【北米】
FOMC=政策金利(FFレート)1.5~1.75%の据え置きを全員一致で決定、予想通り。今後数カ月は緩やかな利上げ路線を維持する方針を示唆→ 年内後2回の利上げ予想は変わらず

FOMC声明文=「物価上昇率も上向き、当面は目標の2%前後で推移」、「雇用情勢は拡大が続き、経済活動も緩やかに上向いている」、先行きの金融政策は「さらなる段階的な利上げが正当化される」→ 6月の利上げの可能性を示唆するも、今回の声明文で先行きの引き締めペースに強く言及するのは避けた、「インフレの動向を注意深く監視の文言は削除」→「インフレは2%に接近し」に変更。→ インフレ率が上向いていることを認めながらも、それに対応して利上げペースを速める計画は示さなかった

FOMC声明文=物価については「2%に近づいてきた」と指摘し、これまで「引き続き2%を下回っている」としていた情勢判断を引き上げた→ 個人消費支出(PCE)物価指数は、3月の上昇率が1年ぶりに目標の2%に到達し、コア指数も1.9%に上昇している。

FOMC声明文=米景気は大型減税などで上振れ余地があるものの、トランプ米政権が仕掛ける鉄鋼などの輸入制限で企業心理が悪化するとの不安もある

米財務省(四半期定例入札の詳細)=長期債の発行額は前四半期の660→730億ドルへ増額。前四半期の実績は620億ドル→660億ドルへ増額。向こう数カ月入札規模を拡大する方針。FRBの国債買い入れ縮小などを受けて行う。年内に2カ月物の国庫短期証券(TB)売却を始めるほか、5年物インフレ連動債(TIPS)の追加売却の可能性も検討中
トランプ大統領=国家安全保障上の理由で、中国企業の米国内の通信機器販売を制限する大統領令を検討

ポンペオ米国務長官=北朝鮮は直ちに核開発計画の放棄を履行する必要がある。

【欧州】
バイトマン独連銀総裁=ユーロ圏の景気拡大が終焉するとの懸念は過度に膨れ上がったものであるため、ECBが来年半ばに向けて利上げを行っていくとの観測はなお現実的。2020年はインフレ率が1.7%になるとの予想はECBが掲げる目標に沿う。資産買い入れ策を年内に終了させ、来年半ばにかけて2011年以来初めてとなる利上げを実施するとの見方が大勢となっているが、ワイトマン総裁はこうした見方に対する支持を改めて表明。

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