2017/01/12

2016年1月12日(木曜)11日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2016年1月12日(木曜)11日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

中国・日本・メキシコの貿易不均衡を示唆するも、肩透かし気味のトランプ次期米大統領の会見に期待損失相場へ。事前の過度の期待感で買われたドルは急落するも、1月20日の新政権発足を前にして、潜在的な新政権への期待感は変わらないが、過度の期待感も弱まる。

具体的な経済政策の発表はなく、期待外れのトランプ氏会見にも為替以外の米株と米債は大人の動きへ。米株は一時値を下げ、上下しながらも小幅高を維持し、NYダウは+90ドル前後と、19940ドル台で2万ドルを狙える水準を維持。10年債利回りは低下から値を戻し2.366%と前日比ほぼ変わらず。原油価格(WTI)は52ドル台へと上昇。

お祭りムードの為替相場は、1月20日の新政権の発足を直前にし、米大統領選後の初となる会見で具体的な経済政策を期待した、強気ムード先行のドル高傾向が続いていた。会見ではロシア問題が多くを占め、経済面では具体的な発言もなく、「期待損失」相場に、直後からドルは全面安へ。

USDJPYの動きは大きく、約2.6円下落後に約1.3円(半値)に値を戻す。期待先行のドル買いムードに会見前には一時116.80台まで上昇し、会見の期待滑落に115.00円の大台を割り込み一時114.20台まで急落。ただし、114.50以下の買いは非常に強く115.50近辺で推移している。

EURUSDは、トランプ氏会見後に急伸。トランプ氏会見前のドル買い期待相場に加え、GBPUSD安に連動した動きとなっていたが、1.0500を割り込み一時1.0450台まで続落していた。会見後の期待損失相場に1.0620台まで急伸し、ようやく上げ止まる。

GBPUSDは、トランプ氏会見後に急伸。トランプ氏会見前のドル買い期待相場に加え、英国のリスボン条約第50条の議会承認の有無をめぐり動きや、カーニーBOE総裁のハードブレグジットのリスク発言も加わり、投機的な売りに1.2100のサポートラインをクリアに割り込み一時1.2030台まで続落。会見後の期待損失相場に1.2270台まで値を戻し、ようやく上げ止まる。


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トランプ次期米大統領会見=ロシアが民主党全国委員会や幹部のメールをハッキングした可能性は高い。プーチン大統領と良好な関係を築くことが使命で、良好な関係は資産であり、対ロシアとの関係を悪化させる米情報当局の情報流出に不快感を。

カーニーBOE総裁(議会質疑応答)=金融サービス業は英GDPの約10%を占め、ブレグジット後にEU圏市場にアクセスを維持できなければ、最も打撃を受ける部門の一つで、何万人もが失業する可能性があり、欧州大陸の金融システムの方が英国よりもそのリスクは高い。

世界銀行(最新の世界経済見通し)=2017年に世界経済は成長が加速しGDPは2.7%。原油価格・商品相場の持ち直しで、商品輸出に頼る新興国への圧力が和らぐほか、ブラジルとロシアでの深刻なリセッションが終わる見通し。

世界銀行(最新の世界経済見通し)=先進国の成長率は前年の1.6→1.8%上昇。新興国および途上国は3.4→4.2%へ加速すると予想。

世界銀行(最新の世界経済見通し)=2017年の世界経済にはかなりの不確実性があり、今回の見通しには、米国のトランプ新政権で予想される財政支出の拡大や保護主義的な通商政策の影響は含まれず。