2017/05/02

2017年5月2日(火曜)アジア・欧州市場の動き

2017年5月2日(火曜)アジア・欧州市場の動き

日本は連休前日。欧州市場はレーバーデーのロングウィークエンド明け。前日の米国市場で相場変動の要因となった、トランプ大統領の「銀行の分割を積極的に検討」との発言と、ムニューシン米財務長官の「超長期債が米政府の資金調達を支援する上で、完全に理にかなう」との発言に、今日も米金利の上昇が続いているが、為替市場は円売り以外、大きな変動は見られず。

豪中銀は政策金利1.5%の据え置きを決定。声明では、「成長拡大の見方」を示し、一時AUDUSDは上昇するも、「賃金の伸びは当面の間は鈍い状態が続くと」の一分が追加となり、上値が重くなる。

欧州市場に入り、独仏製造業PMIは速報値と変わらず水準的には6年ぶりの高水準を維持。ユーロ圏の製造業PMIは若干弱い。英製造業PMIは予想を大幅に上回り、直後はGBPUSDが急伸するも続かず。

気になった発言は「麻生財務相」。LAのフォーラムで北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる政治的な緊張の高まりに円は脆弱で、円相場が極めて不安定だと警告。北朝鮮問題の有事に円高になるか疑問視しているようにも思われてならない。

USDJPYは、東京市場は明日から3連休に突入し実質的には5日間の長期間の休みに突入。例年、この時期は円相場を動かそうとする海外投機筋が多い。3月31日の仲値と高値の112.10、112.20をクリア。上値トライが続く可能性が高くなっている。

AUDUSDも0.75台を回復し、豪中銀金融政策の発表直後は0.7550台へ上昇。その後0.7520台まで値を下げるも、引き続き0.75台を維持しており、テクニカルにも相場の変化を期待したくなる。

GBPUSDは、1.300を試せずやや上値は切り下がり、今日も強い英製造業PMIにも1.2910を高値に、1.29台の上値は利食いの売りに押され重いが、1.28台のボトムを維持している間は、反発の可能性は消えそうにない。


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豪中銀金融政策発表=政策金利1.5%の据え置きを決定、予想通り。

豪中銀声明=経済成長について楽観的な見方を示し、一時AUDUSDは上昇するも、賃金の伸びは「当面の間」鈍い状態が続くと予想の一分が追加となり、上値が重くなる。

豪中銀声明=世界経済の状況は昨年から幅広く上向いている。労働市場は多くの国で一段とタイト化し、世界経済成長の見通しは上方修正されてきた。多くの先進国経済ではトレンドを上回るペースでの成長が見込まれるが、不透明感も残る。

豪中銀声明=中国ではインフラや不動産建設における支出拡大が成長を下支えしており、高水準の債務は引き続き中期的なリスクを示している。

豪中銀声明=世界経済の回復はコモディティー価格の上昇につながり、豪州の国民所得を大幅に押し上げる要因となっている。豪州の交易条件は改善しているが、一部では逆の動きも見られる。コモディティー価格の上昇も一因となり、インフレ率は大半の国で上昇している。コアインフレ率は依然として低水準だ。

豪中銀声明=長期債利回りも前年より上昇しているが、歴史的にみれば引き続き低水準となっている。米国の金利は上昇しており、他の主要国経済において追加緩和が実施される見込みはもはやない。金融市場は効果的に機能している。

麻生財務相(LAのフォーラムで)=北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる政治的な緊張の高まりに円は脆弱で、円相場が極めて不安定だと警告。


英上院の国際関係委員会=中東政策に関して米国の指導力にはもはや頼れない。イランが核合意にとどまるよう、欧州の緊密な協力が必要。米新政権が中東地域をさらに不安定化させる可能性がある。米大統領は非建設的で対立をさらにエスカレートしかねない立場を取っている。英国の対中東輸出が中国やインド向けを合わせた規模を上回ることなどを挙げ、英国が中東への関与を縮小する選択肢はない。


ノボトニー・オーストリア中銀総裁=6月8日の次回理事会で2018年の政策方針や超低金利政策からの出口について議論すべき。