2015/12/06

今週の為替相場を考える(12月7日~12月11日)

今週の為替相場を考える(12月7日~12月11日)

今週は、先週のECB理事会後のEUR急騰を受けながらも、来週のFOMCの狭間にあり、積極的にドルを売ることもかなわず、緩やかなドル高傾向を維持することを予想。

米雇用統計という最後の難関も無事にクリアし、16日のFOMCは2008年11月から続いたゼロ金利政策を終わらせることは、ほぼ間違いないと思われます。

ECB理事会後の後遺症はないのでしょうか? つまり、先週のECB理事会後のEUR急騰の恐怖です。EURUSDは456ポイント、EURJPYは457ポイントのレンジで上昇し、利食いのチャンスを逃し強制的に損切をさせられた人も多いでしょう。

市場参加による過度の期待感と、その反動が、EUR急騰の背景にあることを考える市場参加者が増え、今週はFOMCを前にして積極的なドルを買い難くしていることも考慮にいれる必要があります。

今週もその後遺症の影響はないとは言い切れませんが、FOMCの結果を待たずに積極的にドルを売り込む必要性は感じられません。今週はそれらの二面性を考える必要があります。

そんな中で、今週は米国発の材料は以外に少なく、中国(CPI+小売+鉱工業生産+貿易収支)、NZ(金融政策)、豪州(雇用合計)、英国(金融政策)、そして日本(GDP)と、それぞれの通貨が影響を受ける、いわゆるローカルな発表が多く、通貨間のクロス相場の変動が高まることが予想されます。

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「ドル相場 緩やかなドル高」

EURUSDは急騰し、他の主要国通貨でドル売りへと発展した恐怖感はそう簡単に拭い切れるものではありません。長期間続いた16日の米利上げ期待によるドルロングは維持したいと思いながらも、ECB理事会後の急変動を目の前にして、どこまでロングポジションを膨らませることができるのでしょうか?

16日のFOMCで利上げ開始が既定事実化している現実もまた無視できるものではなく、ドルショートの選択も考えにくいと思われます。

結果、積極的なドルロングを積み上げることは難しく、ドルが上昇局面ではポジション調整によるドル売りが考えられ、緩やかなドル高傾向が続くことが予想されます。

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【EURUSD 予想1.0700~1.1050】
ECB理事会後の予想外の急騰に、重要なポイントはブレーク。ユーロ圏発の重要なイベントも少ない週となっています。年末の時間的な制限もあり、ユーロ買いという列車に乗り遅れた市場参加者以外は、積極的に高値を買うことも期待できにくいと思われます。

テクニカルでは1.1020~50の水準を超えることは難しいと思われ、先週の上限とみられていた1.0700~50は逆に下限として考えたいと思います。


【GBPUSD 予想1.5000~1.5250】
1.50の大台を割り込みながらも、ユーロの上昇に救われたように思えてなりません。BOE金融政策は据え置き予想が主流で、その決定は8対1で決まるのでしょうか?その数字が今週の鍵となりそうです。

テクニカルでは、ダウントレンドにあることは変わりありませんが、過去9日間の高値1.5150を超えてくれば、1.5250~70が視野に入ってきます。しかしながら、来週のFOMCを前にしてその水準からは売りが強まることが予想されます。

【AUDUSD 予想0.7300~0.7400、上下±20pips】
中国リスクが弱まり、豪経済もやや強さが目立ち、豪中銀の追加緩和の期待感も弱まっています。今週はNZ中銀が利下げする可能性があり、その影響をどこまで受けるのでしょうか? または、AUDNZDの買いとして、AUDUSDに与える影響はどの程度になるでしょうか?

テクニカルでは、上昇トレンドへと変化しそれが継続しており、0.7450近辺まで狙えることを示唆しています。先週のレンジとなる0.7280~0.7390のレンジを世襲して収まるか、上値を試し抜けるようであれば、更なる上昇も考えられますが、0.75を超えることは考えにくいと思います。

【USDJPY 予想122.00~123.50】
今週は、上方修正されると思われるGDP二次速報値を注目しています。USDJPYの緩やかな上昇傾向は変わらずで、円安相場を期待しながらも、122.00~20円は固く、123.50~70円は重く、まさにレンジ相場。

結局は、緩やかな上昇傾向が続くことが予想され、押し目買いの流れは変わりそうにありません。


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