2018/11/09

2018年11月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前5時半ごろまで)

2018年11月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前5時半ごろまで)

ドル全面高! FOMCは予想通り金利を据え置き、漸進的な利上げを継続するとの方針を維持。

ドル円一時114円台へ、米株は下落するも、米金利は高止まり、原油価格は60ドル台へ下落。為替相場の変動はFOMC、ブレグジット、イタリア経済見通しと予算案を意識し、基本的には米中間選挙前の政治的リスクも薄れ、ドルは主要国に対して全面高でドル買いが強まる。

FOMCは、政策金利2.0~2.25%の見送りを全会一致で決定、12月の利上げ姿勢を維持。声明で、経済活動が力強いペースで上向いてきたことを示唆し、先行きさらなる漸進的な利上げを継続するとの方針を維持。

ブレグジット交渉では、英タイムズ紙「ブレグジット合意文書を12日の閣議で検証し、13日に公表する見通し」とするも、ユンケル欧州委員長「ブレグジット交渉は難航」とある。

イタリアの予算案をめぐりリスクに加え、欧州委員会はイタリアの成長見通しを引き下げ、財政赤字が対GDP比率を引き上げる。トリア首相は「欧州委は技術的な誤りを犯した」とある。また、イタリア連立政権内の対立に連立が崩壊する可能性が一時あったことが表面化。

午前5時半ごろでは、米株は上昇からFOMC後に下落、ダウは前日比-2.6%近くで推移。米10年債利回りは一時低下するもFOMC後に再上昇して前日とほぼ同水準の3.23%台で推移。原油価格(WTI)は一時62.42ドルの高値から60.60を割り込み推移。

USDJPYは、FOMCを前にして欧州市場は113.60~75のレンジで推移。米国市場に入り、米株の上昇に伴いアジア・欧州市場の高値を上回り、前日の高値113.82を上回り、114.00円まで上昇。FOMC直後は米株安もあり一時113.79まで値を下げるも、米金利の上昇もあり114円の売りを試す動きは変わらず。

GBPUSDは、欧州市場の1.3150を高値に上値は重く、欧州市場は1.3087~50のレンジからイタリア経済成長の下方修正もあり、予算案をめぐりリスクが高まりイタリア債が売られ上値は重く、米国市場では1.3131を高値に、FOMCを受け1.3045まで続落し1.3060で推移中。


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22:15    CAD 10月 住宅着工件数=20.59万件(予想19.8 前回18.87→18.97万件)

22:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.4万件(予想21.4 前回21.4→21.5万件)

22:30    CAD 9月 新築住宅価格指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比0.2%(予想 前回0.4%)

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【北米】
セッションズ米司法長官の解任。ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官との会談は無期延期。マティス国務長官の解任のうわさ。

FOMC=政策金利2.0~2.25%の見送りを全会一致で決定、12月の利上げ姿勢を維持。

FOMC声明=経済活動が力強いペースで上向いてきたことを示唆。雇用の伸びはこの数カ月をならしてみると力強く、失業率は低下。先行きさらなる漸進的な利上げを継続するとの方針を維持。

経済見通しへのリスクについてはおおよそ均衡。先行きに関する文言を前回9月26日の声明からの変更なし。インフレ期待については、前回の声明と同様にならしてみるとほとんど変わっていない。

【欧州】
ECB経済報告=少なくとも2019年夏まで金利は現行水準にとどまる。ユーロ圏の消費は最近の景気減速に持ちこたえているとみられ、労働市場も拡大を続ける見込み。短期指標は今後数四半期に労働市場が引き続き堅調に推移することを示している。個人消費は今後数四半期に底堅い伸びを示すと予想される。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=リセッションのリスクは見られず、成長は正常化。イタリアの報道の問題は実体経済。市場はイタリアを特別とみており、波及するリスクはない。ECBの正常化は遅いよりも早いほうがより。正常化が遅ければバブルを引き起こす。コアインフレは依然として低いが上昇している。

ドラギECB総裁=ユーロ圏経済は好調。大規模な金融刺激策は依然として必要。

ビルロワドガロー仏中銀総裁=仏経済は採用難で雇用の問題に直面。トランプ政策は短期的に成長に寄与、長期的には深刻な不均衡をもたらす。

オーストラリア紙スタンダード=欧州委員会の関係筋は、英国のEU離脱交渉について、英国とEUの間で数日中に合意が成立する可能性。

メイ英首相(英紙サン)=閣僚の意見を取りまとめるために時間が必要、今晩訪欧してEU首脳らに訴えかける。

バルニエEU首席交渉官=ブレグジットの時間は刻々と迫っている。

メイ英首相=11日(日曜日)に閣議を招集へ。ラーブ英離脱担当相とEUのバルニエ首席交渉官が来週会談し、完全な離脱合意と政治宣言の概要が発表される可能性も高い

英政府高官=ここ数日でブレグジット交渉が合意する可能性との報道について、話半分に聞くべきと発言。

英タイムズ紙、ブレグジット合意文書を12日の閣議で検証し、13日に公表する見通し=草案ではラーブ離脱担当相とEUのバルニエ首席交渉官は13日午前に会談する可能性が高い。完全なブレグジット合意と政治宣言の概要が13日午後に発表される見通し。

ユンケル欧州委員会委員長=ブレグジット交渉は難航している

欧州委員会、経済成長見通しでイタリアの成長見通しを引き下げたほか、財政赤字は拡大を示唆=イタリアGDPを方修正、2018年1.3→1.1%、2019年1.2%、2020年1.1%。2020年財政赤字が対GDP比、2018年1.9%、2019年2.9%、2020年3.1%に上昇へ。

トリア・イタリア財務相=イタリアの財政赤字に関する欧州委の予想はイタリア政府の予想と際立って対照的だ」とし、「イタリアが情報ならびに明確な説明を提供したにもかかわらず」欧州委は技術的な誤りを犯したと指摘した。

イタリア連立政権を構成する「同盟」と「五つ星運動」が対立=債券利回りの上昇要因。→ 両党は公訴時効の延長の是非を巡り対立。「五つ星運動」を率いるディマイオ副首相は公訴時効に関して合意できなければ連立は崩壊すると述べていたが、その後、「同盟」の幹部が両党は合意に達したことを明らかにしている。 

【アジア・その他】
金融政策決定会合における主な意見を公表(10月30~31日)=2%の物価安定目標の実現に時間がかかる中、さらなる長期金利変動レンジの柔軟化に対して否定的な意見があった一方で、金利変動幅や金利操作目標年限などについて柔軟に検討することが重要との意見も出た。

NZ中銀金融政策発表=政策金利1.75%の据え置きを決定、予想通りで据え置きは14会合連続。

オアNZ中銀総裁声明=景気と物価の見通しに上振れと下振れの両方のリスクがある。将来の政策金利の動きに関する時期や方向性は引き続きデータ次第となる。2019~20年にかけて金利を現在の水準で維持するとの見通しも維持。

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