2019/08/03

2019年8月3日(土)昨日2日、海外市場の動き

2019年8月3日(土)昨日2日、海外市場の動き

米国の対中制裁関税4弾発動による世界経済へ影響を懸念する激震の余波が続き、アジア・欧州・米国と株価は続落。米国を含め世界的に利下げ期待が拡大し債券利回りも続落。また、欧米主要国の経済指標が多数発表されるも投機筋の反応は鈍く動きは緩慢で、本来なら主役の米雇用統計は「非農業部門雇用者は鈍化+賃金は若干の上昇」と、強弱混在で脇役に追い込まれ発表後の動きは限定的。

為替市場はリスク回避通貨のJPYとCHFが続伸し、リスクを懸念し新興国通貨が続落しAUD+NZDも弱く、EUR+GBPは米国市場に入り上昇へ。米国市場に入り、米国の対中制裁関税をめぐるトランプ氏の「関税発動までにアクションを起こすならば発動を遅らせる可能性」との発言に一時ドル買いへと動くも、クドロー氏「何も聞いていない」発言にドル売り再開と翻弄され、中国の米国の制裁発動をけん制する多数の発言にリスク回避の傾向は止まらず。

USDJPYは、米国の対中制裁第4弾の発動による世界経済の低迷+株安+米国を含む世界的な金利の低下もあり、2日間で高値109.32→安値106.51まで久しぶりの大幅な円高となり、従来の大枠で107~109円のレンジの下限を割り込み現状では107.30~50の上値が重くなっている。

EURUSDは、JPYやCHFほどでは無いが独30年債が史上初のマイナスになるなどリスク回避の動きの影響がEURにも影響を与えEURの上昇傾向へとつながっている。米とEUと牛肉輸出拡大で合意し貿易摩擦の解消期待もあったのか? 2日間で安値1.1027→高値1.1164まで上昇と、1.10の大台を死守している。

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トランプ大統領(未確認)
◎もし中国が9月1日の関税発動までにアクションを起こすならば発動を遅らせる可能性→ USDJPY107.28まで上昇

クドローNEC委員長
◎中国への新たな関税を遅らせる可能性については何も聞いていないと、中国が前向きな措置を取れば発動は延期、もしくは中止されるかとの質問に対し明確に答えなかった。
→ドル売り再開で106.50台まで続落。

クドローNEC委員長
◎中国が米国産農産物を購入すれば新たな関税適用を回避する論拠を強めるだろう
◎関税発動まで1カ月ある。1カ月で多くのことが起こり得る。多くの良いことが起こり得る
◎米消費者への影響は「微々たるもの」で、大きな経済的負担は中国の市民に向かう
◎米経済は極めて強く、中国経済は極めて弱い
◎中国は市場シェア、生産を失いつつあり、恐らくそれらを取り戻すことはないだろう

張中国国連大使
◎米国による中国への10%の制裁関税は、理不尽で無責任
◎米国が通商面で中国と争うことを望むなら、中国側にも争う意思があり、米国の対中追加関税に対抗措置を取る用意がある

張中国国連大使(北朝鮮問題で)
◎一方ではパートナーの協力を仰ぎ、他方ではパートナーの利益を阻害するということを想像するのは難しい。北朝鮮に対する制裁措置を維持しながら、同国にできるだけのことを実施するよう要請することはできない」。適切な時期に制裁が緩和される必要があるとが、中国は緩和すべき時期についてはまだ何も決めていない。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁
◎「失業率は約50年ぶりの低水準にあり、インフレ率は2%の目標に向け上昇する公算が大きい。さらに、株価と企業レバレッジが過去最高水準近辺にあることを背景に金融安定を巡る懸念が幾分高まっている。こうした中、追加的な金融緩和に対する明確でかつ説得力のある論拠は現時点ではない。

トランプ大統領
◎米、EUと牛肉輸出拡大で合意 自動車関税は常に懸案
◎合意書にはライトハイザー米USTR代表のほか、在米欧州連合(EU)代表部のスタブロス・ランブリニディス大使らが署名。

カーニーBOE総裁
◎英国が10月末に合意なくEUを離脱するとしても救世主にはなれない。
◎英国が移行期なくEUを離脱した場合でも、英中銀が景気支援パッケージを提供できるとは必ずしも限らない。
◎英中銀がポンドを買い支える公算は「ごくごく小さい」と強調。

ドイツ30年債利回り、史上初のマイナスへ
◎米中貿易摩擦の激化に伴い、よりリスクが低いとされる資産に需要が殺到した。

日米閣僚級貿易交渉は2日に終了
◎茂木経済再生担当相は「議論をかなり前に進めた」と評価した上で、月内に再度、閣僚協議を行うことで一致。
◎早期妥結の必要性をライトハイザーUSTR代表と共有し、互いの立場の溝はかなり埋まってきた。

日韓問題
◎日本が韓国をホワイト国除外する政令改正を決定したことを受け、日韓関係の緊張が拡大へ。

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中国政府(米国の対中制裁に関して)
◎脅しには屈しないと表明、報復措置に出る可能性を警告

中国外務省報道官(米国の対中制裁に関して)
◎米国からの圧力によって妥協するつもりは全くない、われわれは一歩も譲歩しない。
◎必要な対抗措置を取らざるを得ない
◎相互間の敬意と平等の精神に基づいた交渉の正しい道筋に戻るよう望んでいる

王毅中国外相
◎2国間の対立を解決する上で、追加関税は正しい方法ではない