2019/06/26

2019年6月26日(水)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年6月26日(水)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

G20サミットまで残り2日、米中首脳会談で米国の対中制裁関税の延期を期待。25日の米国市場では住宅・センチメントと米経済指標は弱さが目立ち、ブラード氏の発言で7月の利下げは最小限の0.25%にとどまる可能性大に米株は下落し米債利回りは上昇=ドル買いに動く。注目のパウエル氏はトランプ氏の利下げ攻撃を受け続けながらも、「見極めが必要」と身をかわし、上下変動しながらもドル売りのピークを迎える。他方、米国の対イラン制裁強化にリスク深化、ジョンソン氏は3月31日の離脱期日に合意なきEU離脱の支持を変えずGBPの不安材料は蓄積。蛇足ながら、「火のないところに煙は立たない」の例え通り、トランプ大氏の「日米安保破棄の考えを側近に漏らす」とのブルームバーグ報道は否定されているが将来的に気になって仕方がない。

原油価格は前日57.90から57.20~58.38で上下しながらも前日と大きな変化は見られず。ダウは取引開始直後の26,752.31をピークに値を下げ26,548.22-179.32(-0.67%)で終了。米10年債利回りは上下変動しながらも1.98%台と下落を続け、ドル売りの材料となる。

為替相場は、G20サミット、米中首脳会談=貿易問題の行方、米イラン緊張拡大、FOMCの利下げ深度、英国の合意なきEU離脱リスク、トランプ氏のEUR安是正発言等々、テーマは豊富。

USDJPYは、一日を通じて106.78~107.40のレンジから107.20近辺で推移。株安+米金利の低下+米イラン緊張拡大に、アジア市場では一時106.78まで円高が進む。欧州市場では107.15まで値を戻し、米国市場に入り、弱い米新築住宅販売件数とCB消費者信頼感指数を受けドル売りが強まり106.83まで下落。7月の0.5%の利下げ期待が強まる中で先のFOMCで唯一0.25%の利下げ支持者のブラード・セントルイス連銀総裁から「0.25%利下げ支持」との発言に、米債利回りは上昇しドル売りからドル買いへと変化し、パウエルFRB議長の中立的な発言に一時107.40まで上昇。これをピークにドル売りへと再び変化し、大枠107.05~20の水準で推移。リスクを考えれば107.40~50を上抜けするまでは売り圧力は変わらず。

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22:00    USD 4月 FHFA住宅価格指数=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.1%)→ 予想を上回る

22:00    USD 4月 ケース・シラー米住宅価格指数(主要20都市圏)=前年比2.54%(予想2.5% 前回2.7→2.61%) 、主要20都市圏指数=215.68(予想215.6 前回214.09→213.95)、全体指数=207.97(予想 前回206.23)→ 予想を小幅ながら上回る、

23:00    USD 5月 新築住宅販売件数=前月比-7.8%(予想1.8% 前回-6.9→-3.7%)、件数62.6万件(予想68.5万件 前回67.3→67.9万件)→ 予想を大幅に下回りドル売りが強まる

23:00    USD 6月 CB消費者信頼感指数=121.5(予想131.0 前回134.1→131.3)、現況指数=162.6(予想 前回175.2→170.7)、期待指数=94.1(予想 前回106.6→105.0)→ 予想を大幅に下回り2017年9月以来の低水準

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パウエルFRB議長(26:00)
◎米経済が堅調に推移すると見込まれる一方、通商問題などを巡る不確実性が利下げの根拠になり得るかどうかを見極めようとしている
◎不確実性が引き続き見通しを圧迫し、追加緩和の必要性につながるのかといった疑問にわれわれは取り組んでいる
◎金融政策は短期的なセンチメントの変動に過剰反応してはならない
→ ドル買いが強まりピークを迎える

ブラード・セントルイス連銀総裁(25:30 先のFOMCで0.25%の利下げを支持していた)
◎保険としての利下げを実施するには良い時期であるが、7月のFOMCで0.5%の利下げを支持せず、0.25%の利下げには前向きになるだろう。
◎6月に据え置いたことで7月の可能性は高まった
→ この発言を受け7月の0.5%の利下げの可能性が低下、逆に0.25%の可能性が上昇し織り込み済みなのか、米株は下げ、米債利回りは上昇し、ドル買いが強まる

