2019/06/06

2019年6月6日(木)昨日5日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年6月6日(木)昨日5日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

為替相場は、弱い米ADP雇用統計とPMI、強い米ISM非製造業PMIと強弱の混在や、株価+債券利回りに上下変動し、米メキシコの課税問題が収束する可能性もあり一日を終わってみれば前日比でドル買いへ。NZDだけは追加利下げの可能性がやや遠のき強さを維持。

米中貿易問題は特に進展も見られず、ブレグジットを巡り離脱時期の延長や合意なき離脱の可能性などの不透明性は変わらず。米国の対メキシコへ関税発動の可能性は低下(結論は今日6日に!)。シカゴで開催中のFRB会議では追加緩和の可能性を指摘する発言が多数、イタリアの債務問題はEURにとって主要リスクで変わりなく不透明。

米株はFRBの利下げ期待もあり強く、ダウ+0.82%、S&P500+0.82%、Nasdaq+0.64%と上昇へ。米債利回りは強弱混在の米経済指標と米利上げ期待をめぐり上下変動しながら米10年債は2.130→2.126%と小幅に、2年債は1.883→1.847%に低下。原油価格は米原油在庫の予想外の拡大に一時50.60ドルまで下落し、51.60台で推移。

USDJPYは、強弱混在する米経済指標の影響を受け、107.82~108.38のレンジで上下しながら、終盤にかけては米メキシコの課税問題が収束する見通しに一時108.47まで上昇するなど、高値引けで米株の強さに反応。

EURUSDは、欧州市場では弱い米ADP雇用統計を受け一時1.1307まで上昇するも、イタリアの政治的リスクや、強い米IMS非製造業に逆に下落。米国市場では米メキシコの課税問題が収束する見通しに1.1220まで下落へ。

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21:15    USD 5月 ADP雇用統計=前月比2.7万人(予想18.3万人 前回27.5→27.1万人)→ 予想と前回を大幅に下回り、2010年3月以来の低水準

21:30    CAD 第1四半期労働生産性=前期比0.3%(予想0.4% 前回-0.4%)

22:45    USD 5月 総合PMI・改定値=50.9(予想50.9 速報50.9 4月53.0)、サービス業PMI・改定値=50.9(予想50.9 速報50.9 4gatsu )→ 速報値と変わらず、ただし、前月からは低下し弱さが目立つ。

23:00    USD 5月 ISM非製造業景況指数=56.9(予想55.5 前回55.5)→ 予想を上回りドル買いへと動く、雇用は53.7→58.1と大幅に拡大し、米雇用統計の改善期待の予想が強まる

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【北米】
米財務省報道官は、ムニューシン米財務長官が、今週末に福岡市で開かれるG20で中国人民銀行の易綱総裁と会談する。

米国の対メキシコへの課税に関して、楽観的な見通しに
◎グラスリー米上院議員は、メキシコへの関税発動ないだろうと発言、6日にメキシコと関税について合意の可能性→ 米国は対メキシコの関税引き上げを取りやめる可能性を意識。
◎ナバロ米大統領補佐官は、対メキシコ関税発動は必要ない可能性を指摘。
◎トランプ大統領(アイルランド訪問しバラッカー首相との会談で)は、メキシコは移民流入を阻止することが可能で、阻止する必要がある。さもなければ、米国はメキシコと取引することはできないと発言し、「メキシコとの協議できょう何が起こるか注目」、「中国とメキシコは米国と合意したがっている」と発言。"

【欧州】
イタリアの債務について、世界貿易摩擦や英国が合意なしでEUを離脱する「ハードブレクジット」と共に、ユーロ圏経済に対する主要リスクであると認識している(IMF)曰く。
◎コンテ・イタリア首相は、2019年目標について合意するため、EUと建設的な協議を行うことを目指す。2019年財政赤字は対GDP比で2.1%になる見通し。
◎サルビーニ・イタリア副首相は欧州委の指摘を一蹴、「削減や制裁、緊縮策で債務の増大や、貧困、不安、失業の拡大を目にしてきた。逆のことをする必要がある」と発言、減税こそがイタリア政府債務削減のための唯一の道。
◎ディマイオ副首相は、EUの扱いが不公平。他国がEU規則を大きく逸脱した財政赤字を抱えても、イタリアが直面する類の制裁を科されたことがないとし、EUが批判する年金改革に修正を加える考えはないと説明。
◎欧州委員会は、イタリアの拡大する債務にEUの財政規律違反と判断し、是正手続き開始を勧告。→ 対立の長期化や金融制裁、財政監視の厳格化につながる恐れはEURにとってネガティブ材料。
◎イタリア公的債務の対GDP比率は、2017年が131.4%、18年は132.2%。欧州委は今年が133.7%、来年は135.2%に拡大すると推計している。低下すべきとしたEU規則に違反する。
◎IMFは、イタリアの債務について、世界貿易摩擦や英国が合意なしでEUを離脱する「ハードブレクジット」と共に、ユーロ圏経済に対する主要リスクであると認識している。

ゴーブ英環境相(次期首相選の立候補者)は、EU離脱期限を10月31日以降に延期する可能性を排除しない。「合意なき離脱は難しい課題だが、可能性としては残されている。ただ、最良の選択肢ではない」

英保守党のEU離脱推進派の、「ヨーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)」は、次期首相はメイ首相がまとめた離脱協定案を破棄し、期日の10月31日までに離脱する必要があるとの見解メイ英首相の離脱合意案の破棄を提案。

【アジア・その他】
習近平国家主席は、中国経済は安定しており健全で、あらゆるリスクと課題に十分に対応できる状態。貿易問題の発言は無し。

IMFは貿易摩擦を巡る不透明感の高まりを受け、中国の2019年の経済成長見通しを6.2%に下方修正した。

ホークスビーNZ中銀総裁補佐が「近い将来まで金利は現在の水準が維持されるだろう」と発言。中銀目標の達成のために状況の変化に適応すべき。もし必要であれば更なる刺激策も。→ 利下げ圧力が後退との判断にNZD買いが強まる

米週間原油在庫(EIA)は、680万バレル(予想84.9万バレル)で2017年7月以来の高水準。米国の原油生産量は日量1240万バレルと、過去最高を更新→ 原油価格は急落。