2017/01/29

今週の為替相場を考える(1月23日~1月27日)

今週の為替相場を考える(1月23日~1月27日)

米国のFOMCと雇用統計、それと、トランプ米大統領の一挙一動。その結果に米金利と米株、それと、為替相場の変動を注目。

今週は重要な経済指標と金融政策の発表が非常に多く、その結果により短期的な反動が大きな週になっている。特に米国の雇用統計は最重要で、金融政策では米国、日本、英国で発表を控えており、現状では政策の変更は考えられず、今後の見通しだけが変動要因と考えたい。

トランプ氏が米国の大統領に就任することが決定した後は、1月20日の就任式を待たずに、彼の一挙一動が市場にとっては重大事項となっていることに変わりないが、言葉を覆す動きが目に付く。

メキシコ国境への壁建費用の問題で対立姿勢を劇化させた米国とメキシコ。先週末にはメキシコ大統領と電話会談をし「両国の関係は非常に良好だと」発言内容が急変させている。トランプ氏の経済政策は今後の判断に任せることにするが、イスラエル大使館の移転問題発言などを含め外交政策ではやや懸念材料も見られる。

円相場に影響の大きい日米関係では、28日の日米首脳の電話会談に続き、2月10日にワシントンで2国間首脳の会談が予定されている。日米貿易不均衡の是正が主要テーマの一つになることは間違いないと思われている。表面的(外交上)には友好ムード装いながらも「米国の利益に関しては寛容で、不利益に関しては厳格」であることは変わらず、USDJPYの上昇力を削ぐ要因となっている。

為替相場は、CFTCのIMM通貨先物市場では、円を含め主要国通かのショートが減少傾向にあり、カナダドルとNZドルはロングへと変化しドル高傾向に疑問がもたれてはいる。反面、トランプ米大統領の経済政策への期待感はまだ続いており、強い米経済にするとの政策を考えれば、ドル高傾向の終わりとは考えにくい。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】



◎USDJPY【予想レンジ 113.00~116.00】


USDJPYを過去3週間で比較すると、前週比で-2.11→+0.12→+0.44%と、急落ごは2週連続で緩やかなドル買いの流れとなっている。日銀のテーパリングの思惑や米国の為替政策で円高への懸念が強まった先週でも、USDJPYは112.50~113.00をボトムに下げ止まり、115円台まで反発する底堅さは変わらず。

115円台は1月12日から上値が抑えられている需要なポイントで通商問題もあり積極的なドル・ロングも難しく、この水準を完全に超えられるか注目したい。日米首脳会談で貿易問題がどうなるのかをハッリさせるまでは、USDJPYのポジションは控え気味で、円相場はクロスでの変動に左右されやすくなっている。

CFTCの円ポジションは引き続き高水準ながら、4週連続でショートが減少しており、円先安期待は弱まっている。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.0600~1.0800】


EURUSDを過去3週間で比較すると、前週比で+1.03→+0.55→-0.07%と、ユーロの上昇も弱まり、上下の反動も収まる傾向にある。日足ベースでは目標の1.0800を達成できず、週足終値ベースでは1.0700台をクリアに超えられずにいる。

EURGBPの下落によるEURUSDの売りも一因だが、基本は主要国の政治的なリスク不透明なこともあり、イタリアは憲法裁の判決で年内の選挙の可能性が高まり、フランスの大統領選の不透明性も材料に。

CFTCのユーロ売りポジションは引き続き高水準ながら、昨年11月1日トから減少傾向にあり、先週の減少幅大きく、ユーロ売りセンチメントは後退していることが示されている。


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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2450~1.2800 】


GBPUSDを過去3週間で比較すると、前週比で-0.72→+1.49→+1.37%と上昇力が強まり、予想外の上昇となった。メイ首相のEU離脱の明確な説明を受け、議会承認を得ることが決まり、プロセスの透明化が評価され、1.2500のサイコロジカルなポイントも難なく超えた。そして、先週は1.25台をベースにし、1.27台を試した後で伸び悩んでいる。

1.28は昨年12月序盤の高値水準に位置し、1.28の水準は7月序盤のボトム当たり今後の重要なポイントになっている。

CFTCのポンド売りポジションは、引き続き高水準ながら、2週連続で減少を続け減少しポンド売りのセンチメントはやや後退中。



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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7450~0.7600】


AUDUSDを過去3週間で比較すると、前週比で+2.75→+0.78%→-0.11%と大幅に上昇した後は、25日の弱い豪CPIに0.7600台から売りへと変化しているが、下げ幅は予想外に少ない。

CFTCの豪ドル・ポジションはショートからロングへと変化して2週間過ぎ、予想外に強さを維持している。ただし、25日の弱い豪CPIにAUDUSDは売りに変化しているが、今回の数字の集計日は24日でこの影響は消化できず。


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