2019/08/18

今週の為替相場を考える(8月19~23日)

今週の為替相場を考える(8月19~23日)

世界的低下傾向が続く債券利回り。為替相場は金利に大きく影響されることは周知の事実で特に円相場と相関関係が高い、米10年債利回りが1.5%を割り込み、10年と2年債利回りが一時逆転するなど、債券利回りの低迷がより深刻度合いを高めており、リセッションのリスク(本当かは不明?)を指摘する声も多い。

米金利の低下=ドル安なのだが、この流れは世界的現象で、英国やカナダでもこの現象が起きており、独30年債利回りは一時マイナスへと下落するなど世界的な動きで別に米国特有の動きではない。

ブレグジット、イタリア、米中通商協議、イランと米国の対立、香港デモ激化、ドイツの景気後退リスク等、世界を取り巻くリスクが多い。世界経済や政治的にも不透明感が強い中で、世界の外貨準備の多数を占め、中国が米債の購入を減らす動きに対して日本がそれを埋め合わせる中で、ドルが強い要因の一つともなっている。

今週は主な材料でも書いているが、為替相場に大きな変化を生じさせる可能性がある材料として、パウエルFRB議長のJH講演が重要であることは間違いなく発言の結果を受けた相場変動を意識せざるを得ない。

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USDJPY 市場のリスク材料を気にしながら、105~107、106~108円をいずれかを選択。

円高局面が続く中で、105円割れを失敗した反動で底堅い動きとなっており、06.00をボトムに円弱気派も見られる。ポジションを考えれば米債利回りの低下が続き円ロングのポジションが多数残っている可能性もあり、105~107円のレンジから上値を試す動きを意識せざるを得ない。

パウエルFRB議長の講演でのサプライズや、先に示した各種リスクが顕在化しリスク回避で、特に米中通商問題でネガティブ材料が出れば円買いが選択され即円高へと動く可能性もあるが、それがなければ75日MA=108.30近辺を超えないと信じ市場が円ベアになるまで待ってから円ロングの選択も視野に。


EURUSD  1.1020~1.1220のレンジを予想

過去数週間は大枠で1.1050~1.1250の200ポイントレンジで推移。米国のEUR安けん制発言もあり一時EUR買いが選好するも失敗。独経済の伸び悩み、欧州経済全体の伸び悩み、ブレグジットリスク、イタリア政局不安、ECBの年内1~2度の緩和期待。取り巻く環境はポジションショートの巻き戻し以外でEUR買いを見つけることは難しく、EURUSDで1.100の大台を試したくなる。


USDCAD 1.3200~1.3350のレンジで1.3300台は売り。

過去5週連し陽線ながら、過去2週で1.3300台の売りに上値は重くなっている。9日のカナダ雇用統計では失業率は上昇、雇用者数は予想外のマイナス、労働参加率は小幅低下と弱さが目立っていた。原油価格は50ドルをボトムに反発するも直近では55ドルを中心とした動きで、原油高=カナダドルに結びつかず。ただ、政策金利1.75%は米国に次いで主要国内では高く直近では利下げ観測も見られず。リスクとしては21日予定のカナダCPIの前年比は予想1.7% 前回2.0%と弱い数字が予想されており、これが気がかり材料。


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