2019/06/08

2019年6月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き

2019年6月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き

周知の通り米雇用統計の悪化に、米金利低下、米株は上昇、為替相場は前日比でドルは全面安。ただし、株高に円の上昇幅は限定的で円は他の主要通貨に対して全面安。

株、債券、為替共に、早ければ6月の米利下げ期待や、9月と12月の年内2度の利下げ期待を先読みした動きへ。NY連銀のNowcastは米第2四半期GDP1.0%見通し、

米雇用統計の悪化に米利下げ期待が強まり、ダウ+1.02%、Nasdaq+1.66%、S&P500+1.05%。米10年債利回りは低下し一時2.05%台まで下落後2.083%へ、2年債も一時1.77%台へ低下後1.847%に値を戻す。原油価格はOPEC協調減産の延長期待に54ドル台まで上昇。

為替相場は一言、米雇用統計を受けドル売りへ。非農業部門雇用者数は18万人の予想に対して7.5万人と弱く、4月、3月分も下方修正され、さらに、平均時給の前月比は0.2%と予想0.3%に届かず、前年比も3.1%と予想・前回3.2%から低下。

USDJPYは、欧州市場で株高の流れに一時108.62まで上昇するも、米雇用統計を受け107.88まで急落。これをボトムに米国市場では急落していた債券利回りも徐々に下げ幅を縮め108.26まで値を戻す。他の主要通貨でドル売りが強まる中で円高への動きは鈍く、クロスでは円安傾向が続いている。

USDCADは、強いカナダの雇用統計と、弱い米雇用統計と相反する動きへ。ただし、同時刻の発表で弱い米雇用統計にドルは急落し、CAD買いがどこまで独自に織り込まれたか不明。米・カナダの雇用統計を受け、USDCADは1.3353から米国市場では1.3262まで続落。戻りも限定的で1.3280~90の上値が重くなっており、前日比では-0.72%と主要通貨の中でCADの上昇率は最も高くなっている。

EURUSDは、弱さが目立つ独経済指標やバイトマン独連銀総裁の弱気姿勢もなんのその、弱い米雇用統計がすべて。発表を受け1.1270→1.1325、そして1.1348まで続伸してようやく上げ止まる。前日比では0.5%の上昇へ。

GBPUSDは、メイ英首相保守党党首を辞任。なんだか寂しさが残るが党首への立候補者は週明け10日に確定する。BOEのインフレ期待では5年先インフレ期待が 約10年ぶりの水準に上昇とのこと。弱い米雇用統計を受け1.2705→1.2757、1.2763と上値を試すも、ブレグジットリスクに上昇力も今一つで。前日比では0.35%の上昇率にとどまる。

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トランプ大統領
◎(6日収録)パウエルFRB議長が「利上げをするとは誰も思わなかっただろう?」利上げをしなければ株式相場は今よりも「1万ポイント高かっただろう」

米国は中国への制裁関税第3弾の引き上げを15日に正式に通達。
◎当初予定の1日から2週間留保すると正式に明らかにした。USTRはすでに同様の方針を先月31日に示しており、この日の官報であらためて確認した格好だ。

米商務省の相殺関税巡る提案について(ブルームバーグ)
◎財務省と衝突の異例事態招く恐れ。トランプ米大統領は、自身が仕掛ける貿易戦争の次の戦場に5兆1000億ドル(約553兆円)規模の外国為替市場を巻き込もうとしている。商務省がそのために先に打ち出した提案は、財務省との衝突という異例の事態につながる恐れがある。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-07/PSPM0U6S972B01?srnd=cojp-v2

弱い米雇用統計もあり、米利下げ期待が強まる(FRBは今週末から、FOMCを控え金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト」期間に入る)
◎コメルツ銀行は、米雇用統計の発表前に米国債利回りは年末までに1.25%に、過去最低更新すると予想。
◎シティ・通貨ストラテジストは、FRBが9月に0.5%、12月に0.25%利下げを予想。課題の多いグローバル環境と国内インフレ率の低迷により、6月にはバランスシート縮小の「早期停止の可能性」、7月には25bpの利下げが実施される「重大なリスク」があるとした。
◎ブラックロックは、今後数か月以内に0.25~0.5%の利下げをする可能性がある。

米メキシコ協議
◎ハセットCEA委員長は、ワシントンで開かれている米国とメキシコとの間の国境警備を巡る話し合いに「多くの進展」があった。
◎ペンス米副大統領の首席補佐官は、協議がうまく進めばトランプ大統領はこの週末中に10日の関税発動を撤回する可能性がある。
◎ホワイトハウス高官は、ペンス副大統領とポンペオ国務長官が5日行った提言に基づき、メキシコが前日示した提案は「心強い内容だった」とした上で「メキシコは問題を認め、解決策を提示している。しかし、なお長い道のりになるだろう」と語った。

米中貿易摩擦
◎習近平中国国家主席は、相違があっても貿易戦争の解決方法を探すべき。
◎トランプ米大統領は私の友人

米国はイラン追加制裁を発動
◎米財務省は7日、イランの石油化学業界を標的とした新たな制裁を発動。

EU景気鈍化
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、景気後退リスクはないが、鈍化はしている。
◎イタリア中銀は成長見通しを下方修正。2019年0.6→0.3%、2020年0.9→0.7%、2021年1.0→0.9%。貿易摩擦のほか、イタリア予算を巡る金融市場の反応により、成長予想は高リスクにさらされる。
◎バイトマン独連銀総裁(来日中)は、ECBの利上げ時期半年先送りは適切。欧州景気の先行きには「大きなリスクがある」、金融政策は現行の水準を当面続けるべき。

南アリセッションのリスク
◎ムーディーズの世界マクロ見通しでは、「2019年に南アはリセッションに陥る可能性が高い」と指摘。南アは国内の個人セクターの需要が弱く、家計消費や投資も落ち込み、製造業や鉱業は停電による悪影響が出ている。

ドイツ連銀
◎2019の成長見通しを大幅に下方修正。2019年GDP(前回2018年12月)1.6→0.6%、2020年1.6→1.2%。19年7-12月期(下半期)には輸出が徐々に持ち直し、鉱工業生産を後押しする。
◎2019年のインフレ率は1.4%に据え置き、2020年1.8→1.5%に下方修正し、ECBの目標2%を下回る。
◎「ドイツ経済は現在、著しい冷え込みに直面している」、「輸出の弱い伸びを受けた工業部門の低迷が主因」と分析。

英国東部ピーターバラで行われた下院補選
◎野党・労働党が683票の差で新党ブレグジット党の攻勢をかわし、かろうじて議席を維持。

メイ英首相保守党党首を辞任
◎与党・保守党の党首を辞任する意向を正式に通知した。 メイ氏の党首退任を受け、次期首相就任を目指した党首争いが本格化し、党首への立候補者は週明け10日に確定する。

英国の5年先インフレ期待が 約10年ぶりの水準に上昇
◎BOEの四半期調査でEU離脱後の経済見通しに対する懸念を反映している可能性がある。


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