2017/05/10

5月10日(水曜) 昨日9日、海外市場の動き

5月10日(水曜) 昨日9日、海外市場の動き

ブルームバーグの記事で、オプション市場では今週、ドル円が来年までに133円まで上昇を予想する取引が増えたとある。タイトルは刺激的で『「ドル上昇続く」見通しにトレーダーが1.37兆円の賭け、133円視野に』と、なんだか週刊誌的なタイトルに思わず苦笑。

昨日の動きは、前日に続きスイス(USDCHF+0.87%)と円(USDJPY+0.67%)の低下が目立つ。要因は異なるも、結果的にドルは主要通貨に対して全面高。独・英株は上昇するも、米株は小幅低下(ダウ-0.17%)、終盤にやや低下するも、米10年債利回りは一時2.41%台へ、2年債も一時1.3546%まで上昇。日経平均先物は2万円の大台を一時達成(のちに低下)。DXYは上昇、CRBは低下、VIXは上昇へ。

PIMCOは、『米第2四半期の成長は大きく改善しインフレ率も上昇傾向』。『年内あと2回の利上げ」を予想し、「テーパリング」を織り込み、「バランスシート縮小」も要因となり、米10年債利回りは「中期的に2.75~3.0%」へ上昇を予想している。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁は、「米経済は過熱」のリスクがあり、「穏やかな利上」を支持。ローゼングレン・ボストン連銀総裁は、「バランスシートの縮小」を支持し、失業率が4%を割り込むと「利上げペースの加速」を招く可能性を指摘。

原油価格(WTI)は、減産協定の継続を示唆する発言が多いが、減産実効性への疑問に一時45.53まで下落。

USDJPYは、2日間連続で円安が進み114円台まで一時上昇。米金利の上昇と日経先物の上昇に114円台まで上昇し、米SKYニュースで「北朝鮮が6回目の核実験を進めている」との報道に、一時114.30台まで加速。利食いの売りに押されて113.70台まで値を下げるも、引き続き底堅く推移。

115円は多くの市場参加者が当面のターゲットにしていたこともあり、利食いの売りが出やすいが、なぜか達成感は見られず。ロス米商務長官が「ドルは強すぎるのではなく、他の通貨が弱すぎる」との発言がドル高を容認するかは不明。

ドル高を牽制する発言のリスクを気にしながらも、トレールやストップ・オーダーで対応し、USDCHFの動きをみながら押し目買いの流れが続く。

USDCHFは、スイスの失業率は変わらず、円と同じくファンディング通貨が要因? 事実は不明ながら弱さが目立つ。 動きからはEURCHFの下落とも思われるが、二日間続けて主要国では最もスイスの下落幅は多きい。


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ロス米商務長官=ドルは強すぎるのではなく、他の通貨が弱すぎる。米国の3%成長は今年の達成は難しい可能性も。

米3年債入札(240億ドル)=直接入札者の落札比率が9.32%で昨年10月以来の高水準、最高落札利回りは1.572%、応札倍率は2.76倍。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=失業率が4%を割り込むようなことがあれば、経済を過熱させ利上げペースの加速を招く可能性がある。失業率は予想値の4.7%をすでに割り込み4.4%まで低下している。高水準にある不動産価格を懸念。FRBはバランスシートの議論を続けており、バランスシート縮小開始を支持。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=米経済は過熱のリスクがあり、FOMCは償還資金の再投資停止に踏み切り、保有証券の規模、構成の調整を開始すべき。失業率の低下は、金融政策の調整が極めて重要で、穏やかな利上げを支持。

アトランタ連銀GDPNow=第2四半期GDP予測値を4.2→3.6%へ下方修正。

PIMCO=米第2四半期の成長は大きく改善し、インフレ率も上昇傾向。年内あと2回の利上げを予想し、テーパリングを織り込み、バランスシート縮小も要因となり、米10年債利回りは中期的に2.75~3.0%へ上昇。

PIMCO=リスク要因は、財政投入による景気刺激策の遅れ、法制定につながるようなヘルスケア法案を上院がまとめられないケース、北朝鮮を巡る緊張悪化。