2017/03/07

2017年3月7日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き



201737日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

米株はマイナスからスタート、米10年債利回りは2.5%の大台を回復、2年債も1.31%台へ上昇。為替市場ではドルは全面高へ。

OECD経済見通しでは、世界経済は緩やかに回復するも、ナショナリズムと主要中央銀行の政策の分岐によるリスクがあると発表。世界経済予測を20173.3%、20183.6%と前回見通し据え置き、中国を除き全体的には2017年は成長するも2018年伸び率は弱まると予想。

注目の米貿易赤字は−485億ドルと前回より赤字幅が拡大するも予想と同じで反応は若干のドル買いへ。独製造業受注は、予想外に8年ぶりとなるマイナス幅の拡大に、EUR売りが強まる。

USDJPYは、欧州市場に入っても113.70台~114.00台の狭いレンジから、米金利の上昇に米貿易収支の発表時には114.15近くへと上昇。米金利の上昇+米株安で、相変わらず小動きながら底堅く推移。エスカレートする北朝鮮の軍事的な動きも気になる。

EURUSDは、欧州市場序盤の1.06台に乗せるのが精いっぱいで、仏大統領選でルペン氏の支持率は相変わらず高く、弱い独製造業受注前後から売り圧力が強まり1.0550台まで続落。上値の重さが目立っている。

GBPUSDは、アジア市場の1.2250台を高値に、1.2180を割り込み続落へ。ヘイグ元英外相はメイ首相に早期総選挙の実施を求めるなど、英国のEU離脱の手続き開始を直前に控えて不安定。テクニカルにもGBPの弱さが目立つ。

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北朝鮮の弾道ミサイル発射は、日本の米軍を狙ったものとの報道は、さらにエスカレートする北朝鮮の軍事的脅威が実際の戦争につながりかねないとのリスクを高めている。

中国人民銀行(2月末時点の外貨準備増加)=69.2億ドル増加し、3.005兆ドルへ(予想−250億ドルの、2.973兆ドル)と予想外に3兆ドルの大台を回復。旧正月の影響もあり資本流出に歯止めがかかった。

スペンサー報道官=オバマ前米大統領が昨年の大統領選中にドナルド・トランプ氏の監視を命じたと主張する現大統領の主張について説明を拒否。

Ifop仏大統領選の最新調査=ルペン氏の支持率は26.5%、マクロン氏が25.5%、フィヨン氏は19%。決選投票ではマクロン氏が大差で勝利するとの見通し。

ヘイグ元英外相=英国のEU離脱に伴う題に対処する時間と政治的安定を確保するため、メイ首相は議会の任期固定法を廃止し、早期総選挙を実施すべき。

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OECD経済見通し=世界経済は緩やかに回復しているが、経済ナショナリズムと主要中央銀行の政策の分岐によるリスクがある。FRBは着実に利上げすると見込まれ、為替レートの振れが見込まれる。

OECD経済見通し=昨年11月見通しとの比較、20172018年。
世界経済=3.3→3.3%、3.6→3.6
米国=2.3→2.4%、3.0→2.8
ユーロ圏=1.6→1.6%、1.7→1.6
日本=1.0→1.2%、0.8→0.8
中国=6.4→6.5%、6.1→6.3

マンOECD首席エコノミスト=成長は加速するが、この回復の土台の弱さが非常に懸念。株式相場の強さはトランプ政権の景気刺激パッケージへの期待の部分があり、株価評価と実体経済の見通しにずれがある。米国の金利上昇による金融市場のボラティリティで一部の借り手に悪影響を与えるおそれがあり、ドル上昇にもつながる可能性がある。経済ナショナリズムも現時点ではどの程度政策に反映されるか分からず不確実な要素。米国の輸入コストが10%増加した場合、国内経済を通じて輸出コストを15%押し上げると試算。