2018/11/04

今週の為替相場を考える(11月5日~9日)

今週の為替相場を考える(11月5日~9日)

米中間選挙の結果を見ずに相場の動きは語れず! 為替相場はファンダメンタルズやテクニカル以外に、今週は米中間選挙で上下いずれの方向にでも変化することを前提に考える必要がありますので、今週のレンジ予想は割愛します。

今週は今週の主な材料で記している通り、11月6日の米中間選挙と8日のFOMCが主要なテーマとなっています。重要度から言えば中間選挙の結果による相場変動が桁違いに大きくなる可能性が高く、選挙結果を予想して通貨オプションや両建ポジションでリスクを取り事前に動く手段もありますが、安全策を考えれば日本時間の7日の結果を待ってから動くことになりそうです。

上院は共和党有利、下院は民主党有利と下馬評通りの結果以外となれば、圧勝なのか僅差での勝利なのかによっても変わってきます。予想外の結果となれば米国内外の政治的な動きと合わせ、8日のFOMCへの影響、米中貿易戦争の休戦の有無など、相場変動が大きくなることは容易に想像できます。

市場のコンセンサスは勝ち方の度合によっても異なると思いますが、概ねこのような状況ではないでしょうか?
◎上院共和党勝利+下院民主党勝利=トランプ氏やや不利ながら株価+米金利の低下は一時的で、ドル売りも一時的にとどまる。
◎上院+下院共に共和党勝利=トランプ氏有利で、株価+金利上昇で政局安定、トランプ政権の政策実行にドル買いへと動きやすい。
◎上院+下院共に民主党勝利=トランプ氏不利で、トランプ政権の政策遂行できず、株安+金利低下でドル売りへと動きやすい。

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USDJPY 

円相場は、米金利と株価の影響を強く受けるため、他の主要通貨より、米中間選挙の影響を受けやすく上下いずれの方向にでも変化することを前提に考える必要があります。(議席数の差によっても変わってきます)

共和党が上下院で共に圧勝すれば、113~115円のレンジを予想。
民主党が上下院で共に圧勝すれば、110.50~113.00のレンジを予想。
上院共和党、下院民主党と分ければ、112.00~113.50のレンジを予想。

IMMのポジションでは円ショートは変わらないものの、前週比では若干ながら円の買い戻しが確認されており、オプションのリスクリバーサルでも円コールオーバーで、USDJPY相場が底堅い割には、積極的な円安傾向を意識しているように見えません。

先週は、相変わらず株価連動の円相場で、数週間前の大枠111.50~113.00のレンジから、先週は大枠112.50~113.50のレンジで円安にスライド。GBPJPY、AUDJPY、NZDJPYも大幅な円売りへと変化し、NZDJPYは本当に重要なポイントの75.50円に再接近し、トップアウトするのかブレークし新たな円安レンジへと動くのかを注目。

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EURUSD

イタリア予算案をめぐりEUとイタリアとの対立や米中間選挙の如何にかかわらず、EURUSDは1.1300が引き続き重要なポイントで、8月中旬に1.1300を死守して1.1800まで反発を再現できるか? 逆に1.1300を割り込み、昨年6月下旬の水準を割り込み大幅なEUR売りへとなるか? 米中間選挙の結果次第!

IMMのポジションではユーロショートは変わらず、5週連続して前週比でショートが拡大中で、予算案をめぐりイタリアとEUとの対立が主要因に。 オプションのリスクリバーサルではEURUSDの続落傾向にもかかわらず、ユーロプットも弱まりつつあり米中間選挙を意識しているか、市場参加者のEUR相場に対して悲観的な見通からやや変化が見られます。

先週は、重要なポイントの1.1300を何とかサポートし一時1.1450台へ反発。ただし、終値ベースではEURGBPが一週間を通じて0.8940→0.8760まで珍しく大幅に下落した影響もあり、1.1400を超えられず。


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