2017/03/30

2017年3月30日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年3月30日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き


ユーロ圏の景況感指数は予想外に弱く、独CPIも予想外に低下傾向が目立った。米国では新規失業保険申請件数は予想より悪化するも、米第4四半期GDPの確報値は改定値を上回り、個人消費の伸びも強いが、ドル買いの流れも限定的。


米株は上昇からスタートするも伸び悩み、米10年債利回りも底堅く推移。原油価格(WTI)は一時50ドル台へ上昇し、カナダドルの上昇要因となっている。


EURUSDは、アジア・欧州市場の1.0760台を高値に売りへと変化。「ノボトニー氏+プラート氏=ハト派発言」、「クノット氏=タカ派発言」と強弱混在。欧州市場で発表された景況感指数は弱く、前日の安値1.0740を割り込み、独CPIも弱く売り圧力が続く中で、米GDPは強く直後は1.0720台まで下落。米株は上昇からスタートするも伸び悩み、1.0750台まで値を戻す。


USDJPYは、期末要因のドル売りも弱まり、110.90台をボトムに大枠で111.00~40のレンジで取引が続いたが、強い米GDPを受け111.50台を一時達成し、111.00円へ逆戻り。111.00~50のレンジで取引が続く間は、方向感は感じられないが、ドル円オプションでリスクリバーサルもドル売り方向の圧力はやや弱まり、111円台を維持するとセンチメントの変化も。


GBPUSDは、29日の英国のEU離脱手続きの開始の象徴的な出来事に、ポンド売りが続いたが、予想外の発言もなく、比較的好意的な報道もありポンドの買い戻しが続き、前日の高値水準となる1.2470台で一時上げ止まり、強い米GDPに1.2450台まで値を下げるも続かず。1.25台をクリアし1.2520台まで続伸中。

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18:00    EUR 3月 景況感指数(経済信頼感)=107.9(予想108.3 前回108.0)、企業景況感=0.82(予想0.87 前回0.82)、サービス業景況感=12.7(予想14.0 前回13.8→13.9)→ 景況感指数は予想を下回るも引き続き水準的には高い。

18:00    EUR 3月 業況判断指数=予想 前回0.79

18:00    EUR 3月 消費者信頼感指数・確報値=−5(予想−5.0 前回−5.0)

21:00    GER 3月 消費者物価指数・速報値=前月比0.2%(予想0.5% 前回0.6%)、前年比1.6%(予想2.0% 前回2.2%)→ 予想を下回る

21:30    USD 第4四半期GDP・確報値=前期比年率2.1%(予想2.0% 前回1.9%)、GDP価格指数(デフレーター)=前期比年率2.1%(予想2.0% 前回2.0%)、個人消費=前期比年率3.5%(予想3.1% 前回3.0%)、コアPCE価格指数=前期比年率1.3%(予想1.2% 前回1.2%)→ 予想を上回りドル買いが強まる、特に個人消費の伸びが目立った

21:30    USD 新規失業保険申請件数=25.8万件(予想24.5万件 前回25.8→26.1万件)
21:30    CAD 2月 鉱工業製品価格=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.4→0.6%)、原材料価格指数=前月比1.2%(予想0.9% 前回1.7%)


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ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ECBは今年の政策の方向性を大筋で決めており、ユーロ圏経済の持ち直しが永続的であると確認できない限り変更は不要。

プラートECB専務理事=①ユーロ圏経済は成長が加速しているが、ECBはまだ最近のインフレ率上昇が持続的に目標水準に向かうか確信せず。②ヘッドラインのインフレ率は上昇したが、ほとんどがエネルギーと食品価格の上昇を反映したもの。③基調的なインフレ上昇圧力は今後も控えめだろう。持続的にわれわれがめざす水準に上昇するとはまだ確信できない。

クノット・オランダ中銀総裁=①ECBはQE政策を来年1月から縮小し始めるべき。②デフレのリスクは、購入プログラムの開始時点において本物だったとしても、現在は消失した。③ECBの緩和策解除は段階的に行うべきで、利上げは債券購入をテーパリングした後に実施すべき。