2017/01/08

今週の為替相場を考える・注目材料(1月9日~1月13日)


今週の為替相場を考える・注目材料(1月9日~1月13日)

2017年が始動して初週が過ぎました。

為替相場は、先週末の米雇用統計で賃金上昇が加速し、伸び悩み気味の米金利も再上昇をし、NYダウは2万円を再トライへと動き、再びドル買いに変化しています。ただし、過去4週間は主要通貨ではドル買い傾向も弱まり、ドル高値圏でレンジ相場入りの動きが今週の続きそうです。

クリスマス休暇や年末・年始の季節要因を経て、米利上げから約4週間が過ぎています。トランプ氏が次期米大統領に選択されてから、ドルの上昇傾向を続け、12月14日のFOMCで利上げ実施を受けドル買いが加速した流れの変化を期待することは難しいと考えます。

今週の為替相場は、雇用統計で賃金上昇による利上げペースの加速が期待される反面、トランプ政権の誕生となる1月20日を前にして、政治的には他国との対立を招く発言や、貿易面では保護主義的な発言が目立ち、やや不安感をぬぐい切れないことも事実でしょう。

さて、今週のイベントと経済指標は意外にも少なく、最重要と思われるのは、いつもながら米国発の経済指標と、11日予定のトランプ米次期大統領記者会見、13日のイエレンFRB議長のタウンミーディングでの発言。そして、週明け9日(月)が成人の日で東京市場は休場となり、海外投機筋にとっては円相場を比較的容易に動かすことのできるビックチャンスであることです。


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【今週の注目材料】

1/9(月)
東京市場休場(成人の日)          
23:00    ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
02:45    ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

1/10(火)          
10:30    中国消費者物価指数

1/11(水)         
トランプ米次期大統領記者会見

1/12(木)          
08:50    日本国際収支:経常収支
22:30    米新規失業保険申請件数
22:30    米輸入物価指数
22:30    ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
22:30    エバンズ・シカゴ連銀総裁、ロックハート・アトランタ連銀総裁、討論会
23:15    カーニーBOE総裁議会証言(未確認)
03:15    ブラード・セントルイス連銀総裁講演
03:45    カプラン・ダラス連銀総裁発言

1/13(金)         
未定    中国貿易収支
09:00    イエレンFRB議長 タウンホールミィーティング参加
20:45    JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、第4四半期決算発表
22:00    ウェルズファーゴ第4四半期決算発表
22:30    米小売売上高
22:30    ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
00:00    米企業在庫
00:00    米ミシガン大学消費者信頼感指数


≪詳しい予定は、添付ファイルの今週の予定をご覧ください≫


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】



◎USDJPY【予想レンジ 115.50~118.70】

先週一時続いた米金利低下+ドル安ムードにも、115円の壁を破ることはできず、日米株価は共に底堅く推移し、米金利も先週末の雇用統計で賃金上昇の圧力に再び上昇へと変化し、底割れ(円高)懸念もやや後退へ。

今週は最重要のイベントもなく、1月20日のトランプ次期政権誕生の前にして、過去4週間続いている115円~119円のレンジを抜け出せる状況にはない。可能性としては9日(月)東京市場が休場で円相場を操作できやす。

117円を中心として円売り・円買いのいずれかを狙いやすくなるが、IMM通貨先物市場では円ショートの拡大傾向は一休みで、レンジ相場の継続が考えやすい。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.03500~1.0600】

過去4週間は大枠で1.0350~1.0650の約300pipsのレンジで上下変動が激しい。EURGBPの影響も強く受けるが、1.0500はブル・ベア相場の中心点になりやすく、結局はこの水準を中心とした変動を繰り返しているだけ。

直近の独を含めユーロ圏のCPIとPMIは強く、独経済諮問委員会は将来的な利上げを提言しており、債券利回りは上昇し、独10年債利回りは0.15台→一時0.3%台でと上昇し、欧州株では上昇傾向が目立つ。

IMM通貨先物のポジションからは、減少傾向が続いたユーロショートも収まり、水準的にはピーク時の11月1日の週から半減し、過去3週間安定しているが、今週は1月20日のトランプ次期政権誕生の前哨戦で何らかの動きが見られるのか、気になる。



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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2100~1.24500 】


先週後半に、強い英経済指標やインフレ期待の高まりや、今後の利上げの可能性に、1.24台の大台を回復し、ポンド高センチメントが一時強まったが、米雇用統計後のドル買いに萎み、結局は1.2200~1.2450のレンジを抜け出せず。

週足では1.2200をボトムに下げ止まってはいるが、逆に戻りも限定的で切り下がり、1.2400台の上値が徐々に重くなっているように感じられてならない。

英国がEU離脱交渉を始めるリスボン条約第50条発動で、ロンドンの裁判所は議会の承認が必要と判断、メイ英首相は最高裁に上告している。英最高裁は5日に審議をはじめ1月に判決を下すことになっており、この結果を見るまでは、EURロングのリスクをとることも難しいと考えたい。



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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7200~0.7400】


0.7150をボトムに先週は一時0.7350台までの上昇したが、米雇用統計後のドル買いに0.7300割れまで軟化へ。ただし、上昇傾向は維持を続けている。

中国の人民元相場の安定策や外貨準備高の減少が気になるが、中国発のPMIは引き続き堅調で、豪貿易収支は商品価格の上昇もあり3年ぶりに黒字へ転換。

今週は0.7300台を維持することができれば、上昇傾向が続くことが予想されるが、逆に0.7150を割り込むと予想外で急落の可能性も高まる。



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