2019/08/21

2019年8月21日(水)昨日20日、海外市場の動き (午前5時半ごろの動き)

2019年8月21日(水)昨日20日、海外市場の動き (午前5時半ごろの動き)

米中通商協議の行方は相変わらず不透明、香港デモリスクも変わらず。アメリカの中距離巡行ミサイルの試験発射に世界の軍備競争が本格化するとの憂慮が高まる。

米株は低下、米債利回りは低下、為替相場はドル全面安でリスク回避通貨のJPY+CHFも強く、流れの変化も。

GBPUSDは、ジョンソン英首相は「バックストップをEU離脱協定案から削除するようあらためて要求」。EUは「離脱協定再交渉要求を拒絶」する中で一時1.2065まで続落。メルケル独首相の「バクストップの実務的な解決策について検討する用意がある」発言に、GBPUSDは1.2080台→1.2180近くまで一時100ポイント近く急伸し、高値圏で推移。英FTSE100は₋0.9%下落する中で、英10年債利回りは0.453%と0.419%から下げ幅を縮め債券相場への影響は限定的で、メルケル氏は「メイ前英首相と合意した離脱協定案を変更する必要はない」とあるも、月初来から続く高値圏近くで推移。1.2~1.22のレンジ相場を継続するのか、それとも上限を上抜けできるのか注目。

EURUSDは、イタリア政局をめぐり上下変動。サルビーニ副首相は首相に早期解散・総選挙を要請し政局が混乱する中で、EURUSDは1.1066の本日の安値を示現するも、コンテ・イタリア首相は辞任を表明すると新たな連立政権の樹立期待もあり、買い戻しが強まる。米国市場では一時1.1107まで続伸し、8月13日から続く下落局面がようやく変化し陽線引けと高値圏で推移。ただし、前日の高値1.1114を上回ることもできず強さも中途半端。

USDJPYは、アジア市場の106.69を高値に、ブレグジット+イタリア政局+米中通商協議+軍事競争の激化など、世界的にリスク回避の流れの影響もあり債券利回りが低下し、株価も低迷する中で一時106.17まで続落。ブレグジット+イタリア政局に変化の兆しが見え、EURUSD+GBPUSDが上昇する中で106.46まで値を戻すも上値は重い。米債利回りが続落する中で106.20台と安値圏で推移するも、引き続き106~107のレンジ内を抜け出せず。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

21:30    CAD 6月 製造業出荷=前月比-1.2%(予想-1.8% 前回1.6%)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

アメリカの中距離巡行ミサイルの試験発射を受け緊張拡大
◎8月2日のINF条約失効を受けて、8月18日にカリフォルニア州サンニコラス島でアメリカ軍が地上発射型巡航ミサイルを試射したことを19日にアメリカ国防総省が発表。
→ 中国とロシアは反発し、世界の軍備競争が本格化するとの憂慮が高まっている

トランプ大統領
◎対外援助予算の削減を巡り様々な選択肢を検討しており、1週間以内に決定する。
→ トランプ政権当局者は、国防総省と国際開発庁の予算を見直しており、対外援助予算を約43億ドル削減するための手続きを視野へ。

トランプ大統領
◎政府が減税の可能性を検討している。給与税の減税についても、常に検討している

トランプ大統領
◎中国は貿易協議の合意を望んでいる。それはすぐかもしれないし、しばらく後かもしれない
◎米国はリセッションからほど遠い

トランプ大統領
◎積極的かつ大幅な利下げが必要で、FRBは時間をかけて最低でも1%利下げすべき。
◎中国との合意の用意はない
◎常に様々な減税を模索している

※※※※※※※※※※

ジョンソン英首相(19日)
◎トゥスクEU大統領に書簡を送り、バックストップをEU離脱協定案から削除するようあらためて要求、代案に離脱後の移行期間中に代替策を導入するとの合意を盛り込むことを提案していた。

EUはジョンソン英首相の離脱協定再交渉要求を拒絶
◎ベルトーEU報道官は、「厳格な審査を伴う国境を回避するための、合法的に運用可能な解決策が提案されていない。どのような代替策となるのか記されておらず、移行期間中にそのような代替策が間に合うのか保証はないことを実際に認めている」と指摘。
◎トゥスクEU大統領は「バックストップは代替策が見つかるまで、ハードボーダーの復活を回避するための保険」と言明。バックストップに反対しつつも、現実的な代替策を提案していない人々は、たとえ認めていなくても、国境の復活を実際に支持している」と批判。

ジョンソン首相
◎EUが離脱を巡る再合意に「幾分否定的」としつつも、自身は実現可能と確信。

メルケル独首相
◎バクストップの実務的な解決策について検討する用意がある。ただし、メイ前英首相と合意した離脱協定案を変更する必要はない。
→ 市場は再検討の可能性を意識したのか? GBPUSDは1.2080台→1.2180近くまで一時100ポイント近く急伸

※※※※※※※※※※

コンテ・イタリア首相は辞任を表明(サルビーニ副首相の反抗を批判)
◎現政権の活動はこれで終了
◎五つ星と野党が手を組み、サルビーニ氏の権力奪取阻止する可能性も
◎マッタレッラ大統領と本日中に面会を行う
→ EURUSDは1.1066の本日の安値を示現するも、新たな連立政権の樹立期待もあり、買い戻しが強まり、米国市場では一時1.1107まで続伸へ。

コンテ・イタリア首相
◎反移民の極右政党で連立相手でもある「同盟」を率いるサルビーニ内相を、政治的危機を招いたとして非難。
→ 同盟と反エスタブリッシュメント政党「五つ星運動」との連立崩壊により、早期に総選挙が行われる可能性が高まった。

サルビーニ・イタリア副首相
◎辞任を否定し、早期の総選挙に意欲。
◎首相に早期解散・総選挙を要請

ディマイオ伊副首相
◎連立解消が差し迫っている、コンテ首相の努力に賛意

※※※※※※※※※※※※※※※※

マッキンゼーのレポート(ブルームバーグ)
◎アジアの大半の国・地域で企業は債務返済ストレスに直面、アジア債務危機以来の危機再来の「不吉」な兆候が見られる
◎債務の拡大、銀行の脆弱性、シャドーバンキング慣行も懸念材料
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-20/PWIS336KLVR501?srnd=cojp-v2

フィッチの格付け担当長
◎アルゼンチンのデフォルトリスクはあるが、可能性は低い。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※