2019/06/02

今週の為替相場を考える (6月3~7日)

今週の為替相場を考える (6月3~7日)

先週に続き今週もどこまで続くかリスク回避のながれ? 

落としどころの見えない米中貿易戦争、米国の対メキシコの新たな制裁関税の発動や他国への拡大懸念に加え、米成長鈍化とFRBの利下げ確率の上昇。どうなるか先が読めないブレグジット、欧州の政治的リスクと景気鈍化。こうなった時のヒーローの円が輝いている。

先週末は米中貿易戦争の中で、何とかかろうじて下げ渋っていた、株価と債券利回り円高相場は、米国が難民問題をめぐりメキシコに制裁関税の発動を発表したことでもろくも崩れてしまった。

トランプ大統領のことだけに、何が起きるか分からないリスクは絶えず存在することは間違いないが、貿易戦争の弊害が米経済に深刻な影響を及ぼし支持者の離反が考えられれば、この流れが突然変化することもある。

ただ、FRBの年内の数回の利下げ期待、トランプ氏は来年の大統領選の再選を目指しているいることを考えれば、強気姿勢は、よほど取り巻く環境が変化しない限り引っ込ませることは期待できない。

今週も、セオリー通りリスクヘッジ通貨のJPYと同類のCHFどこまで買い進まれるのか? 共に目先の底値抵抗線を割り込み戻り売り圧力が続くことになりそうである。

CMEのFedWatch Toolでは、12月11日のFOMCで、現行の2.25~2.5%のFFレートを、1回利下げ確率予想23.8%、2回利下げ36.1%、3回利下げ25.4%と利下げ予想が主流となっている。

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USDJPY (予想レンジ 107.50~108.80)

取り巻く、米国、EU、英国、中国、中東と、リスク環境はJPYを表舞台に押し上げている。次のポイントは107.50、そして、幻の円急騰となった1月3日の安値104円台?(取引業者によって100円割れの取引があったらしいが)次のターゲットになってくる。

先に109.00~20のボトムが鉄壁に思われながらも、先週金曜日に簡単にブレークしたこともあり、109.00~20の上値は相当重くなることが予想でき、逆にこの水準を回復できるのかはやや疑問で、今週は7日の米雇用統計を注目!


EURUSD (予想レンジ 1.1100~1.1250)

欧州議会選も過ぎ、イタリア、フランスなどの政治的リスクは変わらず、ドイツは景気鈍化が目立ち、取り巻く環境はEUR売りの継続を示唆。Dailyチャートのテクニカルでも非常に穏やかながら下値は切り下がり、上値も切り下がるダウントレンドの変化は見られず。
ただし、1.1000の大台はサイコロジカルに重要なポイントあることは変わらず、仮に1.1100を割り込むことになれば2017年半ば以来のできごととなり、そう簡単に許される水準でないことも事実で、6日のECB理事会とドラギECB総裁発言も一つの契機になる可能性があるが、気が付けばレンジ相場入りの可能性が高いのでは?


AUDUSD (予想レンジ 0.6850~0.7000)

米中貿易戦争の出口が見えず、5日に豪中銀が政策金利0.25%引き下げることはすでに織り込み済みでサプライズなし。問題は今後の追加利下げを示唆するのか? するとしたら後何回となるのか? 利上げ実施の(
「sell the rumor buy the fact」になるのか? 

5月17日からは安値0.6860台をボトムに下げ止まり底堅くなっているが、0.6950を超えられず、レンジ相場入り。USDCNHも7.00の中銀サポートポイントを意識し6.9500を高値と0.6900~0.6950のレンジ相場。


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