2019/06/20

2019年6月20日(木)昨日19日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年6月20日(木)昨日19日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

FOMCはハト派ながら超ハト派とは言えず。大方の予想通り政策金利のFFレートを2.25~2.50%に据え置いた。声明で利上げに忍耐強くなれるとの表現を削除し、ブラード・セントルイス連銀総裁がパウエル議長の就任以来始めて反対票を投じ0.25%の利下げを主張。見通しの不確実性は残るも7月の利下げ期待はやや薄らぐなか、米金利が低下、株高、ドル売りへと動く。

為替市場は、RBA、BONZの利下げに続き(継続の予想)、ECBとFRBの早期利下げ期待の高まりと、G20サミットで米中首脳会談が予定され米中通商協議の再開を意識した動きに米金利は低下し、ドルは全面安でGBP(BOE直前)+CAD(強いCPI)+CHFの強さが目立つ。USDJPYは一時107.90まで円高へと動くも、AUD+NZDを除き他の主要通貨で軟調に推移。

米株はFOMCを受け上昇、前日比01.5%と小幅高、米債利回りは低下し10年債は2.0289(前日2.06%)、2年債1.745%(前日1.864%)へ。原油価格は安値から、石油在庫統計の取り崩しが強く出て、FOMCを受けてと2段階で安値から回復54.20台(前日53.90)へ上昇。

USDJPYは、FOMCまで108.30~50の狭いレンジでから、FOMCを受け米金利の低下に前日の安値108.24を割り込み107.90まで急落から、108.05~15のレンジで推移と円高傾向へと動くも、クロスではAUDJPYとNZDJPYで円高と動くも、GBPJPY+0.37%近くなど他の主要通貨では円安方向へと動く。終値べースでは(このままでは)6月3日以来の安値となり、円高傾向が強まる可能性も。

GBPUSDは、アジア市場の早朝につけた1.2543をボトムにFOMC後の1.2674をピークに明日のBOE金融政策委員化を前にしてインフレ進行のリスクを意識し弱気ムードもなく一日を通じて上昇傾向を続ける。英保守党党首選ではジョンソン氏が引き続きリード。EURGBPは0.8920→0.8870台まで下落と、明日のBOEの決定を見守る動きへ。

USDCADは、FOMCの米金利の低下、原油価格の持ち直し、米中通商交渉の再開などを意識したのか、全体的に強さが目立つ。アジア・欧州市場では1.3365~85のレンジ。米国市場に入り強いカナダCPIを受け1.3337まで下落。FOMC後には200日MAの1.3275近くの1.3280まで下落と、CADの強さが目立っている。

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21:30    CAD 5月 消費者物価指数=前月比0.4%(予想0.1% 前回0.4%)、前年比2.4%(予想2.1% 前回2.0%)、コア共通CPI前年比=1.8%(予想1.8% 前回1.8%)、コア中央値前年比=2.1%(予想1.9% 前回1.9%)、コアトリム前年比2.3%(予想2.1% 前回2.0%)→ 予想を上回る

23:00    EUR ドラギECB総裁発言(ポルトガル シントラで開催のECBフォーラムの閉会の辞)

23:30    USD 週間EIA石油在庫統計=-310.6万バレル(予想-48.1万バレル 前回220.6万バレル)→取り崩しが強まり原油高へ

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FOMCは、大方の予想通り、政策金利のFFレートを2.25~2.50%に据え置き、見通しの不確実性を指摘。7月利下げの可能性を織り込み、米金利が低下、株高、ドル売りへと動く。
◎10人のうち9人が据え置きを支持、ブラード・セントルイス連銀総裁がパウエル議長の就任以来始めて反対票を投じ0.25%の利下げを主張
◎四半期ごとのFOMCメンバーの経済予測では、17人中8名が年内の利下げが適切と予想。他8名は据え置き、1名は利上げを予想。
◎超過準備預金金利(IOER)を2.35%で据え置く。

