2015/12/20

今週の為替相場を考える(12月21日~12月25日)

今週の為替相場を考える(12月21日~12月25日)

いよいよ年末。今月に入り、ECBの追加緩和とFOMCの歴史的な利上げ開始という、2大イベントを終え、2015年も幕を閉じようとしています。

今週は、23日(水)東京市場は休場で、24日(木)主要国市場は時間短縮の取引が多くなり、25日(金)はクリスマスで主要国の多くは休場となり、その影響を考えざるを得ません。

重要なイベントは終了し、クリスマス休暇と年末・年始を控え、大口取引や機関投資家の動きは考えにくく、年末の実需などの特殊要因による影響と短期投機筋の動きが相場を動かすと考えます。

円相場への影響が大きい株価ですが、NYダウは週末に大幅に下落し、過去8週間の安値を更新して、米10年債利回りも2.23%台を超えられず足踏み状態が続いています。

強い米経済が見込まれる中で、年末のポジション調整色が強まっている影響と思いますが、先週末は、「米株安+米金利低下+米ドル安=トリプル安」で終わっているだけに、今週の米株や米金利の動きはいつもながら注目されます。

日経平均株価は、日銀金融政策決定会合の発表直前・直後の急変動は円相場の乱高下を招いていました。日本の追加緩和期待と、「QQEの強化策に限定」と、期待を裏切る結果の反動と思われていますが、大口の機関投資家が不在の中、短期投機筋の売買が相場を動かしているようにも思われてなりません。

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ドル相場

今週は、大きな動きは期待できず、実需の動きに終始した展開が予想されます。

FOMCの利上げ開始のベルは鳴らされました。直後はイエレンFRB議長の慎重な利上げの可能性を示唆する発言や、株安+原油安に米金利も伸び悩み、年末を控えた新規ポジションができにくい時期になっています。先週後半にはとりあえずは利食い先行に動きましたが、それも長続きせず結局は、ドル高傾向が続いています。

今週も、このドル高の流れが続くことが予想されますが、クリスマス休暇突入することを考えれば、来年に向けた新規ポジションを取るにか早すぎ、より動きが緩慢になる可能性が高いと考えます。

ドル売りをリードしている、GBP+CADの動向も今週は気になります。原油価格の下落にCAD売り+中東のオイルマネーの変化とEU離脱を問う国民投票の前倒し期待+世論調査の結果による離脱支持拡大いによるGBP売りと、それぞれに要因は異なりますが、USDCADの上昇+GBPUSDの下落がどこまで続くのか、今週のドル相場を見るに重要と思われます。

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【EURUSD 予想1.0750~1.0950】
クリスマス休暇を前にして、市場参加者は急減し、事実上にクリスマス休暇入りしており、主要な経済指標は発言も皆無で、来週や来年以降の相場を考える時期に入っています。大口投資家も見られず、短期筋が相場を一時的に動かす程度と考えます。先週・先々週のレンジ1.0800~1.1050を抜け出した方向に一時的に動きやすいことは確かですが長続きできないと判断、方向性ですが確率はやや下値サイドと考えられます。

【GBPUSD 予想1.4850~1.5000】
1.5000どころか、1.4900を割り込み続落傾向止まらず。原油価格低下の影響による中東諸国からの投資資金の移動や、2016年に早期実施の可能性も出ているEU離脱を解く国民投票。さらに、直近の世論調査でEU離脱支持者が拡大していることや、EURGBPのポジション調整も考えられます。

しかしながら、この時期の相場を動かすには、どうも後付け材料としてピックアップされているだけと思われてなりません。GBP売りが実際始まった要因は賃金上昇の鈍化で、これが修正されるまではGBPベア・ムードが続く傾向にあります。先週は1.4850で下げ止まっておりこれをボトムに、1.4850~1.5000で上値の重い展開が予想されますが、1.4850を割り込むようなことがあれば続落のリスクも高まります。

【AUDUSD 予想0.7100~0.7200】
新興国通貨も上昇へと変化し、中国経済への超悲観論も影を潜め、今週のクリスマス休暇突入時期であることを考えれば、上下動きが鈍くなることが予想されます。短期では0.7200をトップに上昇力は鈍く、0.7100~0.7200のレンジに入りやすくなっています。

【USDJPY 予想120.80~122.20】
先々週は円高+先週は円安から結局は121円台半ばで落ち着き、米10年債利回りの動きと結果的には、連動した動きとなっていることを考えれば、米金利からは目が離せません。

今週はトレンドを出す動きは期待できず、上下変動しながらも、レンジ相場になる可能性が高いと思われます。今週は全国CPIや黒田日銀総裁発言が材料にされやすく一時的に変動することもありますが、トレンドを作ることは難しいと思われます。

市場参加者のセンチメントは、決して円ベア派が多いとも言いきれず、円ブル派とベア派拮抗しているようにも感じられます。そのようなセンチメントの状況を考えれば、120.80~122.20円のいずれかを試す動きが予想されますが、共に長続きできるとは思えません。

レンジ相場年末・年始の季節的要因がはければ、再び米金利上昇=円安相場への復帰が期待できます。

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