2017年3月8日(木曜)昨日7日、海外市場の動き(午前5時45分ごろ)
米株は小幅下落で軟調に推移し、米10年債利回りは2.5%台で高止まり。為替相場は10日の米雇用統計を前に、高水準を続ける米貿易赤字にも動きは鈍く、GBPとNZDの下落が目立った。
注目の米貿易赤字は-485億ドルと予想通りながら、4年10か月ぶりの高水準。
ロス米商務長官はこの悪化を受け「米政府は数ヵ月以内に、悪条件の貿易取引を再交渉する」と発言、引き続き貿易問題がテーマに。
米3年債入札(240億ドル)は、最高落札利回りが1.630%と、約7年ぶりの高水準で、市場の反応はドル買いへ。
米1月消費者信用残高は87.9億ドル(予想171億ドル)と弱く、市場の反応はドル売りへ。
OECD経済見通しは、世界経済(2016年11月予想値との比較)=2017年3.3→3.3%、2018年3.6→3.6%と変わらず。世界経済は緩やかに回復するも、ナショナリズムと主要中央銀行の政策の分岐によるリスクがある。
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USDJPYは、114円を中心に113.90~114.15の狭いレンジに収まる。米貿易赤字やロス商務長官の発言にも、予想外に同意が乏しく、オプションVOLAも1W8.56と低下気味で、R/Rは1Wドル・プットオーバーへ、市場センチメントは円高傾向が残り、113.50~114.50のレンジの下限を狙う動きも予想されるが、米金利の高止まりや米雇用統計を前に投機筋は動きにくい。
EURUSDは、1.0570を中心に1.0560~1.0590の狭いレンジに収まる。仏大統領選の世論調査の結果で左右されやすいが、1回投票ではルペン氏、決戦投票ではルペン氏敗退がコンセンサスで、これが崩れるとサプライズで相場変動の要因へ。9日のECB理事会と10日の米雇用統計を前に方向性は見られず。1.0500~1.0650のレンジへ。
GBPUSDは、EU離脱法案の動きは英上院が修正案を可決し、下院に差し戻され、メイ首相は月内にリスボン条約の発動を目指しているが、一部では遅れるのではとの懸念も。主要通貨で弱さが目立ち、一時1.2170近くまで下落、戻りも1.2210台を鈍く1.2250を超えるかがポイントへ。
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英上院=EU離脱法案の修正案を可決し、下院に差し戻しへ。
メイ英首相(報道官)=目標通りのリスボン条約発動「完全に」向かっている。
ロス米商務長官=①ドルは強過ぎるというわけではない。逆に他の通貨が弱い。②法人税減税は米成長にとって力強いインセンティブになる。
ロス米商務長官(貿易収支の悪化を受け)=①1月の貿易赤字は我々が行わなければならないことが数多くあることを示唆。②数ヵ月以内に米政府は、悪条件の貿易取引を再交渉する。
トランプ大統領=下院共和党のオバマケアの代替案を支持。
米3年債入札=240億ドルの3年債入札は、最高落札利回りが1.630%と、約7年ぶりの高水準。
独中銀の「公的部門買い入れプログラム」PSPP買い入れ年限平均は大幅縮小へ。
独G20草案(3月17~18日)=トランプ大統領の立場を反映か? ①「あらゆる保護主義に反対する」→「公正で開かれた国際通商システムを維持する」に変更、 ②「競争的な通貨切り下げを回避し、競争目的で為替をターゲットとしない」→ 「従来の為替相場のコミットメントを再確認する」に代わる。
調査会社エラブ(仏大統領選世論調査)=第1回投票ではルペン氏とマクロン氏と支持率が拮抗、第1回投票はマクロン氏25.5%、ルペン氏26.0%、フィヨン氏19%、決戦投票でルペン氏40%、マクロン氏かフィヨン氏60%。
ファリハ・サウジエネルギー産業鉱物資源相=5月末にOPECと非OPECが結んだ減産合意を下期以降どうするか、現段階では決まっていない。