2018/11/11

今週の為替相場を考える(11月12日~16日)

今週の為替相場を考える(11月12日~16日)

米中間選挙の結果は大方の予想通りで、民主が下院を制し、上院は共和党が制する結果となり、政治的な分断が確定してはいるが、株、債券、為替相場を見ると予想外に冷静としか言いようがない。

最近の経済指標は世界的な好景気もピークアウトしている可能性を示している中、FOMCを見ても米金利は上昇傾向が維持される見通しで、米国と他国との金利差拡大を考えれば引き続きドルに分がある。

逆に、中間選挙後のトランプ政権の政策を考えれば、対外的圧力を強め通商面では圧力を強まる可能性が容易に推測できる。貿易問題だけをテーマにすると、大きな対米黒字を抱える国がターゲットにされる可能性が高い。

肝心の中国政策では、ナバロ米通商政策局長は、「中国と通商問題で合意するよう圧力をかけようとしている金融業界の現幹部や前幹部は未登録の「外国のエージェント(代理人)」だと厳しく批判しトランプ大統領に語る。このことからも、米国の対中政策をめぐるホワイトハウス内で一枚岩ではなく今後の駆け引きを注目したい。

USDJPYは、日米間の金利差拡大による円安要因に対して、日本は膨大な対米貿易黒字にあることは事実で、今後の通商協議で自動車問題や為替条項の可能性を考えればどこに妥協点を見出すことができるかが問題に。安易に円安相場だけを意識することも難しくなり、115円台を容易に上回る円安相場を描くことも現時点では難しい。

EURUSDは、13日の結果を受けた相場変動に要注意!
メルケル独首相の指導力低下、欧州委員会はイタリアの2019年予算案は、EU財政規律に反しているとして13日までに修正を要請するも、先週末時点ではイタリアは応ぜずどうなることやら! 政治的リスクは消えず、ECBも容易な早期利上げ期待も見られず。EURUSD相場が一方的に下落するとは考えにくいものの、現状では下値を試す動きは止まらず。

GBPUSDは、13日を含めブレグジット協議の合意の有無を要注意! 
ブレグジット協議では、英タイムズ紙は「ブレグジット合意文書を12日の閣議で検証し、13日に公表する見通し」とあった、反面、ユンケル欧州委員会委員長は「ブレグジット交渉は難航している」とネガティブ。一日を通じてもブレグジット協議を材料にして上下変動する動きも多く、下値を試すリスクは引き続き強いが極端な売りも考えにくいが、ブレグジット協議の結果次第で大相場の可能性も!

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USDJPY
Daily=114円台まで上昇するも、10月上旬の114.50台を超えられず失速。113.50~114.30のレンジに収まる可能性が高い。

Weekly=111.50~114.50レンジ相場から2週連続して陽線引けで上限を試す動きを継続中。基本的に円高局面で買い。

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EURUSD
Daily=1.1300~1.1500のレンジの下限を試す動きで、10月末の1.1300をボトムに下げ止まることができるか? 再び今後の相場を占うポイントでイタリア予算案をめぐる動きを材料にして変化する可能性も。

Weekly=Dailyと同じく1.1300~1.1500のレンジ相場が続きそうだが、イタリア予算案とECBの変化を注目。

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GBPUSD
Daily=1.3170台の高値から1.3000の大台を割り込み下落するも、10月末の1.2700割れからは回復傾向を維持し、ブレグジット交渉のネガティブ・ポジティブ発言に翻弄されながらも、13日を含め今後の交渉結果次第で結果を受けたら素直に反応へ。

Weekly=1.2800でボトム感が出るのか、上昇局面では売りが継続していることが確認でき、11月のブレグジット協議の合意の有無がはっきりするまで1.2700~1.3200のレンジ相場に陥りそうだが。

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AUDUSD
Daily=0.7000は真のボトムなのか、米中貿易戦争は継続するも両国が再接近を図りつつある動きも気にある。中国経済の鈍化の終息期待を込めれば、0.7150~0.7300のレンジへ。

Weekly=期待はボトムアウトながら、0.7300台をクリアに維持して週ベースで終わらない限り確認できず。

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USDCAD
Daily=カナダドル高期待も空しく、1.3050~1.3150のコアのレンジを上抜け、米国によるUSMCAの変更を求める動きや原油価格の急落にカナダドル安が続く。

Weekly=10月5日の週の安値1.2782から6週連続で陽線引け。先週は1.3207と6月22日の週以来、21週ぶりに1.32台で越週。これで新たなカナダドル安のレンジ相場に入るのか? 逆に1.32台の終値は一時的で売り変化の可能性も否定できず。

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過去3週間の前週比での変化率のグラフです。
ご参考までにご覧ください。