2017/10/13

2017年10月13日(金曜)昨日12日、海外市場の動き

2017年10月13日(金曜)昨日12日、海外市場の動き

バルニエ氏のブレグジット協議発言でポンド相場は上下変動。ハードブレグジットリスクに下落し、ソフトブレグジットの可能性に上昇。今後の流動的で不透明。

米株は小幅下落し米債利回りは軟化、ドルはNZDUSD(0.68%)の上昇を筆頭にEURUSD(-0.24%)を除き小幅上昇へ。そして、いつもながらUSDJPY(-0.18%)は動かず、JPYはクロスでの通貨間で動きはまちまち。

ドルは、終盤にトランプ大統領はオバマケアの一部見直しの大統領令に署名。米国のユネスコ脱退の落ちが付くも、WSJエコノミスト調では95%が12月の米利上げを予想。米新規失業保険申請件数は予想外に改善、PPIは予想外に上昇。来年の追加利上げ期待は変わらず。

ドラギECB総裁とブレイナードFRB理事は期待と予想通り慎重姿勢。総裁は低金利政策の維持を再表明し、政策金利をQE終了後も「長期にわたり」現行の過去最低水準に留まる。理事は物価目標達成まで利上げないとの確約することで恩恵へと発言。

GBPUSDは、一日を通じて上下変動が激しく終わってみれば前日から小幅高で、1.30のからのボトムアウトの可能性が高まるが、今後のブレグジット交渉次第で変動が続く可能性が高く注意。

アジア・欧州市場は1.3260台を高値に利食い先行で上値は抑えられていたが、欧州市場でバルニエEU側のEU離脱首席交渉官が「貿易協定や拠出金を巡って英国のEU離脱協議は膠着」と発言、ハードブレグジットのリスクが高まり1.3120台まで急落。1.31台後半に値を戻す中で、今度はバルニエ氏(ドイツ紙)が「EU単一市場に在留できる2年間の移行期間を英国に提供する可能性がある」と報じると1.3290台まで上昇。1.3300の大台では抵抗があり上げ止まる。引きブレグジット交渉をめぐり上下変動するリスクは残る。

EURUSDは、アジア・欧州市場の序盤は買いの流れが続き一時1.1880まで上昇。欧州市に入り緩やかな売りへと変化し、強いユーロ圏鉱工業生産にも売りの流れは止まらず。GBPUSDが下落する中では緩やかな下げにとどまり、強い米経済指標やドラギECB総裁とブレイナードFRB理事の緩和姿勢に慎重発言が続き、1.1820台まで値を下げ安値圏での取引が続く。

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〇原油価格は小幅下落、50.66(-0.64+1.25%)
〇米株は小幅下落、ダウ-31.88(-0.14%)、S&P500-4.31(-0.17%)、Nasdaq-12.04(-0.18%)
〇米債利回りは軟化、10年債は前日2.348→2.32%、2年債も1.519→1.513%。

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WSJエコノミスト調査=FRBの12月利上げ予想95%。18年は3回実施されるとの予想が大勢。

バルニエ英国とEU離脱協議の首席交渉官=貿易協定や拠出金を巡って英国のEU離脱協議は膠着。→ 無秩序な離脱のリスクが高まりポンド売りが強まる。

バルニエ英国とEU離脱協議の首席交渉官=来週のEU首脳会議で、将来の貿易について協議を始める可能性を否定するも12月までの進展は可能。

バルニエ英国とEU離脱協議の首席交渉官(ドイツ紙)=EU単一市場に在留できる2年間の移行期間を英国に提供する可能性があることを示す→ ポンド買い戻しが強まる。

自由民主党(FDP)と共にメルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)との連立協議を開始する見通しの、独緑の党ペーター共同代表=次期ユーロ圏財務相会合の議長に、緊縮政策からの転換と、投資や財政面での連携を支持すべき。

ケリー米大統領首席補佐官=北朝鮮が米本土攻撃能力を開発することは容認できない。北朝鮮の核脅威について現時点で対処可能。現在の水準より脅威が増せば、外交が機能するよう期待。

ドイツのクセトラDAX指数=一時、初めて13,000の大台を突破。

プラートECB専務理事=ユーロ圏は堅調で裾野の広い景気回復がみられ産出量と雇用のギャップの縮小も、成長とインフレの非連続性はまだ解消されず。

バイトマン独連銀総裁=金融政策は速やかに、かつ一貫性のある形で引き締められる必要がある。

ドラギECB総裁=低金利政策の維持を再表明。政策金利をQE終了後も「長期にわたり」現行の過去最低水準にとどめるとの確約は、借り入れコストの抑制に向け非常に重要。→ 26日のECB理事会で資産買い入れの縮小開始を決定する可能性があるが、低金利は維持の可能性が高まる。

ブレイナードFRB理事=米金融当局が2%のインフレ目標を継続して達成できない状況は金融政策を運営する上で「重要な検討事項」。インフレ目標を引き上げれば、インフレ期待を不安定にさせるリスクがある。

ブレイナードFRB理事=物価目標達成まで利上げないとの確約することで恩恵。低インフレとの格闘も続く。

パウエルFRB理事=経済指標が持ちこたえれば、FRBが緩やかなペースでの利上げを継続する。米国や他の先進国による金融政策正常化に伴う影響に、新興国は対処できる可能性が高い。

パウエルFRB理事=米利上げの影響もしっかりと消化しているとしつつも、著しいリスクは存在。中国など、新興国における企業債務の状況は悪化。小規模なサプライズに対する市場の反応が予測不可能かつ大規模な結果に発展する可能性。

米国=ユネスコ脱退。組織の運営方法に加え、反イスラエル的な姿勢などが理由。

ラボバンクの分析=ハードブレグジットでは英国の労働者は2030年までに1人当たり1.15万ポンド(約170万円)の負担を被り、GDPの18%に匹敵する規模。英国のGDPは、EUと自由貿易協定を締結できた場合で1.1%、できなかった場合は2.4%それぞれ減少するとみている。
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