2016/11/13

今週の為替相場を考える(11月14日~18日)

今週の為替相場を考える(11月14日~18日)

米国民はトランプ氏を次期米大統領に選択。信じられない選挙結果や、選挙前の毒舌に反し、あまりにも、まともで紳士的な勝利発言に戸惑い、大波乱の渦中で先週は幕を閉じています。

リスク回避の巻き戻りもあり、選挙公約でもある、減税、規制緩和、閉鎖的貿易、移民の規制を先読みした動きで、金利は上昇、米株も強含みで推移し、ドル選好の流れがとなっています。

これらの結果を受けたドル高の流れの中でも、米国経済に対して「強気派と弱気派」が混在し、今後のトランプ・リスクを警戒する発言も完全に払しょくできてはいません。

そのような状況の中で、トレンドのあるドル高のスタートと考えるには、あまりにも不確定要素が多すぎるのが現状です。はたして、この流れはいつまで、どこまで続くのでしょうか? あるいは真のドル高の始まりなのでしょうか?

今週の為替相場は、方向性としては、「金利上昇+株価の安定=ドル高傾向維持」の方程式を支持したいと思いますが、過去に例のない米大統領選の結果だけに、疑心暗鬼の中で、自信をもって「ドル買い」とも言い切れないのが実情です。

そのため、上下に変動しやすく、幅の広いレンジ相場に入る可能を意識しています。

今週は、17日のイエレンFRB議長の議会証言で12月の利上げ観測と、政権移行メンバーが誰を政権担当者に任命するか、今後の政策などう変わるのかを確認する週になりそうです。

それにしても、17日の安倍・トランプ会談では何を話し合い、何を妥協しようとしているのでしょうか? 気になります。

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY【予想レンジ 105.00~107.50】

日米金利差の拡大+「株高=円安」の動きからは、円売りに分があり、今後の日米貿易問題(米国の保護貿易)+「米金利上昇=新興国経済の悪影響」からは円買いに分があり、テクニカル的な要因に頼らざるを得ない面が強くなっています。

Daily、Monthlyチャートからは107.00~50近辺が重要なポイントで、この水準をクリアし上昇できるのか? 逆にできなければ、今回のステージでドル買いが始まった水準にあたる105円までの調整も視野に入れておく必要があります。


◎EURUSD【予想レンジ 1.0700←1.0800~1.1100】

英国のEU離脱による激震もようやく癒えてきた昨今。今度は次期米大統領にトランプ氏が決まり、来年に総選挙等を控えたユーロ圏各国は次のリスクに振り回される可能性も否定できません。

最近は1.0800~1.1300のワイドながら安定している為替相場も、EURGBPが売りに変化し、EURCHFも続落するなど不安定要因もあり、1.0800を割り込むと緩やかな下げトレンドに変化するリスクも気になります。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.2000~1.1300→1.1400】

ドル全面高の中で、孤軍奮闘とでもいうのかGBP買いが目立っています。英裁判所がリスボン条約50条発動には議会の承認が必要との判決を下し不安定要因となっていますが、ポンド安により英国の成長とインフレ見通しが強まり、経済面の弱気ムードを相殺しています。

1.1300、1.1400、1.1500と大きな壁に上値は抑えられてはいますが、1.2000をボトムとした最近の上昇傾向はドル高の中で特筆する値動きと言えそうです。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7400←0.7500~0.7700】

原油安やトランプ次期大統領選出により中国リスクもあり、売り圧力が続いていますが、豪中銀の追加緩和の可能性が弱まったこともあり、下落傾向は予想外に穏やかです。

直近の値動きでは0.7500をボトムに下げ止まり、0.7500~0.7800のレンジに入っていますが、今週はレンジ下限の0.7500を維持できるかが重要となっています。テクニカルでは0.7500を割り込むと0.74割れまでの続落の可能性も考えなければなりません。


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