2019/06/15

2019年6月15日(土)昨日14日、海外市場の動き

2019年6月15日(土)昨日14日、海外市場の動き

週末金曜日、来週のFOMC(利上げの有無)と次週のG20サミット(米中首脳会談の実現と通商問題の前進の有無)を意識しながら、為替相場は強い米経済指標を受けドル全面高で終了。

◎香港は「逃亡犯条例」改正案で大規模デモは止まず、中国と香港政府の今後の対応が気になる。
◎ホルムズ海峡で続くタンカー攻撃の波紋が広まり、米国はイランを非難と対立は止まず。
◎中国鉱工業生産は米中貿易戦争の影響に17年ぶりの低い伸び。
◎米小売売上高は大幅に上方修正された前回を上回り強く、鉱工業生産と設備稼働率、企業在庫も強く、ミシガンもまずまず。FRBの早期利下げ期待が不透明に。
◎G20サミットで米中首脳会談の開催は確定できず、制裁関税の発動リスクも危惧。

原油価格は一時53ドル近くまで上昇し52.49近くで推移、米株は下落からスタートし強い米経済指標に一時上昇幅を拡大するも終盤には下落し前日比-0.07%低下。米10年債利回りは取り巻くリスク回避の買い一時2.05%台まで低下から強い米経済指標を受け一時2.1%台へ上昇するも続かず結局は2.08%近くで推移。

為替相場は強い米経済指標にFRBの早期利下げに疑問符が生じ、ドルは主要通貨に対して全面高。変動幅だけを見ると、NZDUSDが1%超の下落をトップに他の主要通貨に対しても終値ベースではドルの強さが際立っている。

USDJPYは、終値ベースでは108.56と最近の小幅な動きで目立たないものの、5月30日以来の円安水準でクローズ。ただし、リスク回避のヘッジ通貨としての地位は有効なのか、他通貨ではNZDJPYが1%近くを最大に他の主要国通貨でも0.3~0.5%台とJPYは全面高。

EURUSDは、アジア市場の小動き、欧州市場に入ると欧州の債券利回りの低下と株安に1.1250台まで下落。米国市場に入り強い米小売売上高に下げ幅を拡大しその後も強い米経済指標が続く中で、何とか1.1200の大台を維持するも、終値ベースでは5月31日以来の安値となる1.1207でクローズ。

GBPUSDも、アジア市場は小動きで、欧州市場に入るとジョンソン氏が圧倒的に有利な保守党党首選を意識しながらも、主体性に乏しく、EURGBPが上昇する中で、EURUSDの下げの影響もあり売り圧力は強く1.2630台まで下落。米国市場に入り強い米経済指標に続落、5月30日の安値を割り込み1.2589と終値ベースでは昨年12月中旬近くの水準でクローズ。

AUDUSDは、アジア市場から豪中銀による利上げ観測は止まず豪州債利回りの低下が続き0.6890台まで下落。その後は中国発の経済指標にも動ぜず、アジア・欧州市場を通じ大枠0.6890~05の狭いレンジでもみ合いとなった。米国市場に入り強い米経済指標やG20サミットに向けた米中首脳会談の開催が不透明で0.6861まで続落。終値ベースでは5月17日の安値0.6866に並ぶ0.6869でクローズ。

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21:30    USD 5月 小売売上高=前月比0.5%(予想0.6% 前回-0.2→0.3%)、除く自動車前月比=0.5%(予想0.4% 前回0.1→0.5%)→ 前月比は予想を下回るも大幅に上方修正された前回を上回り、除く自動車も前月比が大幅に上昇修正され予想と前回を上回る

22:15    USD 5月 鉱工業生産=前月比0.4%(予想0.2% 前回-0.5→-0.4%)、設備稼働率=78.1%(予想78.0% 前回77.9%)→ 予想を上回る

22:30    USD 6月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=97.9(予想98.0 前回100)

22:30    USD 4月 企業在庫=前月比0.5%(予想0.4% 前回0.0%)

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ハセット委員長米経済諮問委員会(CEA)委員長
◎今年の米経済成長率は関税措置が消費に影響を及ぼす兆候はまだ出ておらず3%になると予想。

トランプ大統領(米中首脳会談について)
◎通商合意はいずれかの時点で得られるため、G20サミットで習近平中国国家主席が出席してもしなくても構わない、最終的にはディールをする→ 中国は米国の要請にも米中首脳会談の開催を確約せず。。
◎中国は米国の関税措置の影響を緩和するために人民元相場を操作しているとも批判。

トランプ大統領(FRBに対して)
◎パウエル議長を「選んだのは私だ」と述べた上で、「率直に言って、あれほどには利上げをしない別の誰かをFRB議長にしておけば、少なくとも1.5ポイントは高かっただろう」とまたしても批判。

クドローNEC委員長(米中首脳会談について)
◎トランプ米大統領は米中首脳会談への強い意欲を示したものの、会談はまだ正式には準備されていない。中国が招待を拒否すれば重大な結果に直面する恐れがある。

ドラギECB総裁
◎ECBの中銀預金金利マイナスについて、銀行の収益性への影響は今のところは中立

ユーロ圏財務相会合
◎ユーロ圏加盟国が発行した国債の債務再編を容易にする新たなルールについて合意
◎ユーロ圏共通予算の導入は一定の進展があるも、予算規模や財源を巡って合意できず。

周小川前中国人民銀行総裁
◎貿易を巡り米国と対立する中国政府が対抗措置として元安誘導を行う可能性を何度も示唆。

豪中銀の継続的な利下げ期待が強い。
◎先物市場では、7月に0.25%利下げする確率は66%。
◎NAB銀行は、11月に豪中銀は政策金利0.75%と予想→ この要道を受けAUD売りが強まる。

チャブシオール・トルコ外相
◎ロシア製ミサイル防衛システム「S400」購入を巡り米国が制裁を科した場合は「対抗措置」を講じる。

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