2019/08/24

2019年8月24日(土)昨日23日、海外市場の動き(報復の連鎖とリスク回避行動の深化)

2019年8月24日(土)昨日23日、海外市場の動き(報復の連鎖とリスク回避行動の深化)

吠えるトランプ。利下げとドル安を求めパウエルに噛みつき、対中制裁関税の報復行動を取った中国に噛みつき、米企業に中国からの撤退を求め報復措置の発表が予定されている。

結果、リスク回避にダウは2.37%と大幅安で、米10年債利回りは1.66%→1.50%まで一時下落と大幅安で、為替相場もリスク回避にJPY+CHF+EURが選好、USDJPY106.7→105.26へ、USDCHFも0.9877→0.9736へと急落し、EURUSD1.1050台→1.1153へ急伸。

USDCNYは一日を通じ7.0697~7.0985で上下変動し翻弄されながらも7.09台の元安へ、中国経済と連動性の高いAUDは弱く、アジア市場でタカ派のオア中銀総裁発言で一時急伸していたNZDも上昇幅を縮め、GBPは小幅高ながら世情に疎くブレグジットをめぐり我が道を行く動きへ。CADは強い小売売上高のインセンティブも世の中の動きと原油安に翻弄され小幅下落(CAD高)にとどまる。

中国が報復関税の措置を発表した直後となった、パウエル議長の発言では、「リスクが迫っている」と追加緩和の可能性を示唆するも、利下げの言明は避け、直後の為替相場は上下振幅しながらも比較的安定。結局のところ、CMEのFedWatchでは9月の米利下げ確率は前日の90.0→90.4%へと小幅ながら上昇、12月の利下げ確率は前日31.3→41.3%へ急上昇。

中国は米国の制裁関税第4弾への報復として 750億ドルの米製品に5~10%の追加関税を発表し、米国とタイミングを合わせ9月1日と12月15日に発動と対抗姿勢を露わに示す。安全資産へと資金が動く中で、トランプ氏は米企業に中国からの撤退を求め、さらに報復関税への報復を検討とあり、世の中リスク回避へと雪崩動く。

為替相場の動きの詳細をあえて説明するまでもなく、世の中はリスク回避行動を突き進むだけ。今後どうなるかはトランプ氏の中国が示した報復への報復措置次第で、すでにクローズしている金融市場は週末リスクが重くのしかかってくるだけ。

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21:30    CAD 6月 小売売上高=前月比0.0%(予想-0.3% 前回-0.1→-0.2%)、除く自動車・前月比0.9%(予想0.0% 前回-0.3→-0.4%)→ 予想より強い

23:00    USD 7月 新築住宅販売件数=前月比-12.8%(予想-0.2% 前回7.0→20.9%)、63.5万件(予想64.5万件 前回64.6→72.8万件)→ 前回が大幅に上方修正されるも、予想より悪化

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トランプ大統領
◎中国の対米関税に反撃し対応策を23日の午後に発表へ。

トランプ大統領
◎中国が対米報復関税を発表したことを受け、米企業に対し中国から事業を撤退させ、米国内での生産を拡大するよう要求

トランプ大統領
◎米国は中国を必要としない、無い方がまし
◎一つだけ疑問がある。米国にとってより大きな敵はパウエル議長か習主席か?

パウエルFRB議長(ジャクソンホールのシンポジウムでの講演で、(9月の利下げ観測が強まる)
◎米経済が望ましい状況にあるものの、貿易を巡る不確実性の中で国外経済が減速しており、「著しいリスク」に直面
◎通商政策を巡る不確実性は、世界経済の減速や米国における製造業と設備投資の弱さの一因となっているようだ
◎力強い労働市場と、対称的な2%目標に近いインフレを伴う景気拡大の維持に向け、適切に行動する。
◎特にドイツや中国など、世界経済減速のさらなる証拠が見られる。ハードブレグジットの可能性が高まっていることや香港の緊張激化、イタリアの政権崩壊危機など、地政学的なイベントが数多く報じられている。→ 通商政策を巡る不確実性を示す。

中国(米国の制裁関税第4弾への報復措置を発表)
◎米製品で750億ドル相当に報復関税5~10%(5078品目)の対抗措置を9月1日と12月15日に実施する。
◎9月1日に米国産の大豆と原油に対する5%の追加関税。12月15日から米国製輸入車に対する25%の関税を再開。
→ 自動車に対する既存の一般的関税を考慮に入れると、米国車にかかる関税率は最高50%になる。

メスター・クリーブランド連銀総裁
◎現在の経済状況が続くなら、次回FOMCで政策金利の据え置きを望むだろう
◎景気下方リスクに非常に敏感になっている、追加利下に先入観を持たず。
◎重要な問題は、米経済が単に2%前後のトレンド成長率に向かって鈍化しているのか、あるいはより深刻な景気下降に向かっているのかだ。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
◎現時点で行動が必要とは思わないが、不確実性が続けば政策の再調整が必要になるかもしれない。

カプラン・ダラス連銀総裁
◎金融政策は景気減速の原因ではない、調整の必要はないと考えており、景気の問題は、貿易の不透明感、移民などに起因したもの。

ブラード・セントルイス連銀総裁
◎金融当局は「保険」としての追加利下げを実施し、世界の製造業減速や米中貿易戦争の影響を緩和する必要がある

ジョンソン英首相(状況の変化?)
◎EUに離脱協定案の再交渉に応じるよう首脳を説得するのは容易ではない、進展はあるが速やかに合意できるとはあまり期待すべきではない。

独経済相報道官
◎現時点では、景気後退に陥っておらず、支援策で成長を確実にすべき。
◎ブレグジットのボールは英国側のコートにある

サマーズ氏、中銀当局者は「ブラックホール」的な政策課題に直面(ブルームバーグ)
◎https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-23/PWOFI16JIJUO01?srnd=cojp-v2

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