2019/08/07

2019年8月7日(水)昨日6日、海外市場の動き(午前五時半ごろ)

2019年8月7日(水)昨日6日、海外市場の動き(午前五時半ごろ)


米株は300ドル超の上昇となるも、米債利回りは上昇幅を維持できず、10年債利回りは1.71%と前日とほぼ変わらず不安感はぬぐい切れず。為替相場は、欧米市場に入り株高の中でも動きは予想外に緩慢。

為替相場は、先の米国による対中制裁関税の第4弾に続き、米国は中国を為替操作国に認定したことで中国による報復を意識したリスク回避行動が一時強まるも、人民銀行総裁は否定し、人民元の基準レートを1ドル=6.9683元に抑制したこともあり、やや落ち着く。(ただし、市場は0.700の大台を超えて取引が続く)。

リスク回避の巻き戻しにJPY+CHFは弱く、CADは原油価格の低迷とカナダの株安に、弱さが目立つ。逆にAUD+NZDは前日比で大きな変化は見られないが、GBPはブレグジットリスクをめぐり他の材料が薄らぐと売り圧力は変わらず。

NZDUSDは、早朝の雇用統計は 失業率は低下、就業者数は増加、単位労働コストは上昇し平均時給も強く0.6589まで上昇するも、NZ中銀インフレ期待が弱く、今日のNZ中銀の利上げ期待も強く続かず、結局は前日終値とほぼ同水準の0.6520台へ。

AUDUSDは、早朝にNZDUSDの上昇の影響を受け0.6750をボトムに上昇、豪中銀は政策金利の据え置きを予想通り決定し、ロウ総裁の声明では追加緩和のリスク、成長拡大の可能性、インフレ伸び悩みを示唆と強弱混在で欧州市場の序盤は株高の影響もあり、一時0.6800台まで上昇。これをピークに米国市場の終盤では0.6753まで下落と、これも前日終値とほぼ同水準の0.6750台へ。

USDJPYは、日本を含め中国、東南アジアの株価の上昇と、人民元基準値の0.70以下の設定に円ロングの巻き戻しが加速し、アジア市場では一時107.09まで上昇。ただし、欧米市場では株高の流れの中で、米債利回りは上昇傾向を維持できず、リスク回避の動きも払しょくできず。結局は大枠で106.25~65の狭いレンジで推移と、最近の急激な相場変動ではやや不思議な展開となった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

22:45    USD 7月 総合PMI・確報値=52.6(予想51.6 前回51.6)、サービス業・確報値=53.0(予想52.3 前回52.2)→ 予想を上回る

23:00    USD 7月 ISM非製造業景況指数(総合NMI)=53.7(予想55.5 前回55.1)→ 予想と前回を下回り3年ぶりの低水準で非製造業部門の成長が鈍化していることを示唆

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

エール大のローチ氏(ブルームバーグ)
◎米国債大量売却の可能性は排除できないことが示されている
◎ほとんどの人は中国が通貨という対抗手段を使うとは思っていなかったが、的を絞って実際にそれを使用したため、中国が他の選択肢を検討する可能性は考えられることであり、米国債という選択肢を排除することはできない。
◎中国は「豊富な弾薬」を持ち、トランプ米大統領よりも長い時間枠で動いている
→ 人民元が約10年ぶり安値に急落したのを受け、アナリストや投資家は1兆1000億ドルに上る中国の米国債保有残高に用心深い目を向けている。

中国人民銀行(ブルームバーグに向けた声明)
◎外国企業に対し、人民元の大幅な下落は続かない、5日には2008年以降で初めて人民元が1ドル=7元の水準を下回ったことに対して。
◎人民銀は北京で外国の輸出業者多数との会合を持った。会合で当局者らはまた、ドルを売買することも通常通りに可能だと伝えた。
◎声明では、中国が通貨を米国との貿易戦争の武器として使うことはないという易綱総裁の言葉を繰り返している。

トランプ大統領(ツィート)
◎米中貿易戦争をめぐる懸念で、米国が「極めて強い立場」にある
◎安全性、投資や金利がその背景あり、巨額の資金が中国や世界のその他諸国から米国へと流入している。
◎我々は極めて強い立場にある、多くの企業が米国内に戻ってきている、素晴らしいことだ。

トランプ大統領
◎グーグルが自身に関する悪いニュースを広めているとして、再び同社への非難を展開

モルガン・スタンレー最新リポート
◎9月1日から3000億米ドルの中国製品に10%の関税を上乗せた場合、中国の2019年第4四半期GDPは6.2→6%に鈍化と下方修正。
◎ほぼすべての中国製品に対する25%の追加関税が4-6カ月間継続し、中国も反撃した場合、19年第4四半期のGDP成長率はさらに5.7%に低下へ。

サマーズ元米財務長官
◎中国人民元に対してドルを押し下げる目的で米国が為替市場に介入すれば、米国の信用に傷が付く。
◎米財務省がFRBの支持を得ずに為替市場で人民元買いの介入に踏み切るとは想定していない、そのような行動は現在の財務省の意思決定が常軌を逸していることを露呈する。
◎英国がEU離脱後に米国と通商合意を成立させようとしても、そう簡単に交渉はまとまらない

