2019/06/10

2019年6月10日(月)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年6月10日(月)アジア・欧州市場序盤の動き

週明け月曜日のアジア市場は、先週末の弱すぎる米雇用統計を受けたFRBの複数回の利下げ期待。さらに、懸案の米国の対メキシコ制裁関税では、NY市場が終わった後に無期延期措置をトランプ大統領が発表。

さらに、早朝の日本の貿易収支は赤字、中国の貿易終始は予想外に黒字が拡大するも、輸入は大幅に減少と強さは感じられず。

市場の反応は、日経平均株価、上海総合、欧州株と株高に動き+米債利回りも上昇。そして、為替市場はドル高へと動き、その影響は複雑。

先週末比で変動幅が大きい通貨は、NZDUSDで-0.6%近く、AUDUSDも-0.45%近くの下落で中国の貿易収支の影響も気になる。USDJPYは108.37をボトムに108.60台までと+0.46%上昇し、リスク回避の円高はすでに過ぎ去ったムードも漂っているがいつもながら、現在の水準では確信は持てず。EURUSD、GBPUSD共に小幅低下ながら主体性はなく、これからの欧米市場待ち。

以下は先週末からのニュース

◎7日、トランプ大統領は不法移民対策を巡りメキシコと合意し、メキシコ製品への制裁関税発動を無期限で停止すると表明。メキシコが不法移民対策を強化することで合意し、米・メキシコの「関税戦争」はひとまず回避された。

◎パウエル議長がトランプ米大統領と4月に電話会談していたことが7日、分かった。FRBが公表したパウエル氏の日程表で明らかになった。トランプ氏はこのころ繰り返し利下げを要求していた。

◎人民日報などは、政府が近く「国家技術安全管理リスト」と呼ぶ仕組みを設けると報じた。ハイテク領域などで独自技術の輸出を制限する制度を検討する。

◎G20共同声明、世界経済が抱える下振れリスクに貿易摩擦の激化を挙げたうえで「G20はこれらのリスクに対処し続けるとともに、さらなる行動をとる用意がある」と明記し、各国が協調して対応する重要性を訴えた

◎香港で参加者発表103万人(警察24万人)の1997年変換後の最大規模のデモが発生。民主派団体は9日、中国本土に刑事事件の容疑者を引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正案に反対する大規模なデモを実施。

◎参院選の日程は「7月4日公示、21日投開票」となる予定だ。

◎トランプ米大統領は9日、メキシコとの貿易に関して追加の措置を発表する可能性があることを示唆した。同大統領は前日のツイートで、メキシコへの関税発動見送りに至った合意の一環として、メキシコが米国産農産物を「大規模」に購入することで合意した。→ 7日夜に発表された関税発動見送りの共同声明には、トランプ氏がツイートで述べた農業貿易の取り決めは盛り込まれておらず、メキシコの当局者3人も付帯合意は一切承知していないと話している。

◎バイトマン独連銀総裁は9日、G20の記者会見で、現在のユーロ圏経済の減速に対応する金融政策の余地が少なくなっている。金融政策の正常化を不必要に先送りすべきではない。最近のドイツ経済統計に浮かれることはできない、景気減速にもかかわらず、刺激策について話し合う必要はない。低金利環境はリスクが付き物だ。

◎WSJ紙8日、5月の米雇用統計では、貿易摩擦が激化する以前から、米経済がすでに冷え込んでいた兆候が改めて確認された。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今月または7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを正当化しやすくなりそうだ。


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8:50    JPY 4月 国際収支:経常収支・季調前=1兆7074億円(予想1兆5155億円 前回2兆8247億円)、季調済=1兆6001億円(予想1兆4402億円、前回1兆2710億円)、貿易収支=-982億円(予想50億円 前回7001億円)→ 貿易収支は予想外のマイナスへ

8:50    JPY 第1四半期GDP・改定値=前期比0.6%(予想0.6% 前回0.5%)、前年比2.2%(予想2.2% 前回2.1%)→ 速報値から若干上昇するも予想と変わらず

10:33    CNY 5月 貿易収支=4165億ドル(予想232.0億ドル 前回138.4億ドル)、輸出前年比=1.1%(予想-3.9% 前回-2.7%)、輸入前年比=予想-8.5%(予想-3.5% 前回-4.0%)、2791.2億元(予想1360億元 前回935.7億元)、輸出前年比=7.7%(予想4.7% 前回3.1%)、輸入前年比-2.5%(予想5.8% 前回10.3%)→ 共に予想外に黒字額が拡大するも、輸入の大幅元による

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黒田日銀総裁
◎日銀には大規模緩和の余地がある。現時点では追加緩和の必要はない、緩和実施の際には副作用を最大限軽減する措置
する。ドル円はドル高基調でその前から上昇しており、今日の高値圏推移。

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