2017/03/01

2017年3月1日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年3月1日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

世界中が注目した、トランプ大統領の米議会上下両院合同本会議は、今後一年間の施政方針演説を説明し、東京時間の午前11時から始まった。

サプライズは予想外のことがないのがサプライズで、攻撃的な発言はなく、医療保険や税制の大規模な改革に向け結束するよう強く訴えた。大統領に選出され原動力のナショナリズムの台頭はアメリカンスピリットの復活と評価。議会は国際的プロジェクトに充てる資金を調達することよりも、中間層や都市部の再建に注力すべきと主張。

評価は失望感もなくまずまずとの意見が多く、日経平均株価は高値を更新し、ドル高へと動いた結果でも判断できる。

為替相場は、JPY+NZD+EUR+CADの弱さが目立ち、GBPは強く、GBPJPY+0.74%と大幅に上昇するなど、USDJPYのみならず、クロスでも円安傾向が目立った。

AUDUSDは、早朝の第4四半期GDPが予想外に強く、中国国家統計局の製造業が強く、中国財新の製造業も予想を上回り、一時豪ドル買いが続き0.7700の大台まで上昇。しかし、前日と同様に0.7700の壁に阻まれ0.7630台まで値を下げてはいるが、底堅さを維持している。

USDJPYは、日経平均株価の上昇や米金利の上昇に伴い、113.30台の壁を上抜け、113.50超のストップを巻き込み、ドル売りを消化し続伸。トランプ大統領の議会演説が極めて穏やかで予想範囲内にとどまったことで、「サプライズ=リスク回避の円買い」の流れにならず、徐々に底値を切り上げ113.60台まで上昇し、113.80の売りを意識したのか上げ渋っている。

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トランプ大統領の施政方針演説=①法人税率を下げる歴史的な税制改革を進めている。②道路や橋、トンネル、空港や鉄道など総額1兆ドル規模のインフラ投資に取り組む姿勢をアピールし経済を再起動へ。③3医療保険制度や移民制度改革にも取り組む。④NAFTAの締結以来、製造業の雇用の1/4が失われた、公平な貿易が求められている。

トランプ大統領の施政方針演説=①米軍の再建のために、国防費を増額する方針(すでに、国防費を540億ドル増額する一方、非国防費を同じだけ削減する方針を表明済)。②メキシコ国境での壁建設では南端の国境に沿った壁の建設を近く始める。③国防総省に過激派組織イスラム国(IS)撲滅に向けた計画策定を命じ、入管審査の厳格化を進める。

トランプ大統領の施政方針演説=①オバマケアは崩壊しているとし撤廃方針で、規制を見直し、真の競争力のある全米規模の市場を作り出す。②NATOを強く支持しパートナーも財政的負担を負う必要性を示唆。③NATOでも、中東でも、太平洋地域でも、パートナーたちには適切な費用負担を求める。