2019/06/09

今週の主な材料(6月10~14日)

今週の主な材料(6月10~14日)

米国は週末に対メキシコへの移民問題をめぐる制裁関税の発動を無期限で停止した。残るは米中貿易摩擦問題で、6月28~29日のG20の場で米中首脳会談を期待することになる。英国では13日に7日で保守党党首を辞任したメイ首相の後釜を決めるべく党首選が始まるが、指導力を発揮できるか疑問が残る。

さて、先週はハイテク大手の反トラスト法違反疑惑を巡り調査の動きや、多数のFRB当局者によるハト派発言、弱い米センチメント指数や雇用統計に米利下げ期待感が高まる。ECBの政策変更の先送りから利下げ期待も膨らみ、豪中銀の利下げ実施、米国の対メキシコ制裁関税問題など、にぎやかな一週間も過ぎた。

今週は15日に米国は正式に対中制裁関税第3弾の引き上げを実施するが、市場へのインパクトが非常に強い横綱級の経済指標や金融政策の発表などの予定は見られず、小結級の指標が多くなっている。

6/10(月)中国貿易収支、日本GDP・改定値、英貿易収支
6/11(火)英雇用統計
6/12(水)中国消費者物価指数、トルコ中銀金融政策発表、米消費者物価指数
6/13(木)豪雇用統計、スイス中銀金融政策発表、米輸入物価指数
6/14(金)中国・小売売上高・鉱工業生産、米小売売上高・鉱工業生産・設備稼働率
6/15(土)米国は中国への制裁関税第3弾の引き上げを実施。

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6/10(月)5月中国貿易収支
予想は、ドルベースで232.0億ドル 前回138.4億ドル、元ベースで1360億元 前回935.7億元と4月の大幅な落ち込みから回復が期待される。ただし、ドルベースの輸出入の予想は、輸出-3.8%と(前回-2.7%)、輸入-3.3%(前回4.0%)から大幅な縮小が見込まれており、相場にとってはネガティブ要因に。

6/10(月)日本 第1四半期GDP・改定値(第2次速報値)
前期比予想0.5% 前回0.5%、前年比予想2.1% 前回2.1%と第一次速報値と変わらず。

6/10(月)4月英貿易収支
予想-129.6億ポンド 前回-136.5億ポンド、総合貿易収支=予想-47億ポンド 前回-54.08億ポンド、貿易収支(対EU以外)=予想-54億ポンド 前回-43.61億ポンド、総合貿易収支=予想-47億ポンド 前回-54.08億ポンド。1月の-146.23億ポンドをピークに減少傾向にあるが、昨年11月から赤字幅が拡大傾向を続けていることに変わりない。

6/11(火)5月英雇用統計
失業率=予想 前回3.0%、失業保険申請件数=予想 前回2.47万人、ILOベース失業率=3か月比予想3.8% 前回3.8%、除くボーナス平均所得=3か月前年比予想3.1% 前回3.3%、含むボーナス3か月前年比予想3.0% 前回3.2%。ILOベースの失業率は3.8%と低水準にあることは間違いないが、平均所得の伸びは低下傾向にあり、今回も前月比で低下が予想されており、ネガティブ材料となっている。

6/12(水)5月中国消費者物価指数
消費者物価指数=前月比予想0.0% 前回0.1%、前年比予想2.7% 前回2.5%。前年比は2月1.5%、3月2.3%、4月2.5%、そして今回の予想はは2.7%と上昇傾向にある。

6/12(水)トルコ中銀金融政策発表
政策金利の1週間物レポレート、24.0%の据え置きを予想。トルコを取り巻く環境は複雑で、米国はロシア製ミサイル導入でF35 のトルコへ参加の排除。5月29日の夜にトランプ大統領と電話で対話、G20サミットで会談することで合意していたがどうなることやら。

6/12(水)5月米消費者物価指数
消費者物価指数=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想1.9% 前回2.0%、コア前月比予想0.2% 前回0.1%、コア前年比予想2.1% 前回2.1%。最重要な経済指標が少ない今週、先週の米雇用統計に続き重要な数字となっている。コア前月比を除き、全体的に低下が予想されている。FRBの利下げ期待がさらに拡大するのか? それとも萎むのか? 株式・債券相場はもちろん為替相場にとっても重要。

6/13(木)豪雇用統計
失業率=予想5.1% 前回5.2%、新規雇用者数=予想1.6万人 前回2.84万人、正規雇用者数=予想 前回-6,300人、パートタイム=予想 前回34,700人、 労働参加率予想65.8% 前回65.8%。失業率は4月に上昇し3月の5.0%に逆戻りが予想されている。新規雇用者数の伸び率は低下が予想されている。

6/14(金)5月中国・小売売上高・鉱工業生産
小売売上高=前年比予想8.0% 前回7.2%。鉱工業生産の前年比予想5.4% 前回5.4%。中国の小売売上高は4月に落ち込み5月に反発することが多く、強い数字もそれほどサプライズではない。

6/14(金)5月米小売売上高・鉱工業生産・設備稼働率
小売売上高=前月比予想0.7% 前回-0.2%、除く自動車前月比=予想0.4% 前回0.1%。鉱工業生産=前月比予想0.2% 前回-0.5%、設備稼働率=予想78.0% 前回77.9%。特にコメントはない。

詳しくは別表をご覧ください。
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