2019/08/06

2019年8月6日(火)アジア・欧州市場の動き

2019年8月6日(火)アジア・欧州市場の動き

中国は米国の農産物購入を履行せず、米国は中国を為替操作国に認定。米国の対中制裁関税第4弾の実施を9月に控え、世界経済の減速リスクは消えず。日経平均株価は一時600円超の下落から、当局の介入か意向を受けた株買いなのかは不明ながら、下げ幅も135円近くと縮小、米債利回りも上昇し、10年債は一時1.76%まで戻している。

NZ雇用統計は予想外に強く出たが、NZ中銀のインフレ期待は弱く上昇力も削がれた。豪中銀は予想通り政策金利1.0%の据え置きを決定、ロウ総裁の声明では、成長率の上昇とインフレ率の低迷を示唆すると同時に、追加緩和の可能性を示唆するも、市場の予想を覆すものではなかった。

NZDUSDは、NZの雇用統計は「失業率は低下、就業者数は増加、単位労働コストは上昇し平均時給も強い」と言う素晴らしい結果に、0.6519→0.6589まで急伸するも、NZ中銀インフレ期待は弱く売りへと変化し、全戻しとなって前日終値近くの0.6520台で推移している。

AUDUSDは、NZDUSDの上昇の影響を受け0.6750をボトムに上昇、豪中銀は政策金利の据え置きを予想通り決定し、ロウ総裁の声明では追加緩和のリスク、成長拡大の可能性、インフレ伸び悩みを示唆と強弱混在で、0.6772~95のレンジで上下し、日本株・中国株も下げ幅を縮小し底堅い動きとなっている。

USDJPYは、前日の米株急落と米債利回りの急落の影響を受けた流れに、日経平均株価は急落し、リスク回避の円買いにUSDJPYは一時105.52まで下落するも、日本株が下げ止まり下げ幅を縮めると徐々に上昇し、前日の欧米市場の高値106.35を上抜けするとストップが入り、106.50を超えるとさらに買い戻しが強まり一時107.09まで上昇。107.20~50を超えるまで戻り売り志向が強いと思われるが、米国の株価次第の面も高い。


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7:45    NZD 第2四半期 雇用統計: 失業率=3.9%(予想4.3% 前回4.2%)、就業者数増減=前期比0.8%(予想0.3% 前回-0.2%)、前年比1.7%(予想1.2% 前回1.5%)、労働参加率=70.4%(予想70.4 前回70.4%)、労働コスト・前期比0.8%(予想0.7% 前回0.3%)、前年比2.2%(予想2.1% 前回2.0%)、平均時給=前期比1.2%(予想0.5% 前回1.1%)→ 失業率は低下、就業者数は増加、単位労働コストは上昇し平均時給も強くNZドル買いが一時強まる

10:30    AUD 6月 貿易収支=80.36億豪ドル(予想60億豪ドル、前回57.45→61.73億豪ドル)→ 予想外に黒字額が拡大

12:00    NZD NZ中銀インフレ期待=1年後予測値 前回1.97%、2年後予測値=1.86%(前回2.01%)→ 前回を下回る

13:30    AUD 豪中銀(RBA)金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り 

15:00    GER 6月 製造業新規受注=前月比2.5%(予想0.4% 前回-2.2%)、前年比-3.6%(予想-5.3% 前回-8.6%)→ 予想より強い

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豪中銀金融政策
◎予想通り政策金利1.0%の据え置きを決定

ロウ豪中銀総裁の声明
◎貿易と技術の紛争によって生じる不確実性の増加は投資に影響
◎世界経済へのリスクが依然として下向き
◎主要国ではインフレ率は低水準で失業率は低く賃金の伸びは回復。
◎世界経済の継続的な下振れリスクと抑制されたインフレに多くの中銀は今年利下げをしており、さらなる緩和が期待できる。
◎豪経済は予想より弱く、長期にわたり低成長と住宅価格の下落に家計消費が圧迫。
◎豪経済は徐々に回復されると予想、主要シナリオは2019年2.5%、2020年に2.75%の成長を予想。
◎インフレ圧力は抑制されたままであることを確認。インフレ率は1.6%で徐々に上昇する中心的なシナリオは残っているが、2%に戻るまで時間がかかる可能性があり、2020年2%未満、2021年に2.0%をわずかに上回ると予想。

ナバロ米大統領補佐官(通商製造業政策局)
◎操作国認定に続く最初のステップは、IMFと米国が協力すること。
◎中国の介入を相殺する目的で米国が対抗できる手段が存在する。