2019/06/23

今週の為替相場を考える (6月24~28日)

今週の為替相場を考える (6月24~28日)

今週の主な材料でも掲載しており、一部重複する部分もありご容赦いただきたい。米中貿易戦争は止まず制裁関税と報復関税のかけ合いが世界経済に影を落としFRBや他の中銀の金融政策にも影響を及ぼしている昨今。多くの市場参加者が思っていることで、多くのコメントが発せられていることと推測するが、今週の為替相場を考えると米中は通商問題でどのような成果を得ることができるのだろうか? これが問題!

米中の現状を考慮し自分なりに予想をしてみたい。中国は米中間の関税のかけ合いが続き、中国政府は数々の経済対策を打ち出すも期待の成果は弱く、かつ対米国への対応が弱腰と受け止められ習国家主席への不信感が気になっている。

一方の米国では早くも来年の米大統領選に突入しているが、米中経済戦争の影響もあり米景気はピークアウト気味。トランプ大統領は次期大統領選に出馬の意向を示し選挙戦に臨み、パウエルFRB議長に緩和圧力を加え景気を下支えし再選を目指している。米国の対中制裁関税のさらなる引き上げ中止を求める経済界の強い要請を組み込み、選挙活動を有利に進める可能性はないのであろうか?

トランプ・リスクでどうなるか分からないことが前提だが、短期的にドルロングの巻き戻しの可能性と米金利の低下予測と合わせ考えると、米国内要因として一時的なドル安の局面も選択肢として残す必要もある。

米・イランの緊張拡大は、G20サミットの週でもあり、米国は手を出しにくく、イランはG20参加国の集中的な非難を浴びるリスクをあえて侵すとは考えにくい。そのため今週はニュートラルではと考えたい。


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USDJPY 予想レンジ(米中貿易戦争リスク拡大106.00~107.60、縮小106.85~108.60)

米中首脳会談の結果次第で、上下どちらでも動くこれが大前提。先週は、FOMCを受けた米金利の低下と年内2~3回の利下げを織り込む動きに、108円の壁はもろくも崩れ、逆に今は108円が上限へ。今週は107円の壁を意識しながらも、IMMポジションの前週比では円ロングが急拡大し円ブル気味で米金利の低下が進むようなら107円の壁を割り込み続落へ。


EURUSD 予想レンジ(米中首脳会談がニュートラルと仮定すれば1.1280~1.1450)

米中首脳会談の結果次第でレンジは変化する可能性が前提。イタリアの財政問題もなぜかEUR売りに直接結びつかず、EU懐疑的勢力の拡大もテーマに上がらず、ECBの年内1~2度の利下げ期待もEUR売りにつながらず。米中貿易戦争のリスクヘッジ、ブレグジット・リスクのヘッジはEUR買いへ。結果として1.1100をボトムに上下変動しながらも底値を切り上げる動きを継続。IMMポジションは前週比でEURロングが急拡大しており米金利低下はEURにとって好材料。

GBPUSD 予想レンジ(1.2600~1.2750→1.2950)

米中首脳会談の結果次第でレンジは変化する可能性が前提。保守党党首選は決選投票を先に控えながらもジョンソン氏で本決まりの可能性が強まるが、10月31日の合意なきEU離脱のリスクは変わらず。カーニーBOE総裁がジョンソン氏の「英国が合意なきEU離脱で、貿易関税を回避できる」との意見を否定し、「多くの英国企業はブレグジットの準備ができていない」と警告。英国経済はどうなるのか不安でならないが、過去5週間は終値ベースで大枠1.2750近辺がピークでこの水準を越えてくれば話は別でポンド買に変化する可能性も。


AUDUSD 予想レンジ(0.6830~0.7010)

米中首脳会談の結果次第でレンジは変化する可能性が前提。18日の豪中銀議事録を受け年内2度の利下げ期待が強まり、20日にロウ豪中銀総裁もこの流れを肯定しAUD売りは変わらず。ただし、18日の0.6830をボトムに日足では続伸しており、週足でもとりあえず反転の可能性も。そのため、今週は米中首脳会談の結果を受けた貿易戦争の可能性の有無で動きを狙う以外なさそう。


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