2017/03/30

2017年3月30日(木曜)昨日29日、海外市場の動き

2017年3月30日(木曜)昨日29日、海外市場の動き

英国はリスボン条約50条を発動し、EUに正式に離脱を通知、2年間の離脱手続きがスタートした。

メルケル独首相は「離脱の条件が確定するまで、将来の英国とEUの関係に関する協議は行わない」と言い、欧州議会は「英国への請求額は600億ユーロを上回る可能性」と指摘。ドンブレト独連銀理事は「複数の英銀行がフランクフルトへの移転で協議」とのこと。予想通りのこととは言え、今後のEU離脱に伴う紆余曲折の不安感と、予想外に底堅い英経済の現状との強弱が混在。

一日を終わってみると、ダウ-42.18(−0.2%)、S&P+2.56(+0.11%)、Nasdaq+22.41(+0.38%)と小幅な変動にとどまり、「ウィリアムズ氏+ローゼングレン氏」のタカ派発言にも、米10年債利回りは2.4178→2.3765%、2年債も1.3016→1.2698%とへ低下。トランプ米大統領の政策への不安感は完全に払しょくできずにいるように思えてならない。WTIは49.54(+2.42%)上昇。「原油在庫が予想を下回る」

為替市場は強い米NAR中古住宅販売保留の影響も薄く、流れは2極化。EURUSD−0.45%、GBPUSD−0.13%と弱くドル高へ、逆に商品価格+原油価格の上昇もありAUDUSDF+0.44%、NZDUSD+0.25%、USDCAD−0.42%とドル売りへ。安全資産のCHFだがUSDCHFは+0.40%とドル高へ、USDJPY−0.08%と前日とあまり変わらず。

EURUSDは、3月9日の理事会で「利用可能なあらゆる手段を活用して行動する用意がある」との文言を削除。市場は利上げ期待度が高まっていたが、ロイターニュースでは「ECBは文言削減が出口に向けた一歩と拡大解釈されたと感じている」と、ECBの利上げ期待度が低下し、金利も低下気味。EURUSDは1.0800を割り込み1.0740割れでようやく下げ止まるも、1.0700がサポートになるも、1.0800を復活するまでは安心できず。

USDJPYは、欧州市場に入ると上値は重く、米株や米金利による影響も鈍く、110.70~111.15のレンジで推移。本邦3月決算の影響も薄れつつあると思われ、東京市場でも111円台を維持できるか? 111.60~70を超えることができるが焦点へ。逆に短期投機筋は110.50以下の実需の買いに反して、逆に短期投機筋の弱気な売りも。オプションでは相変わらずUSDJPYのドルプットが主流。

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ウィリアムズSF連銀総裁講演=①米経済はリセッションから完全な回復をおおよそ達成、年内さらに2~3度の利上げを見込む。②上振れリスクの方がより顕著、③今年の利上げ終了後に、金融危機後に約4.5兆ドルに膨らんだ保有債券の縮小を開始することが可能。④バランスシートの縮小は数年を要し、現在の超過準備の水準を著しく下回る。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=①経済の力強さを踏まえると、年内にあと3度利上げする必要がある。②2017年の基本シナリオは年内4度の引き締め。

米7年債入札(280億ドル)=応札倍率2.56倍、昨年11月以来の高水準。最高落札利回りは2.215%。

ロイター(関係筋 ECBの利下げ観測後退)=ECBは文言削減が出口に向けた一歩と拡大解釈されたと感じており、金融緩和策の終了はかなり先だと投資家を安心させたい考え。そのため政策方針の説明変更に消極的になっているという。→(ECBは3月9日の理事会で「利用可能なあらゆる手段を活用して行動する用意がある」との文言を削除。市場はこれに大きく反応し、来年第1四半期の利上げを織り込み始めた経緯がある)

メルケル独首相(英国のEU離脱通知を受け)=①離脱の条件が確定するまで、将来の英国とEUの関係に関する協議は行わない。②公正かつ前向きなアプローチで臨む。③離脱に伴う混乱を最小限に抑えるよう注力する。④EU加盟に伴う多くの権利と義務の問題に取り組むべき。

欧州議会(英国のEU離脱通知を受け)=①手続きは取り消し可能。②EUと新たな貿易協定交渉を始める前に、英国側が離脱法案で決着をつけることが先決。③未払いのEU予算拠出金のほか、離脱に伴って発生する諸費用なども網羅すべき。④英国への請求額は直近で指摘された600億ユーロを上回る可能性。

ツィプリース独経済相=ドイツ、欧州が、アメリカ・ファーストは成長や雇用押し上げに向けた戦略ではないということを米国に納得させることが重要。

原油価格49ドル台へ急伸=米原油在庫が市場予想ほど増加しなかったほか、リビアの供給停滞やOPECを中心とする協調減産が継続との思惑。

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