2019/06/05

2019年6月5日(水)昨日4日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年6月5日(水)昨日4日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

今日は、行き過ぎの一時的反動なのか? トレンドの変化なのか? 株高で債券利回りも上昇。為替相場は、ドル売りへと傾きクロスでの円売りが続く。ZARは10年ぶりとなる予想外のマイナス成長に売りが目立っている。

ダウは+512.40(+2.06%)上昇し、Nasdaq+S&P500 も大幅上昇へ。米債利回りは上昇し、10年債は前日2.071→2.123%、2年債も1.8317→1.879%へ上昇、WTIは53.25→53.55へ上昇。

◎豪中銀は期待通り利下げを実施、ロウ豪中銀総裁からは今後の利下げ期待が残る反面今後の状況次第とあり動きは限定的、◎ユーロ圏CPIは予想と前回を下回る、◎米製造業新規受注は予想より弱く出て直後はドル売りへと動くも続かず。◎パウエルFRB議長からは「景気拡大の維持で当局は適切に行動」と、市場は利下げの可能性を意識するも、金利と為替相場の動きは限定的。◎クラリダFRB副議長は「成長の減速が確認できれば適切な行動を取る」と状況次第で利下げの可能性を示唆。◎米中貿易戦争では、中国商務省は避難のおうしゅうから変化し対話と交渉を求める発言へ、◎米メキシコの関税問題は話し合いの結果待ち。◎米英首脳会談でFTAに意欲のトランプ大統領は英国にEU離脱を迫る。

AUDUSDは、0.70の大台を一時達成。アジア市場で、豪中銀は期待通り利下げを実施、声明でネガティブ材料が多数あるも、2.75%程度の成長とインフレの上昇も予想。→ AUDUSDは0.6993まで上昇後に動きは鈍くなる。欧州市場に入り、ロウ豪中銀総裁は非公開の内部会合後に予定外の会見を開き、さらなる利下げの可能性を示唆するも、「今後のことについて多くは決定していない」とあり、AUDUSDは一時0.6957まで下落から反発。米国市場に入り中国商務省の発言の変化や米株高に0.7004まで一時上昇し0.6990台で推移。

USDJPYは、株高の流れにアジア市場107.85、欧州市場107.92をボトムに上昇。米国市場でパウエルFRB議長のハト派発言にも107.98~00で下げ止まり米株高+債券利回りの上昇にリスク回避の巻き戻しが強く、クロスでの円売りも加わり一時108.36まで上昇から、108.00台まで下落し108.10台で推移。

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米中貿易戦争
◎中国商務省は非難の応酬から変化し、米中貿易問題は相互の信頼と平等、そして国益が必要と、「対話で解決と交渉で解決するように呼び掛ける」。

米・メキシコの関税問題
◎トランプ大統領は「メキシコ製品への関税を来週発動する見通し、メキシコは中米から米国への移民流入を抑える取り組みを強化すべき」とあり、「両国は解決に向けた交渉を続けている」とある。◎メキシコ大統領は、米国との関税協議で6月10日までに交渉合意に自信。◎米共和党の議員は関税に反対票を投じるか協議へ(ワシントン・ポスト)、◎メキシコ外相は交渉によって移民問題を解決し、全輸入品への関税適用を回避できる確率が80%

パウエルFRB議長
◎「景気拡大の維持で当局は適切に行動」と、利下げの可能性も示唆。

クラリダFRB副議長
◎「成長の減速が確認できれば適切な行動を取る」

イタリア問題
◎コンテ・イタリア首相(3日)に、EUの財政ルールは尊重すべき。→ 財政規律違反で30億ユーロの制裁金が課される可能性が残っている。

6日のECB理事会
◎インフレ見通しの下方修正、TLTRO第3弾の詳細発表など可能性が高い。

米国は相殺関税を課す新たなルールを検討(原案)
◎中銀の金融政策は考慮されず。◎為替相場に影響を及ぼし得る政府活動が考慮→ 新ルールは中国を念頭にしているとみられる。

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22:45    USD パウエルFRB議長発言(政策戦略について、シカゴ連銀コンフェランス)

23:00    USD 4月 製造業新規受注・改定値=前月比-1.0%(予想-0.9% 前回1.9%)、除く輸送前月比-0.3%(予想 前回0.8%)

23:00    USD 4月 耐久財受注・改定値=前月比-2.1%(予想 前回-2.1%)、除く輸送前月比0.0%(予想 前回0.0%)

