2019/08/04

今週の為替相場を考える (8月5~9日)

今週の為替相場を考える (8月5~9日)

先週は米国の対中制裁関税第4弾の発表で、先週の円相場はまさに青天の霹靂。

FOMCやパウエル発言で「利上げは予防的な措置」で継続的な利下げスタンスではなかったとあり、最近のレンジ107~109円の上限を一時抜けたと思ったとたんに、USDJPYは107円を割り込み、USDJPYにしては珍しい展開となりました。

米国の対中制裁関税の発動に株価は下落し、米10年債利回りが1.8%台へ急落し、FOMCの追加緩和期待度も上昇へ。追加制裁による景気鈍化を意識しリスク回避の動きに新興国通貨は弱く、主要国通貨で円はクロスでCHFとCADを除き終値ベースで年初来の円高水準を更新しています。

USDJPYは、テクニカルでは円高方向に舵を切り、1月3日の年始の薄商いで円が急騰し104円台(一部では100円との話も)を目指し105円が次のターゲットと考える市場参加者も多いことでしょう! 

最も円高傾向が続くか否かは、米国の対中制裁関税第4弾で9月に本当に発動されるのかに大きくかかわっており、去の例から見ても発動の延期も十分可能性は残っています。 一方、米金利と連動性の高いUSDJPY相場であることを考えれば、米10年債利回りは2016年11月初旬の1.8%割れに近づいた米債利回りの低下が続くのかも大きな要因となっています。

最近の米債利回りの急低下は下げ過ぎ感は強いのですが、制裁発動の延期やトランプ大統領の考えに変化がない限り2.0%の上値が重くなることは間違いなさそうです。

今週に金融政策の発表を控えているAUDとNZDは、NZ中銀が0.25%の利下げが、AUDは据え置きが予想されています。共に追加緩和の期待度が高まっていることも間違いなさそうで、為替相場もそれなりに売り圧力が続くことでしょう。

GBPUSDは10月31日の英国のEU離脱は、ジョンソン首相のもとで合意の有無にかかわらず実施される可能性が高まっており、GBPの売り材料であることに変わりありません。問題はどのようなプロセスで離脱するかですが、市場参加者の意見も、織り込済みで今後のポンド高が期待できるとの意見もある反面、現時点で積極的な買いを入れることに躊躇いがあることも事実です。ブレグジットの動きがよりクリアになるまで待ちの一手か軽いショートを維持では。

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USDJPY(予想レンジ105.50←106.00~107.50)

短期間で2.7円近い円高は、USDJPY相場にとっては異常で激震といってもいいでしょう。短期的にはバーゲンハンティングの押し目買いの可能性は否定できませんが、クロスでも円高もありテクニカルでは完全に円高傾向に突入し、ファンダメンタルズでは米金利の低下と株安の動きがどこまで続くのかによりますが、107.20~50の上値は重くなり、上昇力が鈍いとさらに下値を試す動きと思われます。

EURUSD(1.1000~1.1160)

EURGBPの買いの影響は強いと思いますが、米国の対中制裁関税第4弾の発表後は、JPY、CHFに続きリスクヘッジの動きとなり、ドル高傾向でも予想外に底堅く推移しています。テクニカルでは長期的な下落局面が続きECBの緩和期待が強い中で、1.1100を割り込み1.1000が次の大きな重要なポイントになっています。短期勝負ではEUR買いは1.1000に近づいた段階での買いは有効ですが、1.1150近辺の上値は重くなっているように見えてなりません。

USDCAD (1.3150~1.3300)

1.30、1.31を上抜けし底堅い推移となっていることは間違いありません。ただ、 原油価格は世界的な景気鈍化に売り圧力が見られるも結局のところWTIは56ドル近辺で推移。IMMシカゴのカナダドルポジションは主要7通貨の中で唯一ロングを維持している。カナダ中銀は9月に利下げする可能性は否定できませんが、現状ではそこまで織り込めず。200日MAの1.3300を超えたらギブアップで戻り売りを選択肢では。。

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