2017/10/15

今週の為替相場を考える(10月16日~10月20日)

今週の為替相場を考える(10月16日~10月20日)

先週は米国が30年ぶりの大型税制改革案を発表してから約4週間続いたドル買い相場から米雇用統計をピークに、FOMC議事録にドル売りへ変化し米CPIを経てドル売りが加速した週になりました。

他にも、各国共にそれぞれの要因があったことの事実で、テクニカル要因も加わり結果的にドル買いから売りへと変化していますが、現状を取り巻く要因ははっきりとせず、次の上下変動待ちの状態と考えます。

JPYは、週始め16日に日米経済対話があり、日米貿易不均衡に関する話の有無や、衆議院選の結果待ち。衆議院選で与党の惨敗予想から過半数超の予想となり、日経平均株の上昇は止まらず、「与党勝利=円安」の期待が続くも、USDJPY相場は112.50を超えられず。期待と実際とのギャップが生じており、市場のセンチメントは円安期待が優勢ですが、円高リスクも混在する状態となっています。

EURは、カタルーニャ州政府の分離独立によるスペイン政府の対応待ちで、独立宣言の有無と自治権のはく奪問題が残り、どこまでユーロ買いができるかは疑問。来週のECB理事会を前にして、慎重姿勢を貫くドラギECB総裁や他の理事の発言待ちなのですが、最近の報道からは「資産買い入れの減額と買い入れ期間の延長で大筋合意。資産買い入れを50.0%削減(300億ユーロ)と大幅減額し、買い入れ期間を2018年9月まで9か月延長することで大筋合意」との報道を意識。結果、ユーロに対してブルでもベアでもなく思い込みは禁物。

GBPは、先週末、英国立統計局(ONS)が集計ミスで第2四半期の単位労働コストの前年比1.6%→2.4%に修正してからGBP買いが強まっていました。メイ首相は辞任までは発展しないまでも首相の信認低下は事実で、ブレグジットの交渉でも拠出金や貿易協定をめぐり前進できず、EU首脳会議でどのような発言がされるのか注目。カーニーBOE総裁は「数ヵ月以内に利上げが必要。英中銀の対応はEU離脱の交渉次第」と、ブレグジットの今後の動きを見守る以外になさそう。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】



◎USDJPY【予想レンジ 111.20~112.50】


USDJPYは、衆議院選の結果待ちながら、「与党優勢=株高」にも円売りは限定的で、112.50を超えられず、テクニカルベースでは売り圧力が強まっています。下値のポイントは111.20、111.50、111.80もレンジ相場が続く中で、ポイントは多数にあります。

DailyチャートのBBは、Basis=112.34、Upper=113.14、Lower=111.54で、111.50がポイントへ。
DailyチャートのStoch RSIは、K=1.198 D=18.38と売りの流れを継続中ながら、売られすぎゾーンに位置。
DailyチャートのMAは、200日MA終値ベース=111.80と前週終値水準で、高値ベース=112.27、安値ベース=111.34。

IMM通貨先物では、【【円】-84,643→-101,419(-16,776)と、前週比でショートが拡大。昨年11月29日から46週間ネットでショートが続き、主要7通貨の中で唯一大幅なショートポジションを継続。市場の円安期待が強く表れていますが、為替市場では上下の動きは鈍く方向性がやや不透明。

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間は前週-1.00%と変わらず、1か月は-1.55→1.50と若干変化するも、長いところを含めて大きな変化は見られず。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.1780-00~1.1880-00 】

EURUSDは、カタルーニャ州独立宣言の有無とスペイン政府の対応が注目され、来週のECB理事会を控えて、積極的に動きにくい状況が続いています。1.1800±20pointの水準が相変わらず下値の重要なポイントで1.1800~1.1880のレンジ内を抜け出すまではレンジ相場の継続が予想されます。

DailyチャートのBBは、Basis=1.1822、Upper=1.1987、Lower=1.1657。
DailyチャートのStoch RSIは、K=79.11、D=46.22と買い継続中で徐々に買われすぎゾーンに近づきつつある。
DailyチャートのMAは、相変わらず200日MAは1.1154にあり大幅な乖離状態は変わらず。36日MA=終値ベース1.1187、高値ベース=1.1918、安値ベース=1.1833にあり、1.1870、1.1918の上値を抜けるまでは再上昇も難し。

IMM通貨先物では、【ユーロ】90,833→98,079(+7,246)と、前週比でロングが小幅上昇。5月9日にロングへ転換して23週経過して安定的な強さは変わらず。ただし、為替市場ではスペイン・カタルーニャ州の独立宣言をめぐり不透明感も。

EURUSDのオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週0.35→0.40%と拡大、1か月も0.35→0.45%へと拡大、ユーロの上昇リスクを意識した流れが今週も続く。


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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3220~1.3350】

GBPUSDは、ブレグジットのリスクやBOEの緩和縮小に対しての慎重姿勢はリスクとして残りますが、1.30をボトムにしインフレリスクの高まりに緩和縮小の期待感が残り、1.32をボトムにして底堅い動きが予想されます。

DailyチャートのBBは、Basis=1.3337、Upper=1.3631、Lower=1.3043。
DailyチャートのStoch RSIは、K=44.63、D=23.01と売られすぎゾーンにあり買い変化が続いています。

DailyチャートのMAは、36日MA=終値ベース1.3228、高値ベース=1.3228、安値ベース=1.3167にあり、1.3228、1.3167が下限になりつつあります。Weeklyチャートでは、36週MA終値ベース1.2687(安値ベース1.2561、高値ベース1.2785)とこのポイントを意識。

IMM通貨先物では、【ポンド】19,949→15,508(-4,441)は、前週比でロングが小幅減少。2015年11月10日から98週続いたネットショートの負け組から脱して3週間経過。為替市場ではポンド売りから反発気味。ただし、ブレグジットリスクの不透明要因は変わらず。

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週-0.65→-0.20%、1か月も-0.70→-0.50%へと低下、ポンドプットがやや弱まっており、ポンド低下リスクがやや減少しています。

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