2017/10/24

2017年10月24日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き


2017年10月24日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

各紙の見出しから日経平均株価の16連騰が目立っている。為替相場は、午前中は小幅なドル高、午後から欧州市場序盤にかけては急速にドル買いが強まる。

相場変動の先駆けはNZドルの急落で、37歳で最年少の首相となったばかりのジャシンダ・アーダーン労働党党首が、NZファーストとの連立合意書に署名し、労働党、NZファースト党、緑の党の3党連立政権の成立が正式に決定したことで、直後は10月20日来となる0.7000の大台まで上昇。

逆に、NZ中銀の政策を見直し改革すると表明したことで、より緩和的な政策へ変化するとの思惑が広まり、前日の安値0.6931を割り込み続落へ。

NZDUSDの下落が引き金となったかは不明ながら、連動性に高いAUDUSDは0.7820台→0.7770台へ下落。EURUSDも1.1177を高値に1.1740台へ下落、GBPUSDも1.3220台→1.3180台へ、USDCADも1.2620→1.2650台へ上昇と、ドル全面高へと変化している。

USDJPYもNYポストの「北朝鮮で生物兵器実験の可能性」との報道を材料に下攻めするも、113.20台をボトムに113円台前半でのドル買い需要は強く下げ止まる。NZDUSDの下落がリードし、主要通貨でドル高が加速する中で、日銀が2017年のインフレ見通しの引き下げを検討との思惑も手伝って113.70台へと上昇。113~114円のレンジで今度は上限を試す動きへ。

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肖捷財政相(サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)=予想を上回る経済成長に、中国の2017年財政赤字はGDP比3%を下回ると予想。

オックスフォード・エコノミクスの経済アドバイザー、ギレルモ・トロサ氏=「来年から始まると想定しているECBのテーパリング(緩和の段階的縮小)は、欧州だけでなく世界の債券市場に一定の影響をもたらすだろう。世界の市場がこれまで恩恵にあずかってきた主な支援要因が失われるからだ」

ドイツ銀のアナリスト試算=15年に始まったECBのQEプログラムは現在、国債の純発行額の7倍の規模。FRBの買い入れは国債の純発行額を上回ったことはなく、日銀は3倍規模。大量に買い入れた結果、民間投資家は居場所をなくした。

NYポスト=北朝鮮で生物兵器実験の可能性→一時USDJPYの売りを誘う。

労働党のアーダーン党首が会見=NZファーストとの連立合意書に署名し、労働党、NZファースト党、緑の党の3党連立政権の成立が正式に決まった。

当初は財政規律について責任を負うと発言し、新政権による財政赤字転落への警戒を示していた市場に安心感を与え、対ドルで0.6970近辺から0.70超えまで上昇するなどNZドル買いの動きを見せたが、

続けて、NZ中銀の役割について再考すると発言し、一気にNZドル売りに。これまでの物価の安定に加え、雇用の最大化などが命題として加えられる可能性があり、より緩和的な金融政策への懸念が広がった。

対ドルで0.70台への上昇分を一気に解消し、さらに0.6920台まで値を落とすは大きな振幅を見せる展開となった。