米政府当局者
◎トランプ米大統領は、ドルは強過ぎユーロは弱すぎと考えており、FRBが利下げに動けば、こうした状況は解消される可能性があると考えている。
◎ホワイトハウス内ではトランプ大統領と異なる見解を持つスタッフもおり、パウエルFRB議長を降格する計画はない。

トランプ大統領(イランに対し)
◎イランがメッセージを理解することを期待
◎私の脅しが真剣だと全員が受け取っていると考える
◎イランは非常に無知で侮辱的な発言をした。

トランプ大統領、日米安保破棄の考えを側近に漏らす(関係者・ブルームバーグ)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-25/PTMUOE6TTDS801?srnd=cojp-v2
◎日米安保条約は米国にとって不公平と考えている。
◎大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではない
◎政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと認識
→ 菅官房長官は「日米安保破棄で報道にあるような話は全くない」と否定。

トランプ大統領、ホルムズ海峡の船舶防衛は自国で
◎中東のホルムズ海峡の原油輸送路防衛を米国が担っている状況に疑問を投げかけた。日本や中国の石油タンカーも同海峡を通過しているとして、防衛は自国で行うべきだとの見解を示した。
◎「なぜわれわれが代償もなしに他国のために長年にわたって輸送路を守っているのか。そうした国々は全て、自国の船を自ら守るべきだ」とツイート。ツイートの中でトランプ氏は、中国が91%、日本は62%の原油をホルムズ海峡経由で輸入していると記した。

ボルトン米大統領補佐官
◎制裁などの圧力でイランは交渉の場に引きずり出されるだろう
◎イランは核プログラムを巡る米国との協議のドアを開くべき
◎イランとの交渉の扉はなお開いている。

米紙ワシントン・ポスト(中国の銀行による北朝鮮制裁違反に関して)
◎米国の裁判所判事が中国の銀行3行について北朝鮮制裁違反に関する調査で召喚状に従わなかったと判断し、これにより3行が米国の金融システムから遮断される可能性があると報じた。
◎招商銀行、上海浦東発展銀行、招商銀行の株価はそれぞれ大幅安値で中国株の下げが目立つ。→ 3行はこの件を否定し株価も下げ幅を縮め

デギンドスECB副総裁
◎ユーロ圏の銀行セクターの収益性は低く、景気減速が同セクターの見通しをさらに悪化させる可能性がある。

英ジョンソン氏「合意なき離脱」を英議会は支持
◎EUからの「合意なき離脱」を今や英議会が支持する。
◎欧州議会選での保守党および最大野党・労働党の大敗は、EU離脱をやり遂げることを下院議員らに決意させた。
◎さっさとやらなければ有権者から致命的なしっぺ返しを食らうことも両陣営の下院議員は分かっているのではないか。

イラン当局(イラン学生通信(ISNA)が外務省のムサビ報道官のコメントとして報道)
◎米政府によるイラン指導者の資産凍結などの新たな制裁について、外交的道筋が永遠に立たれたことを意味する。
◎トランプ政権は世界の平和と安全を維持するために設けられた国際的メカニズムを全て破壊しようとしている

ロウハニ・イラン大統領
◎少しでも分別のある政権ならば、一国の最高指導者を制裁するだろうか。それもハメネイ師は政治だけでなく宗教、社会、精神の指導者であり、イランだけでなく世界中のイスラム革命の指導者だ
◎ホワイトハウスの行動は困惑させ、無意味
◎米国の制裁はワシントンの絶望を映している
◎最高指導者ハメネイ師への米制裁は失敗する

ラブロフ外相
◎イランを巡る状況は危険なシナリオに向かっている

渋谷・政策調整統括官
◎日米通商交渉の実務者協議で工業品と農産品の議論を行った
◎日米貿易交渉について、お互いの立場が理解できた