2017/04/30

今週の為替相場を考える(5月1日~5日)

今週の為替相場を考える(5月1日~5日)

ユーロとポンドの上昇は、今後の上昇相場への転換なのか? 豪ドル、NZドル、カナダドルの売りはいつまで続くのか? そして、円は米国の意向に逆らいながらも円安がどこまで続くのであろうか?

いずれにしても今週は、相場変動が高まる仏大統領選の決選投票と、米FOMC、そして、米雇用統計が控えている。これらに起因する相場変動が高まる可能性を含め、日本がゴールデンウィークに入り、多数の重要な米経済指標、NZとカナダの雇用統計、豪中銀の金融政策など多い。(詳細は「今週の主な予定」をご覧ください)。

仏大統領選はマクロン氏の勝利を先取りしたユーロ買いが進んでおり、すでに十分織り込み済みで、事前ではルペン氏との支持率の差、結果では得票差を注目。FOMCは金融政策の据え置きに間違いなさそうだが、6月の利上げを示唆する発言の有無。米雇用統計では、季節的要因で減少した前回の非農業部門雇用者数が、どこまで増加すること、そして賃金の上昇の有無が争点。

4月25日のCFTCのIMM通貨先物のデータでは、円は-26,869コントラクトと前週から逆にショートが微減、USDJPYの上昇に反して一向に円のショートは増加せず。ポンドは-91,182コントラクトと前週から8,308ショートが減少するも、先週のポンド急騰を考えれば不思議で、ショートカバーも終了しているか疑問で、ましてロングに変化しているように思えず。さらなる上昇の可能性を秘めている。

豪ドルは、主要通貨で+42,702コントラクトと唯一ロングを維持するも、AUDUSDが下落基調を続けるという、ポジションの偏りと相場の変動が真逆の動きとなっている。結論から言えば、トレンドを目指しているというより、現在の為替相場の変動についてゆくことができない市場参加者が多いことも考えられる。

FXオプションでは、仏大統領選が終わった直後から、オプションのボラティリティは拡大から急速に収束に向かい、リスクリバーサルでは、USDJPYはドルプットオバーで変わらないが急速に縮小へ。GBPUSDとEURUSD1週間はコールオーバーへと変化している。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】



◎USDJPY【予想レンジ 110.50~112.30→続伸】

USDJPYは、3月31日の高値112.20が上値の重要なポイントで、110.50~112.20円のレンジへ収まる可能性が高いが、円ショートの積み上がりも見られず、クロスでの円売りが加速し112.20~30を超えるとさらなる上昇へ。

EURUSD+GBPUSDの上昇による、EURJPY+GBPJPYの買いが円売り圧力を強めている。クロス円を見ると、EURJPYは120.50~122.00のレンジへ、GBPJPYは114円台へ上昇し、145円の大台を試す動きへ。AUDJPYはコア83.00~84.00のレンジで、83円割れは買いへ。

USDJPYは、週終値ベースでは3月24日週の111.36を上抜けするも、大きな目では大枠108~111.50のレンジの上限近くをかろうじて維持している。テクニカルでは上昇トレンドへ入り、ゴールデンウィークの実需筋不在(輸出)の間に上値を試す動きや、事前の円ショートの動きも予想される。


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◎EURUSD【予想レンジ1.0800~1.1000】

EURUSDは、仏大統領選の決戦投票を週末に控えて、マクロン氏勝利の可能性を織り込みながら、1.0800-50~1.0950のレンジを維持する可能性が高い。上値では1.100の大台を試せるのか、逆に1.0800を割り込むとストップの売りが強まることが予想される。EURGBPは0.8530台を高値に0.8410台まで続落していることもあり、EURUSDの上値を抑えている。

週終値ベースでは、トランプ氏が次期米大統領に選出された昨年11月11日週の水準まで上昇しており、重要なポイントに差し掛かっているとも判断でき、上値が重くなる可能性も意識したい。


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◎GBPUSD【予想レンジ1.2850~1.3050→続伸】

GBPUSDは上昇傾向が止まらず。メイ首相の総選挙実施で政権安定=EU離脱プロセスの安定期待から始まったポンド買いの流れは止まらず、1.2900の壁を超えて続伸し、1.2750を底値に1.3000の大台を目の前にして狙う動きへ。

週終値ベースでは、ポンドのフラッシュ・クラッシュが発生した昨年10月7日以来の、記念すべき(?)水準へと上昇。1.30台乗せで目先の目標達成で売りへ変化する可能性もあるが、ポジション的にポンドショートからロングへと変化しているかは疑問で、引き続き押し目を買う動が強いと思われる。


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◎AUDUSD【予想レンジ0.7450~0.7600】

AUDUSDは、期待を裏切る弱さが目立つも、0.7450割れでなんとか下げ止まる。EURAUDやGBPAUDの影響を受ける面もあり、EURUSDやGBPUSDの相場変動の影響を受けやすい。つまり、GBPUSDの上昇時には、逆にAUDUSDが売られる動きが強まり、逆にではAUDUSDの買いになりやすい。

週終値ベースでは1月13日の週以来久々に0.7500の大台を割り込み、テクニカルでは続落を考えやすいと理解するも、大きな目では大枠0.7500~0.7700のレンジの下限をなんとか維持しているように思えてならない。2日の豪中銀金融政策が相場の転換につながるか注目したい。


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