2019/06/16

今週の為替相場を考える (6月17~21日)

今週の為替相場を考える (6月17~21日)

今週の主な材料にも記載しているが、今週は重要なイベントが多数控えていることもあり、相場の流れが急に変化することも意識して考える必要がある。

米中貿易摩擦は際限なく続くのか、それともどこかで落としどころを模索するのか? FRBは今週の利下げを見送るが年内2度の利下げとの期待が膨らんでいる。FOMCで利上げ実行の有無とその回数のヒントを得ることができるのか? 米株高と米債利回りの低下傾向が続く中で、米国発ではこの2点が大きなウエートを占めている。

先週の動きを振り返ると、USDJPY別格にEURUSDを除き主要通貨ペアで前々週のドル売りから、前週はドル買いへ変化している。米中貿易戦争の疲弊に中国は多数の景気刺激策を発表するも中国経済は低迷を脱しきれず、市場では人民安相場を選択するリスクも危惧。さらに最近の豪州とNZの経済指標は弱さが目立ち、金利低下見通しにAUDUSD、NZDNZDは弱い。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

さて、今週は来週に迫ったG20サミットで習中国国家主席がトランプ大統領と会談をするのか? 仮にするとすれば何等かの合意を期待したリスク回避の巻き戻しに動く可能性は否定できないが、米中共に勝利したと見間違えるような結果を示すことは至難の業でしょせん一時的な変化に過ぎないのでは。

トランプ大統領によるパウエルFRB議長へ緩和を求め批判する動きは止まず。19日のFOMCでは利下げ予想は少数派で実現性は少なく、7月、9月に各0.25%引き下げるとの予想が目立っている。年内金利据え置きの予想も少数派ながら聞こえてくる。つまり、今後も米経済指標次第であることは間違いない。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

USDJPY 予想レンジ(108.30~109.25)
1月4日のフラッシュクラッシュを除けが安値圏にあり、また、週終値ベースでは108円台割れを失敗し続けており、リスク回避の避難先通貨として方向性は円高ながら108円の壁に阻まれているのが現実。クロスでも円は全面高で1月4日のフラッシクラッシュ時の歪な円高水準を除くと円高水準にあるが、過去3週間は下げ止まっていることも事実。
  これらから、108円割れをボトムとし反発するのか? 最近の円相場の傾向は米金利と連動していることが多く見受けられる。また、最近の円相場は株より金利に連動する動きが目立ていることも特徴で、20サミットを直前に控えた米中間の駆け引きの影響を受けるが、FOMCの金融政策の結果と今後のガイダンスに素直に反応すると考えたい。


EURUSD 予想レンジ(1.1200~1.1350)
トランプ大統領のEUR高けん制発言もありテクニカルにダウントレドのチャネルを上抜けし上昇が期待されながらも、先週は1.1200~1.1350のレンジの下限で終了。振出し近くに逆戻りしたことで上昇トレンドの変化が続くのか、それとも、今までのダウントレンドに逆戻りするのか、今週一中間の動きは興味深い。
ブレグジットリスクのヘッジからEURGBPが上昇傾向を維持しながらも、過去5週は伸び悩み気味で、次期英首相の出方待ちでEURUSDの買い材料の寄与度は暫し低下。イタリアの財政問題は? 忘れられてはいるがEU懐疑派の動きは? などを考えるとレンジ相場の継続を選択したい。


GBPUSD 予想レンジ(1.2500~1.2650)
英国はECBからインフレ高進が心配されもブレグジットの出口は相変わらず不透明で、金利を引き上げることも叶わず。仮にジョンソン氏が次期首相となっても「合意なきEU離脱のリスク」は払しょくできず、予想できる範囲で現行の金利を据え置くこと以外になさそうで、GBPUSDなどは終値ベースでも年初来の安値に並ぶかそれを更新し、弱さが際立っている。もちろん、今週は英党首選が継続中となることを考えれば動きにくいが、テクニカルでは売り傾向は止まず。


AUDUSD 予想レンジ(0.6810~0.6900)
先日の豪雇用統計は弱い気がしなかったが、市場はなぜかAUD売りを選択。なぜなのかと考えると、米中貿易戦争に影響とも重なるが中国経済の低迷で、人民元安の可能性も否定できず。0.6860台で下げ止まることができるのか? 失敗すれば続落リスクは消えず戻り売りを選択。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※