2018/11/03

2018年11月3日(土曜)2日、海外市場の動き

2018年11月3日(土曜)2日、海外市場の動き

週末金曜日、為替相場は、米中貿易戦争の休戦期待にアジア・欧州市場の株高+ドル売りから、休戦否定報道や強い米雇用統計後の米利上げ期待拡大に、米株安+米債券売り(利回り上昇)となりドル買い変化。結局は前日比で大きな変化とならず、円安だけが目立っている。

米中貿易戦争は休戦できるのか! トランプ大統領の「中国との貿易合意の草案作成を重要閣僚に指示」発言に米中貿易戦争は休戦へと方向転換したかと思えば、カドローNEC委員長+CNBC記者から否定報道が流れ真実はやぶの中。

米貿易赤字は拡大。強い米雇用統計に米利上げ期待度は上昇し、ダウは+200ドル近い上昇から-109.91(-0.43%)で終了、米10年債利回りは前日3.1303→3.212%へと大幅上昇。ただし、アトランタ連銀GDPナウ=米第4四半期GDP見通しは2.9%と3.0%を割り込むのが気になる。

米失業率は3.7%と変わらず49年ぶりの低水準を維持、平均時給の前年比は3.1%(前回2.8%)と9年ぶりの伸びで、非農業部門雇用者数は25万人と予想外に増加(9月下方修正、8月上方修正)、米貿易赤字は-540億ドル(前回-533億ドル)と予想を上回り7か月ぶりの高水準で対中赤字は過去最高へ。

カナダ雇用統計は雇用者数1.12万人(予想1.5万人、前回6.33万人)と予想外に減少し、同時刻に発表された強い米雇用統計も加わりカナダドル売りが一時加速し、USDCADは1.3060台→1.3110台へと上昇。その後も底堅く推移し1.3120を高値に1.3010で終了。

欧州では、10月の独とユーロ圏製造業PMI確報値は速報値から下方修正され約2年ぶりの低水準となり、キール世界経済研究所(IfW)は、第3四半期のドイツの経済成長率について、0.3%程度縮小した可能性が高いと発表。欧州経済も伸び悩み気味。

EURUSDはアジア市場での1.1391をボトムにアジア、欧州市場では米中貿易戦争の休戦を意識し弱い製造業PMIにも関わらず1.1456まで上昇。これを高値に米雇用統計の前から売りへと変化。米雇用統計後は1.1431を高値にアジア市場の安値を割り込み1.1372まで続落し1.1387で終了。

USDJPYは、株価と連動は変わらず。アジア市場では早朝の112.56をボトムに、トランプ大統領が「中国との貿易合意の草案作成を重要閣僚に指示」との報道が引き金となり株価は急伸=円売りが加速し113円台を突破。欧州市場では113円台のドル売りに圧力と米雇用統計前にポジション調整に一時112.72まで値を下げるも、強い米雇用統計を受けた米株安+米金利上昇の強弱材料に、112.70台から113.090台で上下変動しながらも、オプションカット+フィキシング時間でも上昇、クロスでの円売りや米債利回りの上昇の影響なのか113.32まで続伸し、113円台を維持し113.19で終了。

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USD    21:30    USD 10月 雇用統計:失業率=3.7%(予想3.7% 前回3.7%)、非農業部門雇用者数=25.0万人(予想20.0万人 9月13.4→11.8万人、8月27.0→28.6万人)、労働参加率=62.9%(予想62.7 前回62.7%)、時間当たり賃金=27.3ドル(予想 前回27.24ドル)、平均時給=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.3%)、平均時給=前年比3.1%(予想3.1% 前回2.8%)、平均週間労働時間=34.5時間(予想34.5 前回34.5→34.4)

USD    21:30    USD 9月 貿易収支=-540億ドル(予想-535億ドル 前回-532→-533億ドル)→ 予想を上回り7か月ぶりの高水準、対中赤字は過去最高へ

CAD    21:30    CAD 10月 雇用統計:失業率=5.8%(予想5.9% 前回5.9%)、雇用者数=1.12万人(予想1.5万人 前回6.33万人)、フルタイム=3.39万人(予想2.0 前回-1.690万人) パートライム=-2.26万人(予想-0.41 前回8.02万人)、労働参加率=65.2%(予想65.4 前回65.4%)

CAD    21:30    CAD 9月 商品貿易収支=-4.2億カナダドル(予想2.0億カナダドル 前回-5.3→-5.5億カナダドル)

USD    23:00    USD 9月 製造業新規受注=前月比0.7%(予想0.5% 前回2.3→2.6%)、除く輸送機器・前月比0.4%(予想 前回0.1→0.4%)→ 予想を上回る

USD    23:00    USD 9月 耐久財受注・確報値=前月比0.7%(予想 前回0.8%)、除く輸送=前月比0.0%(予想 前回0.1%)

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【北米】
トランプ大統領(ブルームバーグ・関係者)=中国との貿易合意の草案作成を重要閣僚に指示。 エスカレートする貿易摩擦の休戦を示唆するような合意の文書の草案を策定するように指示、複数の省庁関わるとのこと。

トランプ大統領=米中通商協議はこれまでに大きく進展、両国は非常に良好な通商協定を締結できるとの見通し。

カドロー・国家経済会議(NEC)委員長(CBNCインタビュー)=トランプ政権が当局に対中貿易協定案の策定を指示した事実はないと否定。米中2国間の交渉の行方について、以前ほど楽観視していない。米中首脳会談はG20に合わせて行われ通商問題が議題になり、協議の結果次第で中国製品にさらなる関税をかけることはあり得る。

CNBC記者(ツイッター)=ある高官の話として、トランプ大統領が中国との貿易合意草案を用意しているという報道を否定。

アトランタ連銀GDPナウ=米第4四半期GDP見通しは2.9%と3.0%を割り込む

米政府=米牧師釈放を受け、トルコ2閣僚への制裁解除。

【欧州】
ECBストレステスト(健全性審査)=マクロ経済上の衝撃に耐える力が2年前と比べて増したことが確認。

レーン・フィンランド中銀総裁=ECBは必要なら貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)を含めあらゆる政策手段を活用

キール世界経済研究所(IfW)=第3四半期のドイツの経済成長率について、0.3%程度縮小した可能性が高い。

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