FOMC声明
◎利上げに忍耐強くなれるとの表現を削除、今後のデータを監視し景気拡大を維持するため適切に行動する」との文言に置き換えられた。
◎経済活動の拡大について前回の「着実なペース」から「緩やかなペース」に下方修正された。
◎見通しを巡る不確実性が高まった、不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視。
◎景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する

パウエルFRB議長(今回は利下げ支持がなかったが、世界経済の先行きリスクに、一段とハト派へシフト)
◎前回のFOMCから6週間で取り巻く状況が大きく変化。
◎世界経済に相反する流れが生まれ、影響が今後のデータに表れ始める可能性がある。FRBの短期金利見通しが一段とハト派になった。

インフレ見通し
◎個人消費支出(PCE)価格指数の中央値=2019年1.8(3月)
→1.5%、2020年2.0→1.9%に下方修正。
◎PCEコア=2019年2.0→1.8%、2020年2.0→1.9%
◎実質GDP=2019年2.1→2.1%、2020年1.9→20%
◎失業率=2019年3.7→3.6%、2020年3.8→3.7%

FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット=2019年中央値2.375%と現行と変わらず、17名中8名が年内の利下げ必要と予想)
◎1.875%=7名、2.125%=1名、2.375%=8名、2.625%=1名、

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表
◎G20サミットを前に、ムニューシン財務長官と共に中国副首相と会談する可能性がある。
◎トランプ大統領は前日、中国の習近平国家主席と電話会談を行った。
◎米中通商協議がいつ再開されるかはまだ分からないとしながらも、米国には中国と取り組んでいく明確な意思がある

トランプ大統領
◎FOMCの政策判断次第ではパウエルFRB議長の降格を検討する可能性があることを示唆。

トランプ大統領
◎大統領選への再出馬を正式表明。

中国外務省
◎G20サミットの米中首脳会談について、両首脳が協議したいことをすべて議論する

ECB9月追加緩和の可能性が強まる
◎次回7月にフォワード・ガイダンスを修正、9月に緩和をする可能性も。

欧州委員会(イタリアの財政規律違反について)
◎来週25日の会合で是正を勧告する公算は小さい。イタリアによる規律順守に向けた措置の発表を待つ。
◎欧州委の是正勧告はEU財務相会合で承認される必要がある。次回のEU財務相定例会合は7月8─9日の予定。
◎コンテ・イタリア首相はEUの財政規律を尊重する。

バイトマン独連銀総裁(次期ECB総裁候補)
◎これまで反対してきたECBによる国債買い入れプログラム(OMT)を容認する姿勢に変化

デギンドスECB副総裁
◎下方リスク顕在化なら行動を起こす。
◎量的緩和(QE)を含め、フォワード・ガイダンス、貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)、償還を迎える債券の再投資など、ECBが利用できる政策手段は多岐にわたる。

英保守党党首選3回目
◎ジョンソン氏が引き続き大きくリード。

イラク南東部バスラにある外国籍の石油会社オフィスにロケット砲が複数打ちこまれ、2名が負傷。

浅川財務官
◎日本の緩和措置はデフレ対策と理解、日本の金融政策は通貨安誘導ではないと理解されている。
◎リーマン後の各国の緩和策、結果的に為替に影響与えた。
◎通商と為替政策を混同すべきでないというのが日本のスタンス。

日本の生保は静観スタンス
◎日本生命では「一時的には、さらに円高が進む可能性もある」が、100~120円のレンジ予想の変更を判断せず。
◎第一生命は、米国は2020年後半にリセッション入りの可能性を見込む。金融政策が予防的な支えをすることでリスクは大きく後退した。110円を中心に105~115がコアレンジと予想。
◎かんぽ生命運用企画部は、年始の安値104円がポイントと考える。
◎住友生命は、従来にくらべ円高バイアスが強まった。100~120円の下方での対空時間が多くなりそう。
◎安田生命、100~115円、期末は110円を予想。

国連の調査責任者の調査報告書
◎サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の関与を示す「信ぴょう性のある証拠」が見つかったと表明。

OPEC
◎7月会合まで年末までの減産延長を決定。