2019/06/30

今週の為替相場を考える (7月1~5日)

今週の為替相場を考える (7月1~5日)

米中首脳会談の結果を受けて、債券・株式相場はどのように反応するのだろうか? 結果を受けて、主要通貨はどう変化するのだろうか?

米中貿易戦争はご存じの通り休戦・停戦に合意し、米国は対中制裁関税の第4弾は当面見送り、ファーウェイの制裁解除に言及しファーウェイに米国製品を売ることも認め、協議は中断したところから再開するとある。

今後の協議の期限は曖昧で、中国に対して譲歩するも本筋は見えず、その評価は賛否両論があるが、現時点では前向きに方向転換したことは間違いない。

ロス商務長官は「中国に新たな関税を課さないことで合意したが、既存の関税は維持する」とあり、状況は5月10日に対中制裁関税の第3弾の税率を10→25%に引き上げた後、13日に第4弾(3000憶ドル)発動の詳細を公表することを発表、一方、中国は13日に対中報復関税で600億ドルに最大25%へ6月1日に引き上げることを発表した当時の状況下に戻ったと思われる。

今後の米中通商協議の動き次第ではあるが、週明け後の市場の反動を考えると、株式市場にとって、特に中国株や米国の半導体関連にとっては上昇要因と思われ、日本株もその恩恵を受ける可能性がある。また、債券相場にとってはマイナスで、利回りは上昇する可能性もあり、株価と米債利回りと連動性の高い円相場にとってはネガティブ要因で円売りに動きやすく、逆にリスク敏感通貨は上昇する可能性があること。

一方、米中貿易摩擦の鎮静化(?)は一時的にせよ期待できることで、中国経済と関連性の高いAUDやNZDにとってはポジティブ要因でもあり、最近の資源価格の上昇傾向を考えればその可能性は高くなっているのでは?

米債利回りと米株の動きは、5日の米雇用統計の結果により加速するのか後退するのか?FOMCの年内1度、2度の利下げ期待がどのように変化するのか? 米雇用統計発表の前日の4日は米国が独立記念日で休みでもあり、3日までにある程度のポジション調整が進む可能性もあることから、5日の米雇用統計の数字のインパクトはより大きくなる可能性も。

ポンドとユーロは、G20サミット、米中首脳会談の影響は軽微で、ポンドは10月31日の英国のEU離脱期限で、合意なきEU離脱となるのか、それとも何等かの合意が期待できのか? 次期首相候補のジョンソン氏の支持率低下に「合意なきEU離脱」発言も弱まり、インフレ期待は強い中で、成長の鈍化予想も気になる。ユーロはトランプ大統領の執拗なEUR安のけん制発言、テクニカの上昇期待、イタリアの財政問題は残るも1.1100をボトムとした上昇傾向は続きながら、最近の上昇力の鈍さが気になる。

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USDJPY 予想レンジ(107.50~108.50)

米中首脳会談の結果は、株価の上昇、債券利回りの上昇期待もあり、リスク回避の巻き戻しの円売り要因に。ただし、米中貿易摩擦がこのまま収束に向かうことは予想できず。とありあえずある一定の期間の猶予の可能性を意識した円売りがどこまで続くのか?108.30、108.50、108.80の上値を試すことができるのか?


EURUSD 予想レンジ いずれの可能性もあり不確実(1.1300~1.1420)

4月下旬以降では1.1100台をボトムに上昇傾向を維持し、200日MAを上抜けしてからは上昇傾向を維持するも、過去5週間は大枠で1.1350~1.1400の狭いレンジから抜け出せず。イタリア財政問題、EUの懐疑的勢力も材料にされず、最近の経済指標も強弱混在ながら極端に弱い数字も見当たらず。そろそろ上下どちらかに動くことを期待したいが! 他力本願?


AUDUSD 予想レンジ(0.6990~0.7100)

米中首脳会談の結果からはAUD買いの可能性へ。6月18日の0.6830台をボトムに大雑排に言えば9連騰。6月7日の0.7020台と今回とダブルトップになるのか?それとも上昇傾向を維持するのか? 2日の豪中銀は0.25%の利下げを織り込み、方向性が決まる可能性も。

USDCAD 予想レンジ (1.3050~1.3150)

米中首脳会談の結果からはCADはややポジティブ。6月20日に200日MAを割り込んでから続落傾向が続き、2月1日の1.3068に並ぶ水準まで低下中。ダウントレンドを維持はしているが売られすぎ感も強い。短期的な調整の上昇を意識しながらも、週足では200日1.3118、75日1.3110とクロスし下落傾向の継続を期待したくなる。

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