2019/06/01

2019年6月1日(土)、昨日31日、海外市場の動き

2019年6月1日(土)、昨日31日、海外市場の動き

米国はメキシコへ制裁関税を発動、米国の強硬な通商政策は止まらず。中国は予定通り1日から米国に報復関税を課し、信頼できない外国企業や団体、個人のリストを作成する方針を発表。G20の米中首脳会談での期待は残るも、米中戦争解決の糸口は見えず。

そして、原因は異なるも移民問題で6月10日から米国はメキシコへ制裁関税を発動! 合わせて、EUと英国の政治的リスク、弱いPMIなど中国の景気後退リスク。世界的にリスクを懸念する動きが強まり、米株は全面安、米債利回りは低下、原油価格も続落、VIXは大幅上昇、米年内2度の利下げ期待度が高まる。

為替相場は、当事国のMXNは大幅安で、USDMXN+2.44%上昇するも、結果は米国の信認低下とFRBの利下げ期待度の上昇もあり、週末のポジション調整もありドルは主要国に対して全面安。

リスク回避通貨のJPYとCHFは選好され上昇、CADはGDPが予想を上回るも、新NAFTA協定の当事国としてのリスク、原油価格下落も足を引っ張り上昇率は限定的。USDCNHは6.9470台を高値に反落し「周前人民銀総裁は人民元が7.0下限である必要はない」とあったが、引き続き7.00の防衛ラインを意識。

ダウは下落からスタートし買はみられず、結局は前日比-354.84(-1.41%)と大幅安で終了。Nasdaq-1.51%、S&P500-1.32%。米10年債利回りは前日2.213→2.125%、2年債も2.061→1.922%と2.0%を割り込み低下。WTIは前日56.59→53.34と大幅下落。

USDJPYはリスク回避のJPY買いにクロスを含め全面高で、109.00、108.50の下限を割り込む。メキシコの次はどこ? EU、日本? 日本はとりあえず7月までは猶予期間があると思われるもその後はどうなることやら。アジア早朝の109.60台を高値に株安・債券利回りの低下に一日を通じて戻りもほとんど見られず、米PCEデフレータにもドル買は見られず、終盤にかけては1月中旬の水準に並ぶ108.28まで続落し、前日比-1.22%、GBPJPYは-1.03%、CADJPY-1.3%などJPYは全面高。

EURUSDは新たな材料は見あがらないがドル売りの流れと実需筋の買いに前日比+0.35%と上昇。アジア市場の1.1125をボトムに、欧州市場に入るとポジション調整+月末の実需の買いに1.1156まで上昇、弱い独CPIにも1.1140台をボトムに底堅く推移。米国市場に入るとオプションカットから上昇が始まり、フィキシング需要なのか1.1180まで続伸後、1.1137まで急落とドタバタしながらも、結局は1.1170台を回復し1.1160台で終了。

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21:00    GER 5月 CPI・速報値=前月比0.2%(予想0.3% 前回1.0%)、前年比1.4%(予想1.6% 前回2.0%)、HICP前月比0.3%(予想0.3% 前回1.0%)、HICP前年比1.3%(予想1.4% 前回2.1%)→ 前回から大幅に低下し予想も下回るも、EUR売りは見られず。

21:30    CAD 第1四半期GDP=前月比0.5%(予想0.3% 前回-0.1→-0.2%)、前期比前年比0.4%(予想0.7% 前回0.4→0.3%)、前年比1.3%(予想1.2% 前回1.1%)→ 前月比は予想を上回るが前月分は下方修正、前期比年率は弱く、前年比は逆に強い。

21:30    CAD 4月 鉱工業製品価格=前月比0.8%(予想 前回1.3%)、原材料価格指数=前月比5.6%(予想 前回2.8%)→ 原材料価格指数は前回を大幅に上回る

21:30    USD 4月 個人所得=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.1%)、個人消費支出=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.9→1.1%)、個人消費支出(PCEデフレータ)=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比1.5%(予想1.6% 前回1.5→1.4%)、コア個人消費支出(コアPCEデフレータ)=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.0→0.1%)、前年比1.6%(1.6% 前回1.6→1.5%)→個人所得、個人消費共に予想を上回るが、個人消費は前回より大幅に低下、価格指数も小幅上昇するも大きな変化は見られず。

22:45    USD 5月 シカゴ購買部協会景気指数=54.2(予想54.0 前回52.6)→ 予想と前回を上回る

23:00    USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=100.0(予想101.5 前回102.4)、景気現況指数=110.0、消費者期待指数93.5→ 予想と前回を下回る


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【北米】
トランプ米大統領は(30日、日本時間31日の朝)、メキシコが米国への不法移民流入を止めるまでは、同国に対する関税を最高25%まで引き上げていくことを発表。 米国は6月10日をもってメキシコからの全製品に5%関税を課し、7月1日に10%に、8月1日に15%に、9月1日に20%に、10月1日に25%に引き上げる。メキシコが同国を通じた不法移民の流れを実質的にストップするようになるまで、関税率を25%に恒久的に据え置く→ NAFTAに代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准に暗雲が垂れ込めた、この報道を受け、株価は下落、債券利回りは急低下し、リスク回避の円買いが強まる。

ルバニー大統領首席補佐官代行は30日夜の記者団との電話会見で、この計画は貿易紛争の一端ではなく、移民問題に関わるものだと発言。今後数週間でメキシコから十分な協力が得られたとホワイトハウスが判断すれば、関税は発効しないか、いったん発効後も速やかに撤回されるだろうと述べた。

声明でトランプ大統領は「メキシコの消極的な協力姿勢によって、こうした多人数の流入を認めている状況は、米国の国家安全保障や経済に対する非常事態かつ異例の脅威」だと主張。「南部国境の非常事態に対処するため、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく権限を発動する」と論じた。

メキシコのセアデ外務次官は、メキシコはいつまでも手をこまぬいていない。米国は関税についてメキシコ政府に何も伝えてこなかった。トランプ大統領の対メキシコ関税発表は予想していなかった。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、金融政策を変更すること急ぐ状況にはない。メキシコに対する関税は米国経済に害及ぼす。

【欧州】
イタリアGDP確報値は、速報値から下方修正へ。

【アジア・その他】
FT紙、来週の訪英の際にファーウェイ包囲網をさらに拡大か? 深圳拠点から米従業員を帰国させる。

中国は武器としてレアアースを使用? 必要であればレアアースを抑制する手段を有する。

習国家主席、トランプ大統領と来月日本で会談-SCMP

劉鶴中国副首相は、米国との貿易戦争における影響は制御可能。

周前人民銀総裁は、人民元が7.0下限である必要はない

中国商務省、中国企業の利益を損ねる「信頼できない」外国企業や団体、個人のリストを作成する方針。

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