2017/03/21

2017年3月21日(火曜)昨日20日、海外市場の動き

2017年3月21日(火曜)昨日20日、海外市場の動き

注目点はいくつか見られた。3月29日に英国はリスボン条約50条を発動し正式にEUからの離脱を通告へ。ディラーソン米国務長官は「北朝鮮に対して、米国は戦略的に我慢する方針は終了したとの明確なメッセージを送った」との発言で、今後の北朝鮮の動向が非常に気になる。また、中国関係筋は「通商問題で米国が中国に制裁を科した場合の対応策についてシンクタンクなどの専門家に意見を求め」、「通商問題で米政権との対立は不可避」と考えているようである。


盗聴疑惑の問題でも、コミーFBI長官は「オバマ前大統領によるトランプタワーを盗聴したとの証拠はなし」と発言。ロジャーズ米NSA局長も「ハッカーが昨年の米選挙期間中に民主党陣営から情報を入手、共和党から情報を盗んだ証拠はない」と否定。

今後の米利上げに関しても、エバンズ・シカゴ連銀総裁は年内2度の利上げを主張するも、米経済の影響ではさらに加速する可能性を示唆。ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は年内さらに3度の利上げを排除せず、バランスシート調整で議論をしていることを示す。


現実的には米金利の低下は止まらず、米株は小幅な変化にとどまる。米10年債利回りは2.5→2.462%、2年債も1.314→1.288%へ低下。ダウ−8.76(−0.04%)、Nasdaq0.53(+0.01%)、S&P−4.78(−0.2%)。原油価格(WTI)は48.18ドル−0.6%−1.23%と軟調に推移。


さて、為替相場は、ドル安の動きの中で、GBPUSDは29日にEU離脱が正式にスタートすることへの結果なのか、GBPUSDは−0.27%と小幅ながら弱さが目立っている。欧州市場序盤の高値1.2430→安値1.2330台と約100pips近くの下落となっている。しかし、離脱に関してはすでに予想されていたことでもあり、どこまでポンド売りの材料になるのかは不明。

AUDUSDは+0.33%、MZDUSDは+0.54の上昇と、商品価格の上昇もあり最も上昇し%と欧州市場の序盤で一時0.7070台まで上昇するなど、強さが目立っている。

USDJPYは欧州市場で一時112.90近くへ上昇するも、113円の壁は超えられず、再び112.50円近くへと下落。前日比では−0.11%の円高で大きな変化は見られないが、水準的に円高水準にとどまっていることもやや気がかり。円クロスでは、AUDJPY+0.23%+NZDJPY+0.42%と円安で、逆に、EURJPY−0.10%、GBPJPY−0.38%と異なる動きへ。


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ディラーソン米国務長官=北朝鮮に対して、米国は戦略的に我慢する方針は終了したとの明確なメッセージを送った。

エバンズ・シカゴ連銀総裁講演=年内あと2度の追加利上げ見通しを示す。追加利上げは少なくとも6月の会合まで待つ可能性が高い。③利上げペースは財政政策などによる米経済への影響により、加速も減速もあり得る。④インフレ率が加速すれば、自身の予想は確実に固まる。年内利上げは3度、または2度、状況がさらに上向けば4度もあり得る。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁=①緩やかな利上げを進める中でも、インフレ率が目標の2%をやや上回ることを許容。②インフレ指標は現在1.7%で、総裁は2%の目標が手に届く範囲にある。③バランスシート調整で議論は行われている。④再投資の停止をする前に1%から1.5%程度の利上げを行いたい。⑤更なる3回以上の年内利上げは排除しない。

コミーFBI長官(下院情報委員会の公聴会)=①オバマ前米大統領が昨年の大統領選期間中にトランプタワーを盗聴していたとするトランプ大統領の主張について、裏付ける証拠はないとして否定。②トランプ陣営とロシア政府の関連も含め、ロシア政府による米大統領選への介入を捜査していることを確認した

ロジャーズ米NSA(国家安全保障局)局長=ハッカーが昨年の米選挙期間中に民主党陣営から情報を入手、共和党から情報を盗んだ証拠はない。

メイ首相報道官=メイ首相は来週29日、EU基本条約(リスボン条約)50条を発動し、EUに対して正式な離脱通告を行う。

ハルデーンBOE理事(チーフエコノミスト)=①超低金利政策により生産性がやや阻害された可能性があるが、失業率の上昇を回避するためには必要な犠牲だった。②低金利により採算の悪い「ゾンビ」企業が延命されていることが生産性低下の理由の1つ。

バイトマン独連銀総裁=主要国を中心にインフレが上昇、デフレ懸念が後退。

メルケル独首相=3月29日が英国のEU離脱を宣言する日になる。

OPEC減産合意期限6月以降も減産を合意することに傾く。

中国関係筋(中国政府)=①トランプ米政権が通商問題をめぐり中国に制裁を科した場合の対応策についてシンクタンクなどの専門家に意見を求めている。②中国の高水準の貿易赤字を踏まえれば、通商問題で米政権との対立は不可避との見方を示す。