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【北米】
米財務省とUSTRは、中国が2日に公表の白書に「米中貿易協議の中断について米国に全責任がある」反論。共同声明で「中国の長期にわたる不公正貿易慣行が協議のきっかけだった点を強調するのが重要だ」、「「われわれの交渉姿勢は協議を通じて一貫しており、両国の合意事項の重要な要素を撤回したのは中国だ」と指摘。

ムニューシン米財務長官は、G20財務相会議で中国側との会合予定はない。→ 先週、コンウェイ米大統領顧問は会合の可能性を示唆していた。

エバンス・シカゴ連銀総裁は、米経済は堅調に推移しており、金利は適切な水準にある。ただ政策当局者は軟調になる可能性のあるインフレのほか、通商問題を巡る先行き不透明性を注視する必要があると。インフレは2%近辺。必要であれば政策を調整する用意がある。

クラリダFRB副議長、成長の減速が確認できれば適切な行動を取る。関税引き上げの影響は考慮に入れなければならない。市場の利下げ織り込みは足を踏み入れたくはない。FRBは政策金利について検討するにあたり投資家の期待を考慮に入れるとしながらも、FRBは市場に縛られることはない。中国製品に対する関税措置の影響は軽微。

パウエルFRB議長は、景気拡大の維持で当局は適切に行動。貿易動向による影響を米金融当局は注意深く観察。インフレを引き上げるための政策は市場に過剰なリスクを与える可能性。 → 市場参加者の評価は利下げの可能性を示唆したとの意見が多数ながら、ドル売りや債券利回りの下げは限定的で、株価は上昇。

トルドー・カナダ首相は、トランプ大統領のメキシコ関税はカナダのUSMCA批准には影響しない。
BOC    エブラルド・メキシコ外相は、交渉によって移民問題を解決し、全輸入品への関税適用を回避できる確率が80%
MXN    メキシコ大統領は、米国との関税協議で6月10日までに交渉合意に自信。

【アジア・その他】
中国商務省は、米中貿易問題は対話で解決される、それには相互の信頼と平等、そして国益が必要

中国では複数の省庁が今週、相次いで渡米に関する勧告を出した。◎教育省は3日、米国がビザの発行を遅らせたり拒否したりしているとし、「学生や研究者は海外留学前にリスク評価を強化」するよう呼び掛けた。◎外務省が、米国で出入国審査や滞在時に厳しい追及を受けたとの苦情が国民から多数寄せられているとし、渡米者は安全性に関して意識を高めるよう勧告した。◎文化観光省の報道官も、米国では「発砲、強盗、窃盗」が多発しているとして注意を促した。

ロウ豪中銀総裁は、政策金利のさらなる引き下げを見込んでも不合理ではない。済見通しは年末までに金利が1%となることを前提としている。中銀に必要なのは忍耐だけという可能性もあるが、現在の政策では不十分という可能性もあり、さらなる利下げの可能性も残っている。今後のことについて多くは決定していない。他国のような非常に低い金利水準にはならないと予想。利下げは想定済みなので豪ドルは大幅安にはならないだろう。豪ドル安は経済の助けになろう。

豪中銀は予想通り政策金利1.5%から0.25%引き下げて1.25%に決定。市場は十分織り込んでいたことでサプライズはなく直後の相場変動も限定的となった。

声明では、雇用成長を支えインフレが中期目標と整合的となるとの確信を高めるため、この決定を行った。世界経済の見通しは、貿易摩擦による下振れリスクが高まったものの、引き続き妥当。国際貿易の伸びは依然として弱く、不確実性の増大が多くの国の投資意欲に影響を及ぼしている。ほとんどの先進国では、インフレは抑制されたままで、失業率は低く、賃金の伸びは上向いている。中国では、金融システムのリスクに対処しつつ、経済を支援する措置が取られている。

声明では、2020年の豪経済は、輸出価格の上昇などを受けた資源部門の活動の活発化とインフラ投資の増加に支えられて、2.75%程度の成長になるというのが中心シナリオ。ここ1年ほどの雇用の力強い伸びは民間部門の賃金上昇につながったが、全体的な賃金上昇率は低いままである。最近のインフレの結果は予想よりも低く、経済の大部分でインフレ圧力が抑制されていることを示唆している。しかし、インフレはまだ上昇すると予想。

南ア第1四半期 GDPは前期比前年比-3.2%(予想-1.7%)、前年比0.0%(予想0.7%)→ 予想外のマイナスで、10年ぶりの大幅なマイナス成長。

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