2017/07/12

2017年7月12日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年7月12日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

午後11時のイエレン議長による議会証言を前にして配布された証言テキストは、『利上げの時期』を具体的には示さず。

タカ派期待の反動なのか米金利が低下しドル売りへと動くも、通貨間で動きは異なる。実際には質疑応答でどのような内容が飛び出すかは不明。

欧州市場に入り、ブロードベントBOE副総裁が『利上げに票を投じる考えにはまだならないが、利上げへの圧力が増していると認識』と発言。市場はネガティブ部分だけをフォーカスしポンド売りへ。

注目の英雇用統計は、思惑先行なのか? 発表直前からポンド買いが進む。失業率は1975年以来の低水準。含むボーナス平均賃金は2014年9-11月以来の低い伸びと強弱が混在。労働市場を巡る政策当局者のこれまでの見方をおおむね確認するも、一部では極めて低い失業率を受けて、経済がフル稼働中で賃金伸び率が近く上向き、インフレ率を引き上げるとの懸念も残りポンド高へと動く。

USDJPYは、欧州市場に入り113.70台まで上昇後に、証言テキストを受け米金の低下もあり112.90台まで下落し、前日終値からの下落率は-0.72%で主要通貨の中で最も大きくなる。

NZDUSDは、0.7226→0.7280台へと上昇、前日終値からの上昇率は+0.55%と上昇幅は大きい。

EURUSDは、1.1425~80のレンジで上下変動が続く。

GBPUSDは、1.2865~1.2910のレンジで上下変動が続く。


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ブロードベントBOE副総裁(プレス・アンド・ジャーナル紙)=利上げに票を投じる考えにはまだならないが、利上げへの圧力が増していると認識。→ 企業収益の伸びが停滞し続けていることが、中銀に金利据え置きを求める主因の可能性、

6月15日の金融政策委員会では、サンダース、マカファーティ、フォーブスの各氏が利上げを支持、ブロードベント氏は慎重姿勢を示すもインフレ圧力を意識。

英国立統計局(ONS)=英3-5月の実質賃金(含むボーナス)は-0.7%と2014年半ば以来の大幅な低下へ。平均賃金(含むボーナス)は前年比1.8%で、5月の英インフレ率は2.9%(4年ぶりの高水準)で、実質賃金は大幅に低下へ。

英雇用統計の反応=直前の反応はポンド買い、失業率は1975年以来の低水準。含むボーナス平均賃金は2014年9-11月以来の低い伸び。ブロードベントBOE副総裁が『まだ利上げの準備はできていない』と発言していたが、労働市場を巡る政策当局者のこれまでの見方をおおむね確認するも、一部では極めて低い失業率を受けて、経済がフル稼働中で、賃金伸び率が近く上向き、インフレ率を引き上げるとの懸念も残りポンド買いへ。

バルニエ首席交渉官(英国のEU離脱交渉のEU責任者)=司法権など市民の権利を巡り英側と大きな意見の相違があり、通商交渉に入る前に問題を整理する必要がある。英国はEU市民の権利を国内法で規制することを望むが、欧州司法裁判所がEU市民の権利の「究極の保証人」であるべき。