歴代FRB議長4名がトランプ大統領に抗議。
◎イエレン、バーナンキ、グリーンスパン、ボルカーの歴代議長4名がWSJ紙に連名で論説し、政治的圧力や幹部解任の脅威を受けながら金融政策当局が責務遂行を目指す状況はあってはならないと訴えた。  
ナバロ大統領補佐官
◎FRBは追加利下げすべき

クドロー国家経済会議(NEC)委員長
◎トランプ大統領が中国との協議継続を希望しており、合意を目指し9月に中国の交渉団を招く計画。
◎トランプ米大統領は中国との交渉継続で、正しく合意すること望んでいる
◎米国は中国人民元の下落を容認できず
◎中国が米国の関税発動を回避するには譲歩する必要がある
◎関税による経済への負担はほぼ100%中国にふりかかっている
◎2020年の米大統領選の結果を中国が待っている可能性があるが、持久戦に持ち込めば中国の景気が悪化するだけ。

デーリーSF連銀総裁
◎次の動きを考察する上で対中貿易摩擦を注視
◎先週利下げしたときには貿易を巡る不透明感は落ち着くかのように見えたが、今は再び持ち上がっているが、こうした状況は過去にもあった。
◎景気鈍化の強い証拠なければ、積極的な利下げは保証されない
◎米国経済がリセッションに陥るとはみていない
◎貿易からの逆風、他の中銀による利下げの動きが続けば米金融当局の利下げも正当化へ。

ブラード・セントルイス連銀総裁
◎今後何年も不安定な世界貿易環境に縛られかねない
◎FRBが貿易交渉を巡る日々の駆け引きに合理的に対応することは不可能だ
◎先の利下げが景気をどの程度下支えしたかを見極めるにはもっと時間が必要
◎追加利下げの要否と時期に言及するのはまだ早い
◎6月から自身の見通しが劇的に変わったとは思わない
◎リセッションの兆候はみられない。
◎貿易情勢が世界的な投資と成長の重し
◎貿易摩擦巡る応酬にFRBは対応不可能

バラッカー・アイルランド首相
◎英国と欧州連合(EU)に対し、離脱期日までに、英国とEUの将来的な関係を定義する共同政治宣言に含まれる代替的な取り決めに関する条項について協議するよう呼び掛けた

ラーブ英外相
◎英国は依然としてEUとの合意を望むが、合意の有無にかかわらず10月31日にEUから離脱する。
◎ブレグジットは英国とカナダがより緊密になる新たな機会与えよう

EU報道官
◎合意なき離脱は我々が望む選択肢ではないが、それに対する準備行っている
◎今後数週間に英国とブレグジットについて協議すること引き続き可能

サルビーニ・イタリア副首相
◎公約している投資や減税を実現するのであれば、政府が2020年の財政赤字をGDP比2%未満に抑え込むことは不可能。
◎政府は財政赤字の対GDP比率の来年の目標を引き下げるべきではない

米エネルギー情報局(EIA)短期エネルギー見通し
◎2019年の世界の原油消費量予測を7カ月連続で引き下げた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


米財務省
◎中国を為替操作国に認定

中国人民銀行
◎米国が中国を為替操作国と認定したことに反発、「国際金融秩序に深刻な打撃を与え、金融市場に混乱をもたらす」と指摘した。

英政府高官
◎EU離脱協定は、EUが再交渉に応じれば積極的に合意を目指す用意があり、豪なきEU離脱が英政府のメインシナリオ。
◎英政府高官は、こうした見方を否定。ただ、英国の離脱協定案は英議会で3回にわたって否決されており、ジョンソン新首相が同じ協定案を再び採決にかけることはできない点をEUが理解する必要があると主張した。

豪中銀金融政策
◎予想通り政策金利1.0%の据え置きを決定

ロウ豪中銀総裁の声明
◎貿易と技術の紛争によって生じる不確実性の増加は投資に影響
◎世界経済へのリスクが依然として下向き
◎主要国ではインフレ率は低水準で失業率は低く賃金の伸びは回復。
◎世界経済の継続的な下振れリスクと抑制されたインフレに多くの中銀は今年利下げをしており、さらなる緩和が期待できる。
◎豪経済は予想より弱く、長期にわたり低成長と住宅価格の下落に家計消費が圧迫。
◎豪経済は徐々に回復されると予想、主要シナリオは2019年2.5%、2020年に2.75%の成長を予想。
◎インフレ圧力は抑制されたままであることを確認。インフレ率は1.6%で徐々に上昇する中心的なシナリオは残っているが、2%に戻るまで時間がかかる可能性があり、2020年2%未満、2021年に2.0%をわずかに上回ると予想。

ナバロ米大統領補佐官(通商製造業政策局)
◎操作国認定に続く最初のステップは、IMFと米国が協力すること。
◎中国の介入を相殺する目的で米国が対抗できる手段が存在する。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※