2019/08/20

2019年8月20日(火)昨日19日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年8月20日(火)昨日19日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

ドイツはリセッションに備え財政出動を準備、中国は新たなプライムレートを公表、景気刺激策と主要国利下げ発動期待に相場が動く。市場の関心は相変わらずジャクソンホールでのパウエル議長の発言と週末の仏G7サミットでのトランプ節。

アジア・欧州・米国と株高の連鎖は止まらず。米債利回りの上昇傾向は続き10年債は1.6%台を何とか維持している反面、2年債は強く1.55%近くまで上昇へ。原油価格(WTI)は56ドル台へ続伸。為替相場は、米債長短金利差に変化が見られ、ローゼングレン・ボストン連銀総裁は「利下げを支持せず」との発言もあり一日を通じてみればドル高傾向を維持。

ドイツはリセッションに備え財政出動を準備、ショルツ独財務相は最大500億ユーロの追加支出が可能と言い、中国は新たなプライムレートの公表を開始へ。また、ECBとFRBは9月の利下げが確実視されている。懸念の米中通商協議では、先に米国は9月1日実施の対中制裁関税の第4弾の多くを12月15日まで延長し、ファーウェーに一部製品の禁輸措置の執行猶予を11月18日まで延長、目先は事の推移を見守る動きへ。

USDJPYは、米中通商協議は大きな進展はないが、目先は一部発動の延期やファーウェー制裁執行を猶予など小技も。株高+米債利回りの上昇と、106.00、106.20、106.50と緩やかにボトムを切り上げ欧州市場では一時106.70まで上昇。テクニカル面でも円売り傾向が続き、先の高値107.00を意識した流れを継続するも、107.00~50を上回る動きとは思えず。

EURUSDは、ドイツやユーロ圏での景気低迷リスクは強まる中で、ドイツの財政支出の期待が膨らみ、ECBの9月利下げ期待も強い。イタリア政局不安は消えず、ブレグジットリスクも変わっていない。一日を通じて大枠1.1085~15の狭いレンジに収まり、米国市場の終盤にはローゼングレン・ボストン連銀総裁は「利下げを支持せず」との発言を意識したのか、1.1070台まで続落。結局は前日の大枠1.1065~15のレンジの範囲を抜け出せず。

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中国人民銀行
◎新たな最優遇貸出金利の公表を開始
◎優良企業向けの優遇金利との位置づけで、銀行貸し出しの新たな指標となる金利を公表へ。
◎は最優遇貸出金利(プライムレート、LPR)。LPRそのものは2013年から毎日公表しているが、それを衣替えする。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48722470Z10C19A8EA2000/

ローゼングレン・ボストン連銀総裁
◎米経済情勢は依然として好調で、利下げは懸念すべき借り入れの増大につながる恐れがあるため、利下げを支持する意向はない

ショルツ独財務相(18日)
◎ドイツには将来の経済危機に総力を挙げて対処する健全な財政があり、最大500億ユーロの追加支出が可能。

レーン・フィンランド中銀総裁
◎ユーロ圏の中期インフレ率がECBの目標を下回った場合、ECB理事会は断固として行動を起こす
◎われわれは現在、政策金利を巡るフォワードガイダンスを強化する方法やマイナス金利の影響の軽減などの選択肢のほか、新たな資産買い入れ策の規模や構成内容について検証している。

米財務省100年債発行を検討
◎債券市場で米国債イールドカーブは逆転から遠ざかった。米政府が100年債の発行を検討していることが分かり、長期債に売りが出た。

トランプ氏(米国内から世界経済を視野に?)
◎ドルは「あまりに強いため、世界の他の地域を傷つけている」
◎米金融当局をあらためて批判し、世界経済を支援するため政策金利を1%引き下げ、恐らく何らかの量的緩和も伴うべき。

ロス商務長官
◎FRBの金融政策によるドル高は非常に不快

欧州委員会報道官
◎合意なきブレグジットを望まないが、あらゆる不測の事態に備える

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