2019/08/01

2019年8月1日(木)昨日31日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年8月1日(木)昨日31日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

FOMCは期待通り0.25%の利下げを決定しドルは全面高! パウエル議長は「利下げは中期的な政策調整で長期的な利下げ局面の始まりでない」とあり、年内の追加利下げもデータ次第でドル買いが進み、米株は急落し、債券利回りは直後上昇へ(ただし、米10年債利回りは2.0%近くへと低下)

ダウはFOMCの0.25%の利下げに小幅低下していたが、パウエル議長の発言を受け、27162ドル近くから前日比で-333.75ドル(-1.23%)下落、NasdaqとS&P500も大幅下落へ。米10年債利回りはFOMCを受けても続落傾向止まらず、パウエル議長発言に一時2.04%台へ上昇するも続かず下落し2.0%と大台を試す動きへ。

FOMC後の為替相場は、声明で追加緩和の可能性が指摘されながらも「予防的利下げ」ともあり、パウエル議長から「正常化途中の調整」で、「利下げは中期的な政策調整で長期的な利下げ局面の始まりでない」、年内の追加利下げもデータ次第とありドル全面高で主要通貨の多くで高値を付ける。

ただ、米株の下落は単なる大幅利下げと利下げ継続期待の失望感だけの一時的なものなのか? 米短期債利回りは短期中期で上昇するも、米10年債利回りの低下を見るとどこまでドル高を信じていいのかは不明。それと、今後のトランプ節も気になる。

米中通商協商も二日目は昼過ぎに、それも予定より早く終了と期待通り何も決定されず、次回は9月上旬にワシントンで協議へ。

USDJPYは、FOMC前は108.50~65のレンジから、FOMCとパウエル議長発言に109.00まで上昇するも続かず、相変わらず109円の壁の厚さを確認。109円の壁を維持しており円高へと方向転換できるのか、それとも上抜けし円安へと動くのか? 期待は上値がどこまで進むのかパンドラの箱を開けてみたい気持ちは強いが、開けたところで長続きしない可能性も。 

EURUSDは、アジア・欧州市場は弱いユーロ圏GDPとCPIの発表にも大きな売り変化は見られず、1.1143~62のレンジで推移。米国市場入り強いADP雇用統計にやや売り圧力が強まり、1.1150台を高値に1.1120台まで下落。FOMCとパウエル議長発言に年初来の安値を更新、2017年5月来の安値を割り込み1.1060台まで下落。底値は見えず。

USDCADは、アジア・欧州市場は大枠1.3135~60のレンジから、強いカナダGDPを受け原油価格も強く一時1.3105まで下落。FOMC前には一時1.3150台まで値をもどしていたが、1.3127からFOMCとパウエル議長発言を受け1.3215まで急伸し、高値圏で推移中ながら、クロスではCADは健闘。

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FOMC(景気の先行きに不透明性があり、予防的な阻止を打ち出す)
◎2008年12月以来、約10年半ぶりとなる、政策金利のFFレートを2.25~2.5%→2.0~2.25%へと0.25%引き下げることを8対2で決定。(ジョージ・カンザスシティ、ローゼングレン・ボストン連銀総裁は継続を支持し反対)。同時に3.8兆ドルの保有資産の縮小は、従来計画より2カ月前倒しで8月1日に終了する。

FOMC声明
◎海外経済の動向とインフレ圧力の停滞」と指摘。貿易戦争で企業投資が鈍化するなど先行き不安が広がっており、景気悪化を未然に防ぐ「予防的利下げ」に踏み切った。
◎家計支出の伸びは回復しているが、設備投資は弱く、インフレ調整指標は引き続き低水準。
◎世界的な動向と落ち着いたインフレ圧力が示唆するものを考慮して利下げを決定。
◎労働市場は強く、2%目標付近でのインフレ率の推移が可能だが、不確実性は続いている。

パウエルFRB議長の記者会見(正常化途中の調整)
◎「正常化途中の調整」と表現し、「利下げは中期的な政策調整で長期的な利下げ局面の始まりでない」とあり、9月以降の追加利下げに対する期待が後退し、米株は急落。債券利回りは直後上昇へ。

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米中通商交渉
◎ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官は30日に上海入りし、劉鶴副首相ら中国側交渉団と夕食会に臨んだ。
◎2日目の協議は実質半日で終了。予定より約30分早く終了し、米代表団は会場のホテルを発った。

グリシャム大統領報道官
◎協議は「建設的」だったと評価した上で、中国が米国産農産物の購入を拡大するとの見通しを表明。引き続き9月上旬にワシントンで協議を再開する予定

米中通商交渉(中国商務省の声明)
◎建設的かつ突っ込んだやりとりを行った
◎中国による米国産農産物の購入拡大が議題になったが、購入拡大で合意はしていない

米中通商交渉(中国国営メディア)
◎次回は9月に米国で実施
◎中国による米国産農産物の輸入拡大を協議した
◎双方の主な関心事について建設的で率直な議論行った

マース独外相
◎軍事的な解決はない、ホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた有志連合に参加せず。

独憲法裁判所
◎ECBによる国債買い入れに伴うリスクについて警告。得られる恩恵に疑問。
◎「貯蓄商品、生命保険、年金商品などに損失が出ており、各国政府による公的財政の緊縮化に対する圧力は低減している」
◎憲法裁は独連銀に対しECBの債券買い入れに参加しないよう命令することもできるが、欧州司法裁判所は昨年、ECBの前回の債券買い入れ策を承認しているため、独憲法裁が独連銀に不参加を命じる公算は小さい。

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