2017/10/14

2017年10月14日(土曜)昨日13日、海外市場の動き 米金利の低下とドル売りが続く

2017年10月14日(土曜)昨日13日、海外市場の動き 米金利の低下とドル売りが続く

週末金曜日の米国市場は、米CPIの結果をうけて債券利回りは低下しドル売りへと急変。米CPI総合は前回を上回るも、コアは弱く直後はドル売りが加速。

一方、同時刻に発表となった米小売りは予想に届かないが2015年3月来の高水準。23:00時のミシガン大学消費者信頼感は2004年1月来の高水準、企業在庫は9か月ぶりの増加幅と強く、ドル売りも弱まる。

しかし、米CPIで低下した米債利回りは回復せず、米株は小幅な上昇にとどまり、ドルの買い戻しも強さは見られず。CME FedWatchは12月の利上げ確率を82.7%→81.7%へと若干下方修正へ。

米通貨当局者からタカ派・ハト派と多くの発言があった。カプラン(利上げに慎重であるべき)、フィッシャー(利上げ支持ながらインフレ低迷を警戒)、エバンス(インフレ目標達成が重要事項と利上げ慎重)、ローゼングレン(利上げ支持)、ボスティック(利上げ支持)

強さが目立ったのは、AUDUSD(+0.88%)で、0.7800を下回ることもなく、10月4日の高値0.7870台を超えて米CPI後には0.7900直前まで上昇、急伸の流れを維持し、EURAUD(-0.98%)とAUDの上昇が際立っている。ちなみに2番目はNZDUSD(+0.58%)。

EURUSD(-0.10%)は、米CPI後に1.1800台→1.1870台へと上昇するも、強いミシガンと企業在庫に加え、欧州市場で流れていた「資産買い入れ期間の9か月延長で合意」との報道や、ドラギECB総裁の「大規模な金融緩和策が必要」との発言が、ドル売りの流れを抑制し、1.1810台まで低下。引き続き1.18000の大台を維持しながらも、他の主要通貨で弱さが目立っている。

GBPUSD(+0.15%)は、米CPI後に1.3260台→1.3330台へと急伸するも、強いミシガンと企業在庫に買いの流れも続かず。カーニーBOE総裁の「数ヵ月以内に利上げが必要」との報道にも動きは鈍く、カタルーニャ自治州のスペインからの独立のリスクと来週のEU首脳会議を前にして、積極的にも買いにくい面も残り、終盤にかけて1.3270台まで値を下げて終了。

USDJPY(-0.40%)は、米CPI後に112.20台→111.70まで急落。強いミシガンと企業在庫に111.98まで値を戻すも、112円台を回復できず、大枠111.80~95の狭いレンジで終了へ。

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〇米株は小幅上昇、ダウ+30.71(+0.13%)、S&P500+2.24(+0.09%)、Nasdaq+14.29(+0.22%)。
〇米債利回りは低下、10年債は2.273%(-0.0447%)、2年債は1.4929%(-0.0198%)
〇原油価格(WTI)は上昇、51.42+0.82(+1.62%)

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トランプ大統領=2015年に欧米主要6か国とイランが締結した核合意で、イラン政府の合意順守を認めず。議会に制裁判断を要請し、対イラン経済制裁を再発動するかどうか60日以内に決定する。

米財務省=イランのイスラム革命警備隊をテロ組織に認定。

カプラン・ダラス連銀総裁=利上げに辛抱強く、穏やかなペースで進めるべき。インフレ目標などを定期的に見直す必要がある。

フィッシャーFRB副議長=12月利上げの可能性は大きい。インフレの低迷は慎重になる根拠。イエレンFRB議長の再任を支持。

エバンス・シカゴ連銀総=インフレ目標の達成が政策上の最優先事項。賃金は数年前と比べると伸びは加速しているが、通常時より伸びはなお鈍い。米経済のファンダメンタルズはかなり力強い。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=利上げ支持の立場を表明。失業率の大幅低下にインフレ高進を招く懸念。

ボスティック・ボストン連銀総裁(WSJ)=今年3回目の利上げに障害なし。

ECB当局者(ロイター)=ECB当局者は資産買い入れの減額と買い入れ期間の延長で大筋合意。関係者5名の話として、10月の理事会で資産買い入れを50.0%削減(300億ユーロ)と大幅減額し、買い入れ期間を2018年9月まで9か月延長することで大筋合意と報道。

ドラギECB総裁=インフレ率の進展は不十分で、大規模な金融緩和策が必要。基調インフレ指標は依然として持続的な上昇トレンドの兆候を示さず。

コンスタンシオECB副総裁=インフレ期待は抑制されながらも景気は回復しており、完全な規模での金融緩和は不必要。ECBの2兆ユーロ超の債券購入は、ECBの景気刺激策で非常に重要。インフレ率をECB目標値2%まで引き上げるのは「かなり困難」。

ワイトマン独連銀総裁=景気刺激策で債券購入の必要性はもはやない。ただ債券買い入れ縮小後も、ユーロ圏の金融政策は拡張的であるべき。

メルシュECB専務理事=仮想通貨の利用に懸念。私的な通貨は、誰が本当の発行者で、どこまで保証してくれるのか誰もわからない。

メルケル独首相報道官=ブレグジットで移行期の取り決めを協議するのは時期尚早。

カーニーBOE総裁(TV)=数ヵ月以内に利上げが必要。英中銀の対応はEU離脱の交渉次第。英国は余剰生産能力を使い果たした。
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